私、ナナシノでいる時、恐怖と不安がおさまらない。

お医者が母に説明してた。
「都合の悪いことを他の人格が補っていたから、本人は今相当不安ですよ」

三週間毎の通院が二週間毎になった。
頓服の消費が多い。

横断歩道、バス停。
立ち止まる。十歩下がる。
酔うように、なにかに誘われるように、呑み込まれるように。
車道を車が走り去るのを凝視する。

青になるまで動いちゃいけない。

考えてる訳じゃない。
ただの衝動。
誰かが囁く。さぁ行けと。身体を動かせと。
だから恐い。
自分が何をするのかがわからない。

私、どうしちゃったんだろうかと思う。
まだ理解の追い付いていない部分があるのだと思う。
なんでまだ生きてるのか。
生かされてきたらしい。
なんで？
わからない。。

わからないけど、私は私だ。と思う。たぶん。

混乱から弱くなってる。

この心は私だけのものであってほしい。

沢山の誰かが私を見てる。
彼らを想うと泣きそうに震える。
息が上がる。
踏み込んじゃ行けない。
それができないから分かれたのだと言う。

自分がなんなのかがわからない。

***

お前がそうして抱えてもぐるから、俺らはいる。
それじゃ不服かね。

お前を好きでいる奴らがお前を生かそうとしてきた。

明日は自立支援で早いから、もう寝るぞと。
で、片付けは俺、と。

シオン