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勝手に1日1推し160日目 「サンクチュアリ-聖域-」

「サンクチュアリー聖域ー」監督:江口カン     ドラマ

だれだれだれだれー?だれが見つけてきたのよ、一ノ瀬ワタルを。んぎゃー、彼を主演にキャスティングした時点で作品が決まったといっても過言ではない!さては相撲の神の采配か?!ってくらいドンピシャはまり役~。強烈~。粗野で横暴、生意気なのに茶目っ気があるのよ。憎たらしいんだけど、かわいいとさえ思えるんだよなぁ、あの顔、あの大きさで。なんだかんだピュアで笑顔に愛嬌があるよねぇ。んで、徐々に凛々しくなってく!とっても魅力的です!!
一ノ瀬さんについてめちゃくちゃ調べちゃった。結構色々な作品に出演されてるんですね。元キックボクサーなんですって。あの体格、分かりみ!あ、一ノ瀬さん以外もキャスト陣みなさま最高でした!瀧、やっぱりいいよな。おかえりなさい。

さて、およそ、相撲とは思えぬ序盤。
まわしさえなかったら、力士には見えぬ!!プロレスラーなのよね、風体が。長州力やんか?!ってなります。髷もないし。彼が土俵に存在する違和感、まわしをしめてる違和感・・・パフォーマンスもド派手でプロレスなみ。パンクス力士なのよねえ。
そりゃあ、伝統と品格を重んじる協会や角界のお歴々がほっときませんよって話なんです。

勝手なイメージ?偏見かもしれないんですが、スポーツで言うならボクサーなイメージって言うか、やんちゃでやからっぽいって言うか。
日本人が力士や相撲に持っているイメージとあまりにもギャップがあって、そこがドラマであり、面白さかなあって思います。

てか、見たらあれこれ御託を並べる以前に、めちゃくちゃ痛快で、あっぱれで最高に面白かった!!!でいいじゃんってなるのが、本音。最高のエンタメ作品でした!砂まみれの力士たちと土俵シーンの迫力も半端ない!!

世界的な知名度を誇り、1,500年以上日本の伝統文化として、また神事として、神秘のベールに包まれている大相撲。その戦いが行われる土俵は、まさに“サンクチュアリ(聖域)”。主人公は、カネのためだけで大相撲に一切興味ナシな力士・猿桜(えんおう)こと小瀬清。やる気もなく稽古もサボり気味、先輩には盾突きまくり……と手が付けられないクズっぷりだったが、徐々に大相撲にのめり込んでいく。

シネマトゥデイ

前半はそれこそ、北九州から諸事情抱え都会に来て、相撲と正面から向き合うことをせず、金と女と名声を求め、自己流を貫き通していた半端者のパンクス力士見習いきよぽよ(小瀬清)だったけれど、名実ともにぺっしゃんこに潰されてからの大逆転。猿桜(小瀬清)として生まれ変わる展開には胸躍るよねぇ。角界を荒らすヒールが部屋を挙げたヒーローへと変貌する訳ですから、シンプルに高揚するんですよ!!

ほんと、序盤、取組前の礼の深さで勝敗が分かるって大相撲記者の時津さんが言ってたんだけれど、誰に言われたわけでもなし、自然と猿桜が深々と土俵の神様に頭を下げる姿には、感慨深いものがあります。
日々の鍛錬と稽古で自ずと身についた所作が風格となり、出前稽古でチンピラのようなだった見習いきよぽよが威風堂々たる力士、猿桜に成長。この対比描写は本作の見どころの1つであること間違いなしだと思われます。同じ部屋かいな?ってなる、猿将部屋の仲良しぶりにもウェーイってなります!
これ、この現象、ホント自覚、意識することの大切さ、主体性の重要性について考えずにはいられませんでした。
猿桜の相撲への真摯な態度とその変化に、部屋全体が息を吹きかえすように呼応し、それぞれが主体的に稽古に励み、努力しあい、励ましあう。
空気の良さは全体の士気にモロに影響するんですよね!そんな猿将部屋の復活に、猿桜の相撲の取組同様に沸き立つものがありました!最終的に猿河も仲間に加わったね、良き。突然のスポ根~。

更に、猿桜の成長ストーリーの小脇に流れる猿谷ストーリーがまたいいんです。こちらも王道で泣けるの。挫折から努力の復活、そして終焉、新たなスタート・・・涙。言葉少なな激渋な猿谷、かっこよ。

映像的な話では、重要な取組シーンに活用されるスーパースロー演出が最高だったなって思います!
肉のたわみ?揺れ?流れ?がめちゃくちゃ生々しく肉肉しくてイイ!!!体 VS 体、の生感、質感が、THE HUMAN!!で、本能に働きかけてくる感じがしました!すごく良かったし、好きでした。ほとばしる汗、はじけ飛ぶ歯、耳、血。怖っ。まさかのスーパースロー使い。

猿将部屋以外の各部屋に、タイプが全く違う様々なバックグラウンドを持つ訳あり力士、それも部屋を背負うようなビッグな力士たちがいるのも面白かったし、そのライバル同士の取組をそこまでメインに据えない描き方も興味深かったです!

あくまで相撲の見えない、そして、見せない部分を、力士たちの努力やその力士や部屋を巡る大人の事情を、豪快なまでにあけっぴろげにエンタメ化して描いておりました!
聖域なんていわれてるけれど、めちゃくちゃ世俗的で一般社会となんら変わりませんってな具合で、そこもタイトルやリアルとのギャップ萌え効果?ですね。

部屋内での「かわいがり」という名のパワハラ、いじめ問題や、女性が土俵に入れない性差問題、などなど不透明で理不尽な長い歴史を持つ聖域である角界が、現実社会で抱える問題をも取り入れつつ、エンターテイメントとして描かれる時代になったんだものなあ、感慨深い。そこは、令和ですなって、時代の流れに思いを馳せました(遠い目)。

どうでもいいけど、ものすごい小物感を漂わせるて小物たちが大物たちの間を右往左往しているのもギャグっぽくて好きでした。馬山部屋なんて不憫ですらあり、清々しい扱い。そう、これこそがエンターテイメント。

しかし、私的にはもうちょっと龍谷部屋について知りたいけどな。闇が相当深いでしょ。シーズン2に期待!!続いて~。あ、あと、海外が思う相撲なイメージのオープニングがスタイリッシュでかっこよかったです。

それにしても1500年以上続く相撲の原点がとにかく四股につきるっての、凄すぎてちびる。1500年前の力士も四股稽古してて、令和5年の力士も四股稽古してるんだよ。ある意味狂気の沙汰。

ま、何はともあれ、静内くまちゃんの花輪づくりはフォトジェニック。

ということで、推します。


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