見出し画像

人間って、案外カンタンには死なないんだな~トレーニング編~

まずは体力面のトレーニング

少しは歩けるようになってきて、行動範囲も少しだけ広がったことによって、作業療法と理学療法のリハビリがスタートした。

原因は、術後廃用症候群はいようしょうこうぐんらしい。

午前中は作業療法のOTさんが部屋まで来てくれて、無理のない程度にベッド上で体を動かしたり、ベッドから起き上がって、床に立った状態でおもりを持った状態で筋トレをする。

午後からの理学療法のリハビリでは、同じくPTさんが部屋まで来てくれて、病棟のなかを歩いたり、階段の昇り降りをしたりして、短時間では終わるが、体力が皆無だった私は、すぐに息が上がって疲れてしまう。

これは、問題なく自由に歩けるまでには、かなりの時間がかかりそうだった。

次は食事のトレーニング

少しずつ動けるようになってきたところで、食事のスタートも決まった。運よく食事が始まったのは金曜日で、私が入院している病院では、金曜日のお昼が麺類の日。

素麺が出て嬉しかったが、今までの絶食期間中に、胃袋は今までにないくらいに、ミニマム級になってしまったらしい。完食まではほど遠い。

夕食からは重湯からのスタートで、噛まなくても良いものしか出てこないのは、毎回の事だから慣れていても、お粥への苦手意識はなかなか消えない。

結局、お粥は3口食べられた程度で、おかずもほとんどが残っている状態で、早くも満腹を迎えてしまったのだった。

自分のことながら、情けないような感じもしたが、ダイエット道場に通っていて、自分が修行僧だと思えば、結構楽しめたのは事実である。

リハビリも始まっていて、午前中の作業療法が部屋で終わった後には、車いすに座って昼ご飯の配膳を待って、お昼のワイドナショーを見ながらご飯を食べて、食べ終わってもしばらくは車いすに座っている様にしていた。

看護師さんがご飯の下膳に来るんだが、どのくらい食べたか確認した後に、「やっぱり、この位しか食べられないよねぇ」と言いながら、お膳を持って帰る。

車いすに座っていると、お尻のぜい肉が痩せてなくなってしまって、お尻の骨が刺さって車いすに座っていられなくなるまで我慢して、限界になったら自力でベッドに戻る。

短距離なら歩ける様になって、水以外のジュースの許可も出て、デイルームの自販機で、術後初めてジュースを買う事にも成功した。

フランジ交換のトレーニング

毎週の月曜日と木曜日に来てくれるWOCナースさんに、見守ってもらいながら、自力のフランジ交換のトレーニングも始まった。

WOCナースさんがフランジ交換してくれえる時は、仰向けでやってもらっていたので、自分のストマや傷口を自分で見ることも少なかったから、自分の目で直接自分のお腹を見るのが初めてだった。

初めて見た自分のお腹がグロかった。閲覧注意な案件だったが、慣れるしかない。痛そうだがおへそのすぐ右に、梅干しが乗っかっているような感じだ。

ストーマ自体は、腸で造っているため、痛みを感じることはない。ただストーマが充血していて、見た目だけで痛く感じる。

こういう時って、視覚が一番大切なんだと思った記憶がある。あとは、自分の固定概念のようなものも、良くない方に思い込むのも問題だ。

濡らしたリードのクッキングペーパーに、ビオレのボディーソープをつけて洗う。残ったボディーソープも綺麗に拭き取って、ストーマと周囲の皮膚を保護するパウダーを薄くかけて、新しいパウチを貼って終わり。

画像1

心配していた痛みもなかったけど、この見た目とフォルムになれるまでには、時間が掛かる気しかしないと思った。

WOCナースさんの話だと、私はS字結腸のほかにも、大腸と小腸の繋ぎ目から、回腸を50センチ以上は切除しているらしい。私は回腸でストーマを造っているから、イレオストミーと呼ばれる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?