はじめてのインドでアシュラムに行ってみた

インド南部 アーンドラ・プラデーシュ州

プッタパルティ サイババアシュラム訪問記

2024年3月中旬、初めてのインド旅行で、プッタパルティにあるサイババ師(~2011年)のアシュラム施設を訪問しました。
元々サイババや宗教に興味があったわけではありません。「アシュラムではインド文化に触れることができるだけじゃなく、普通のインドの人々も観察できて、意外に面白いと思うよ」とインド在住の知人に薦められ、何となく行ってみることにしたのです。
実際に行ってみると、教義を強制されることもなく、寄付を求められることもなく、楽しく過ごすことができました。
ただし、施設内でのルールや目的の建物までの道順の分かりにくさ、言葉には少し苦労しました。その辺りもこのnoteにまとめてみたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
(私、女性なのでどうしても女性向け情報が多くなります。ごめんなさい。)


1.アシュラムの雰囲気

アシュラムに来ているのは、95%ぐらいがインド人らしき人、他は欧米の人でした。今はロシア人が多いとのこと。欧米人の親子連れも何度か見かけました。東洋人風の人は、ほぼ私たちのみでした。
高齢のインド女性の団体が特に多く、賑やかにおしゃべりして楽しそう。ヒンドゥー教徒なのでしょうが、ものすごく熱心な信者というよりは、隣の奥さんがプッタパルティへ行くから、私も行こうかしら的なノリを感じました。
日本の昔で言えばお伊勢参りとか、現代で言うと京都の宿坊に泊まって精進料理食べて座禅して、みたいな。
知人の意見としては「もちろん悩みがあって来る人もいるだろうけど、例えば病気が治ったなど、いいことがあったからお礼参りで来ている人もいるのでは?」とのことでした。
私の印象としては、欧米の人たちは何だか悩みが深そうで、信仰に傾倒しているように見えました。

アシュラムいろいろ

私のインド在住の知人は、プッタパルティから何百キロも離れた、ある町に住んでいます。そこは中規模のアシュラムを中心に、田舎町からそこそこ賑やかな町に発展してきたのだそうです。私はその町に数日滞在しましたが、アシュラムや街の雰囲気がプッタパルティとは全然違いました。
そちらでは、アシュラムの中で自主的に瞑想している人がよく見られました。近所の丘を散歩していると、草むらの中で瞑想している人が突然いたり、瞑想と学習の集会に参加する外国人も多く、町全体に信仰のムードが漂っていました。
アシュラム内の食事は、床に直接敷いたバナナの皮に料理が盛られて、床に座って食べる方式なのでちょっと大変そうでした。

それに対し、プッタパルティはかなりオープンな雰囲気で外国人への配慮もあり、またアシュラム内でインドの普通の人と接することもできました。ハードルが高くないわりに、単なる観光以上のインド体験ができるというところが魅力かなと思います。

2.宿泊

宿泊とトイレ問題

施設内には宿泊所が多数あり、千人単位の人が滞在できるのではないでしょうか。しかし、宿泊の申し込みはかなり煩雑です。またインド在住日本人に聞いたところ、シャワーやトイレなどの設備は、かなり質素とのことでした。
施設から徒歩1~2分以内にホテルはいくつもあるので、そちらがおすすめです。インドではトイレの当たり外れが大きいため、私は施設内のトイレは一切使用せず、必要に応じてホテルに戻っていました。3月中旬とは言え、昼間は40度近くになることもあり、熱中症予防のためにも、ホテルに戻って休んでは次の行動に移るくらいでちょうどよいペースでした。

おすすめホテル

私は施設エントランス正面のホテル「Sai Towers」に宿泊しました。ホットシャワー、冷蔵庫、ドライヤー、トイレットペーパー、タオル完備。ハンガーを持参すれば、洗濯物も干せて便利でした。
1階が「LOVE IS MY FORM」というレストランになっており、南インド料理、北インド料理、ピザなどの西洋料理があります(すべてベジタリアンメニュー)。

3.準備するもの

ビーチサンダル(チャッパル)

礼拝堂や食堂、店に入るときは裸足が基本原則で、入口で着脱することになります。靴ではなく、ビーチサンダルが必須です。
・サイズが合っていて歩きやすいもの(大きすぎると転びやすく、危険)
・多くのサンダルの中から見つけやすい色のもの
・シンプルなデザイン(盗られる可能性もあるので、飾り気のないもの)
★どうしても裸足がダメなら、薄手のソックスを履いても大丈夫です!

女性はスカーフ(ドゥ-パッタ)必須

女性は施設内では常にスカーフを着けています。首回りと上腕の肌が見えないようにスカーフで覆ってください。
(スカーフの色、サイズ、巻き方に決まりはありません。)
おすすめは、
・無地のコットンシフォンやガーゼなど、薄くて洗濯してもすぐ乾く素材。
・幅65センチ、長さ160センチ程度が便利。
・現地に適当なものが売っていないため、ぜひご持参を。端を縫うだけで十分映えます。
(市販のドゥーパッタはシーツほどの大きさがあり、扱い辛く、暑いのです。)

ノースリーブ禁止、パンツスタイルで

袖なしの服はだめです。脚を出すこともあり得ないため、パンツスタイルが必須です。
私はごく薄手のコットンの半袖チュニックとパンツで過ごし、毎日手洗いして部屋干ししていました。(ハンガーを持参した方がいいです。)
空気が乾燥していたので、数時間で乾きました。

小さめの斜め掛けポーチ

礼拝堂に荷物は持ち込めませんが、小さめの斜め掛けのみ何となく認められているようです。パスポートやお金、カード等の貴重品を入れます。
(礼拝堂の入り方については後述します。)

日傘、日焼け止め

3月から暑くなります。日傘をさしている人は少ないのですが、禁止されているわけではありません。日傘があれば体力の消耗も少ないですし、おすすめです。
ただし礼拝堂に入るときは日傘を預けさせられてしまうため(ちゃんと戻ってくる保証はありません!)、ホテルに置いてきた方がいいです。

4.施設内スケジュール、施設案内図

掲示されているスケジュールを確認

初めて施設に入ったとき、リーフレットのようなものがもらえるかも、と期待していたのですが、そのようなものは一切ありません。唯一Entranceから60メートルほど進んだSouth Indian Canteen Mahila(Ladies)の壁に貼ってあった一日のスケジュール表が情報源でした。入場したらまず礼拝の時間や食堂のオープン時間などを確認するといいと思います。
(なお、このnoteに記載した情報は2024年3月時点のものです。)

施設案内図

拡大して見てね!
 長押しして、コピー、ダウンロードも可能です。

施設内の案内図のようなものも最初は見つかりませんでした。
その上、ここでは現地の人同士は現地語のテルグ語で話し、来訪者にはヒンディー語で話します。英語は通じない場合が多く、どこかへの行き方を質問しても、はっきり答えてくれる人は一人もいませんでした。そのため、来訪者に最低限必要と思われる案内図を自分で作ろうと思い至ったわけです。
後になって古く色褪せた案内図を発見したのですが、Entranceから遠く離れた場所に貼ってあり、どうしてこんな場所に?と思ってしまいました。

施設裏門で撮影
 ENTRYの上は現地語のテルグ語、下はヒンディー語

5.入場のしかた、施設内のルール

礼拝時間帯の入場:礼拝堂にモバイル、日傘は持ち込み禁止

礼拝の時間帯は、係員の指示で礼拝用ゲートから入り、まず空港にあるような電子的なチェックゲートを通ります。
(その後、礼拝堂以外の場所に行くのは自由です。)

礼拝堂の入り口は男女で分かれています。
向かって左が男性、右が女性です。
それぞれサンダルを置くスペースがあるので、サンダルを脱ぎます。
階段を上がって進んで行くと、礼拝堂のサイド側にある入り口で荷物検査やボディチェックが行われます。
禁止品が発見されるとサンダル置き場脇のクロークなどに預けさせられてしまいますので、礼拝に出る際は、私はホテルに置いてくるようにしていました。

礼拝時間以外に入場する場合

通常の時間帯はエントランスから自由に出入りができ、荷物検査はありません。ただ、施設内は撮影禁止になっているため、モバイルでおおっぴらに撮影している人は見かけませんでした。

大声の会話禁止

施設全体として、「Silent, Please」の表示が多いです。

通路でもサンダル禁止区域あり!

普通の通路でもたまに、白く塗られた部分で、裸足で歩かなければならないところがあり、急に「チャッパル(サンダル)!」と注意されて、驚いたことがありました。

この施設内の挨拶は「サイラム」

こんにちは、ありがとう、さようなら、全て「Sai Ram サイラム」です。元々の意味は「神様」だそうです。左手を心臓のうえに置くのが正式らしいけど、そんなに気にしなくてもいい感じでした。

6.礼拝について

礼拝の流れ

開催時間は、South Indian Canteen Mahila(Ladies)に貼ってある、スケジュール表で確認できます。
(施設案内図参照。入口から60メートルほどまっすぐ歩いたところの壁にありました。)

礼拝はMORNING(8:00~9:30)とEVENING(16:30~18:00)があり、
VEDAM(ヴェダム ヒンドゥー教のお経)
BHAJAN(バジャン 讃美歌の演奏)
AARATI(アーラティ Priestによる一種の儀式)
これらが終了した後に
MAHASAMADHI DARSHAN(マハサマディダルシャン 故サイババ師への礼拝)
という流れです。(2024年3月時点の情報です。)

参加するかどうかは自由で、何時に来ても大丈夫です。
ただし、座る場所は係員に指示され、床に座ります。あぐら、体育すわり、正座など座り方は自由です。
簡易的な座椅子のようなものを持ち込んでいる方も見かけました。

礼拝堂に響き渡るお経は意味が分からなくても、聞いているととても心地がよく、落ち着いた気持ちになれました。讃美歌は繰り返しがとても多いのですが、声がよくパーカッションも派手なので、全く飽きることなく聴き続けることができました。後半の方ではリズミカルでテンポの速い曲もあり、手拍子したり、身体を動かしてノリノリになっている参加者も見受けられましたよ。

礼拝の最後にAARATI、そしてMAHASAMADHI DARSHAN

鐘が大きく打ち鳴らされ、Priest(一番偉い方?)が、先に火のついた棒を円を描くように動かして、ご利益のある煙を参加者に向けて浴びせて下さいます。これがAARATI(アーラティ)です。
その後、参加者は順番に祭壇の中央に安置された故サイババ師の棺の近くに進み、額づいて拝むことができます。MAHASAMADHI DARSHAN(マハサマディダルシャン)と呼ばれています。ライブの規制退場のように、会場整理係の指示で整然と列に並ぶことになります。人数によっては、かなり時間がかかると思います。

係員に怒られる?

ある日、自分の都合で列に並ばずさっさと帰ろうとしたところ、係員に「ダルシャン!」と制止されました。「勝手に帰るのは失礼だ」と注意されたのかな?と思い、私は咄嗟に「トイレに行くので・・」と言い返して会場を出てしまったのです。しかし後から考えると、「是非やった方がいいよ」という意味のような気がしました。
 
初めのうちは、礼拝堂以外でも「おしゃべりしないように」とか、「サンダルを脱ぎ忘れている」とか、無表情(に見える)の係員に注意されるとびびっていたのですが、段々と、怒っているわけではなく好意で言ってくれているのだと感じるようになっていきました。また、他人がいるところでは小声で会話する、などコツも分かってきました。

スカーフを直してあげるおばあちゃま

欧米人らしき女性が、スカーフをしてはいたのですが首周りと上腕が見えていた時のこと。電子ゲートの年配の係員が、にこにこしながら丁寧に丁寧にスカーフを巻き直してあげていました。おばあちゃんが孫にやってあげるみたいに優しくて、見ていた私たちもなんだかほっこりしてしまいました。

ボランティア?

来場している人々の中に、黄色とオレンジ色のストライプのネッカチーフを着けたインド人女性がたくさん見られました。多分信者の方々で、誘導係、食事の世話などの仕事を担当していらっしゃるようでした。教義として奉仕が義務づけられているため、ボランティア=修行として行っているのだと思います。ありがとうございます!
(確認したわけではないので、違っていたらごめんなさい。)

男性の場合は上下白い服に、青と水色のネッカチーフでした。

礼拝中に鳩の糞が!

礼拝堂の天井はいわゆる格天井で、立体的な装飾が施されています。礼拝堂は壁のない体育館みたいなものですから、自由に出入りする鳩が天井に止まって、時々糞を落とすのです。係員が落下を発見すると指令が飛び、ホウキとちりとりを持った担当者が駆けつけます。床の糞にウエットティッシュをかぶせ、器用にホウキで回収します。その後、別の人が濡れぞうきんで床をきれいに拭き上げてくれます。

インドでは作業を一人の人が最初から最後までするのではなく、分業で行うことが多いように感じます。非効率なようで、妙にシステマティックでもあり、不思議な感覚でした。

7.ショッピングセンター、Book Shop

ショッピングセンター

場所は施設案内図を参照してください。敷地の左上の方です。

滞在者のための食品や日用品、アパレル(サリー、子ども服、バッグなど)が売られています。おみやげになりそうな物としては、サイババ師の写真、お香、紅茶、VIBHUTHI(ヴィブーティという聖なる灰。一袋2ルピー)くらいでした。
会計後、入場時とは違う、出場専用口から出ることになるため、サンダルは履いたままだったと思います。
(おみやげのおすすめについては後述します。)

ショッピングセンターの斜め後ろには、Grocery Store(八百屋)もあるので、インドの普通の商店の雰囲気を体験したい方はどうぞ。
確か、裸足で入場だったと思います。

Book Shop

ショッピングセンターの近くです。施設のエントランスからは一番遠い地区にあります。
サイババ師の語った言葉を集めた書籍や、スピーチを収めたCD等のオーディオが大量に売られています。

書籍コーナーではまず、何語で読みたいのか、係員の方に聞かれました。各国語の本がずらりと並んでいます。日本語の書籍も少しだけありました。専門書っぽい物だけでなく、英語の子ども向けの絵本や文字数の少ないブックレット的なものが数多くあり、英語の苦手な私でも何とか読めそうなものをいくつか購入してみました。価格は、本としてはとても安いです。

「My Life Is My Message」より

満面の笑み

ある知的な雰囲気の女性係員に「こんな内容の本は・・?」と英語で質問してみると、彼女は素早く適当な本を選んで薦めてくれました。お客さんは多くないので質問されたのが嬉しかったのか、満面の笑みがとても印象的でした。

インドあるある

Book Shopでちょっとした事件がありました。
店内では当然裸足、と思い、入り口でサンダルを脱ごうとしたら、クロークの係員が「脱がなくていい」とわざわざ言ってくれたので、履いたまま入って行ったのです。ところが中に入ると別の係員に「脱ぎなさい」と注意されてしまいました。人によって答えや指示が違うという「インドあるある」です。だから私たちは大して気にもせず、もう一度入口に戻り、サンダルを脱いだのですが、何と、それを見ていた係員同士で、口げんかが始まってしまったのです。その件について言い合っていたのかどうか、はっきりはわかりませんでしたが。

8.食堂、売店

施設内の食べ物は、味が濃すぎることがなく、オイルの量もほどほど、きわめて健康的なもので、全部美味しかったです。私はベジタリアンではないのですが、物足りないということもありませんでした。

食堂 (Canteen)

食堂(Canteen)は3か所あり、それぞれ男女別になっています。
すべてベジタリアン料理です。
大抵の場合、朝食と夕食でメニューが異なります。
オープン時間はSouth Indian Canteen Mahila(Ladies)前に貼ってあるスケジュール表で確認してください。

South Indian Canteen

★男性用Canteen向かいのスタンドで予めミールクーポンを購入。
南インド料理。いわゆるカレーとご飯が中心。Entranceから一番近く、広い。一番安い。
例えばディナ-セットは15ルピー(30円)。
裸足で入場。右手で食べる。
ディナーセットの場合、手を洗って席に着くと、カートに鍋を載せて回ってきた給食係みたいなおばさま方が食べ物をよそってくださいました。

North Indian Canteen

★トレーに好きな物をよそってもらい、レジで精算。
北インド料理。日本のインド料理店のものに近い。すいている。
価格は真ん中。
朝食は提供していない。(近くの屋台で北インド風軽食を購入可。)
裸足で入場。右手で食べる。
おすすめは、「パコラ」(チリの揚げ物だが辛くない。衣は茶色。ナスくらいの大きさ)です。

Western Canteen

★トレーに好きな物をよそってもらい、レジで精算。
ほとんどがインド式の西洋料理。トマトパスタ、サンドイッチ、ブルスケッタ、ローストポテト、フルーツサラダ等。スイーツ、ラッシー、ヨーグルト、コーヒー、ハーブティーなどもあり。
値段は3か所の中では一番高いが、裸足でなくてもOK、フォークやスプーン使用可なので、ハードルは低いと思います。

右手で食べる

South Indian Canteen と North Indian Canteen は完全インドスタイルなので、スプーンやフォークはありません。右手だけで食べるのは私、初めての経験でした。

各食堂には手洗い場が必ずあり、食事の前後に手を洗います。

パラパラのご飯にねっとり系のおかずを添えて食べるのはまあいいのですが、サラサラ系のカレー味豆スープだったりすると、指ですくうのが難しく、最後スープとご飯粒が皿に残りがちです。ゆっくり食べるしかないのでダイエットにもよさそうでした。

その点、米や豆の粉とか小麦粉でできたパン系(種類が多くて名前が覚えきれませんが、チャパティ的なものがいろいろあります。)だと、カレーの部をすくうのがわりと簡単で、まあまあのスピードで食べられます。パンを食べたい大きさに片手でちぎるのも段々上手になり、ある時など、食堂のオープンと同時に入ったら、食器を下げるのが一番乗りでした。

なお、コップや皿は左手で触っても大丈夫です。

Western Canteen ではスプーンやフォークを使って食べることができますが、「右手だけで食べる」のもぜひぜひ試してみてください。

売店で軽食・ドリンク類が購入できます

私が発見した売店三か所を案内図に記載しておきました。
オープン時間が各々異なるため、まずは回って見てみることをおすすめします。
買う物を決めて会計を済ませてから、レシートを持って男女別に並んで商品を受け取る方式のところがあるので、ご注意を。

・ROUND3の近くの屋台
(軽食、ドリンク、アイスクリーム、水ボトルなど、最もバラエティ豊富)
・ROUND2の手前のコーヒースタンド
・ROUND2の先のベーカリー

飲料水

私が訪問した3月は既に日本の真夏並みに暑く、とても喉が渇きました。施設内には飲料水のサーバーがあることはありますが、私はペットボトルのものしか飲みませんでした。
施設内で水を買うなら、ROUND3の近くの屋台で。

水は色々なブランドがあり、ミネラルなどの成分も異なります。知人に聞いた話なのですが、彼女の場合、どうもお腹の調子が悪かったのだが、水のブランドを換えたらよくなったとのこと。個人差はあるでしょうが、おすすめは屋台でも売っていた「Bisleri(ビスレリ)」です。 

9.施設外の商店街でおみやげを探してみた

施設内のショッピングセンターでは、サイババ師の公式グッズはほとんど販売されていません。せいぜい写真ぐらいでしょうか。
そこで、施設近くの商店街で、おみやげになりそうなものを探してみることにしました。
顔写真のついたブレスレット、ネックレスなどは大量にあるのですが、あまり手を出したいデザインではありませんでした。腕時計はキッチュな感じのもあり、ちょっとかわいかったけど。

ここは暑いため、観光地にありがちなTシャツ屋は少ないのです。路地を入って、やっと二軒ほど発見しました。どちらも師の名言(英語)を大きくプリントしたものを数種類売っていました。素材のよさそうなのを2種類選んで購入しました。
コットンでなく、化繊の入ったものもあったので、素材は確認した方がいいと思います。

文言もいろいろありました

自分用のおみやげには、ごくシンプルな蓮の実を連ねたブレスレットを買いました。色は黒に近い茶色です。値段は100ルピーくらいだったと思います。

10.サイババ師の教えについて


Entranceの近くにて

LOVE ALL SERVE ALL

この言葉は教義の中でも最も重要なようで、礼拝堂の祭壇の中央の直下の垂直面にはっきり書かれていました。施設内の色々な場所にも表示されていて、例えば、ROUND3横のATMの側面に「LOVE ALL SERVE ALL」と大書されていると言った具合です。
いわゆるインド哲学の難解さとは違い、「すべてを愛し、奉仕せよ」というのは、とても具体的で温かい言葉だと思いました。

SAMASTHA LOKAH SUKHINO BHAVANTU

「サマスタ ロカ スキノ バヴァントゥ」は礼拝のお経にも何度か出てきた文言で、「世界のすべての存在が幸せに心地よく生きられますように」という意味だそうです。ヒンドゥー教の元々の祈りでは、「すべての人々が」という文言だったのが、サイババアシュラムでは「世界のすべての存在が」という、より広い意味の言葉として唱和されているとのことでした。

素人なりに考えてみた

Book Shopで買い求めた「Golden Quotations」という英語のブックレットを翻訳アプリを使い、ざっと目を通してみました。サイババの教えを非常にやさしくまとめたものです。

「執着や欲望を捨てれば幸せになれる」「食べ物を大切にしよう」「他人に施した恩恵と、他人から受けた悪いことは忘れなさい。でも、他人から受けた恩恵と、他人に対してやってしまった悪いことは忘れてはいけない。」などなど、大抵の日本人が持っている道徳観からして、ほとんど違和感はありませんでした。

特に「他の宗教を尊重することを教えない宗教は宗教と言えない」なんて、多神教?の日本人として、深ーくうなずいてしまいました。その考えがあれば今の戦争の何割かは起こらずに済んでいるでしょうから。

11.施設の周辺を散歩 ―かわいい動物たち、チャイショップ

ある日の早朝、涼しいうちにと思って、散歩に出ました。
ホテル「Sai Towers」を出て、左方向へアシュラムの壁沿いに歩いて行き、アシュラムの敷地が終わったところで右に曲がると、病院や大学などのあるエリアがあります。坂を上ると大学地区のゲートに係員の方がいて、入っても構わないと言ってくださったので、中を一周してみることにしました。

尖塔の立派な建物や、白い巨大な記念館(「LOVE ALL SERVE ALL」「HELP EVER HURT NEVER」が前面に大書されている)がありました。誰もいなくて本当に静かでした。高台になっており、施設や街を見渡すことができます。植栽が豊富なので、街中では見られないリスやハチドリ、大きなコウモリが木にぶら下がっているのにも出会いました。

帰り道で初めてチャイショップに立ち寄ってみました。
道路端にテーブルを置き、その上にコンロを据えてお茶を煮ています。朝食用のパンやお菓子も売っていました。お茶は普通のコップ半分ほどの量が一人前、その店は紙コップで出してくれました。お客は適当にその辺で立ち飲みです。濃すぎず、甘すぎず、ミルクたっぷりのフツーにおいしいお茶でした。実は激甘を想像していたので意外でした。
物乞いの女の子がやってくると、店主の女の人が当たり前のようにパンを一つあげていました。

12.おわりに

ここまで、自分の体験とインド在住の知人の知識を元に書いてきました。サイババ師の死後、観光地化してしまったと嘆くご意見もネット上で目にしましたが、ここの親しみやすさと明るい雰囲気は、私のようなインド初心者にとってちょうどよかったと言えます。幸いお腹も壊しませんでしたし。

私たちは最初、この施設のルールにとまどったこともありましたが、このnoteをお読みいただければ、スムーズに行動できることと思います。
単なる観光地めぐりより、少しだけディープなインド体験をしたい方におすすめです!


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