見出し画像

勝手に1日1推し 204日目 「舟を編む~私、辞書つくります~」

「舟を編む~私、辞書作ります~」脚本:蛭田直美     ドラマ

涙涙涙。号泣!!!泣いた泣いた泣いたよー。素晴らしかった!!!
人と人を繋ぐのは、やっぱり言葉なんだよね。心の見えない部分を言葉にして届けることで人は人と分かり合える。
ああ、大渡海。言葉の海を渡る船。そんな船を作る人たちの物語。「言葉を集め本を作る」=「舟を編む」人たちの物語。

大人気ファッション誌の編集部員・岸辺みどり。雑誌の廃刊が決まり、突如異動になった先は辞書編集部!そこは、ぼさぼさ頭で超がつくほどの生真面目上司・馬締光也を筆頭に、くせ者ぞろい。みどりは、彼らに翻弄されながらも、一冊の辞書を作るために十数年間に及ぶ時間と手間をかける根気と熱意に触発され、次第に自らも言葉の魅力を発見、辞書編さんの仕事にのめり込んでいく。辞書「大渡海」を完成させるまでの、辞書編集部員たちの奮闘物語。

「舟を編む」公式HP

あーあ、終わっちゃったあ。寂しいなあ。最終回を見たら終わっちゃうと思うと悲しくて録画してたのをずっと見れなかったんだよなあ。進撃の最終回は2か月、フリーレンの時は3週間見れなかったけど、今回はそこそこすぐ見れた。成長した!見渋り、読み渋りをなんとかしたい。

さて「舟を編む」。小説、映画、アニメ、と大大大大好きだったし最高だったけれど、ドラマも大大大大好きになったし最高だったよ!
三浦しをん先生の原作の持つ魅力×言葉の持つ力は、いつだって大海原にもまれる私たちを照らす灯台になってくれます。

10年以上前の原作を現代版にアップデートし、時にエピソードを膨らませ、深掘りし、オリジナルストーリーを練り込んだ大幅リニューアル脚本が秀逸でした。
見出し語や語釈の多様化はもちろん、SNSの普及、デジタル書籍の台頭、コロナ事情、などなど近年の身近な変化を辞書作りを通して問題提起から解決へと導くという構成でした。紙作りや装丁作りなど、編集作業のみならぬ、多くの人が関わって出来上がる想いののった「大渡海」にたまらない愛しさを感じます!
多くの人が長く安心して乗れるような舟。さびしさに打ちひしがれそうな旅の日々にも心強い相棒になるような舟。大渡海~!!!

そして、編集部員たちが言葉について悩み、考える姿は、リアルな今を反映している事象であることから、当事者感が凄くて感情移入せずにはいられません。一喜一憂しながら、一緒に悩み、考え、最適解を求めずにはいられませんでした。

言葉を尽くすことで、理解し合うことができ、協力し合あうことができ、一人では成しえないことを成すことができるんだっていう希望が本当に眩しかったです!
辞書のレイアウトさながらの凸凹なパズルのピースが合わさることで完成した絵図こそが辞書作りチームで、その集大成が「大渡海」。
ナカーマ。ミニオンも言ってたな。繋がりが薄く、分断が叫ばれる時代を生きる今見ると、憧れに目が眩みそうです。

やっぱりこういう熱い”血潮”の流れる作品の系譜は、定期的に世に出るべきです!
三浦しをん先生がブログでおっしゃってました。

「辞書が完成させられるか否か」が話の焦点ではあるけれど、その結論を「ネタバレ」したからといって、作品自体のおもしろさは削がれない。
(中略)
「何かを成し遂げられるか否か」的なわりと直線的なストーリーラインの場合、肝心なのは、細部の強度である、ということだ。

ビロウな話で恐縮です日記

ほんと、そうなんですよね。熱い”血潮”(←重要ワードなので使いたい)、それは「細部の強度」に位置している部分なんだと思います。
小さな成功や挫折、努力や諦めが積み重なって日々が過ぎゆき、目標や目的がある場合は、いつか結果が出る訳ですが、そこに辿り着くまでの1つ1つのエピソードは些細であったとしても、それなくして結果には結びつかないってことですよね。それこそが、世間で言うところの、結果ではなく過程が大切、途中式も書きなさい!ってことなんですよね。
重要なことだから2度言っときます。途中式も書きなさい!否、結果ではなく過程が大切。

人生(物語)では、結果を出した(出す)状況より、過程の状況の方が断然多い。つまり過程は人生(物語)の細部に当たるので、そこに熱い”血潮”が流れているということは、それだけ生き様を描いているってことになるので、そうです!そんな物語なんだから、私たちを惹きつけないわけがない!
熱い”血潮”作品は、激励であり、勇気であり、希望であり、普遍的なものなんですもん、需要しかないです!定期的に摂取しないとです!
最近この手の作品を見ておりませんでしたが、改めていいなあって、好きだなあって思いました。

今回主役を務めたのは、異動してきた岸辺みどりちゃん。彼女視点で描かれることで、重要な局面を打開する策が必然と受け取りやすく、より今っぽさが感じられるんです。流行には疎い編集部内からでは決して出ないであろう疑問や突飛なアイディアなどが的を射ていたし、それをしっかり受け止め、受け入れる編集部員たちの姿勢もフレキシブルで、こんなところで働きたい!という理想の職場を描いてくれている気がして、なんか嬉しかったな。物語の世界くらいこうでなくっちゃ。
とても素敵なドラマでした!

キャストもとっても良かったです!
映画「舟を編む」が完璧で印象が強過ぎた為、まったく違和感がなかったか、と言えばウソになりますが、それも最初だけで全然気にならなくなっちゃって、むしろ、この人たちしかいない!くらいになりましたYO。
池田エライザさんのみどりちゃん。ルッキズム、心理面共に、多面性を繊細に演じられていたと思います。不本意な異動による辞書作りだったはずなのに、言葉に魅入られ、熱く情熱を注ぐまでになる内面の変化を見事に体現されていました!
野田洋次郎さんの馬締さんも良かったです。猪突猛進な気質とか素でも持ち合わせていると思うのでそういうところが出ていたと思います!職業柄、言葉にも精通しているしね。
松本先生もさあ、柴田恭兵さんさあ、良かったなあ。柔らかかった。優しかった。とてもユージ(あぶ刑事)じゃなかったよ!!グラサンかけずにループタイしてたよ、かっこよ。若松了との掛け合いも可愛かったなあ。
向井理さんはねえ、異次元のすたいる・・・。ジョーも良かった(原作に近い)けど、理も負けてなかった。ノリはいいけど品のある西岡さんで素敵でした。
あと、オリキャラ前田旺志郎くんがすごくいい。いい芝居する!今後の俳優活動に期待します。
ハルガスミツバサさんもね、いいよね、時生くん、いいよね。

原作への愛とリスペクトなくして、この仕上がりはない!全ての「舟を編む」ファンにお届けしたい!
ので、絶対再放送してほしい!BSだけでの放送なんてもったいないよ!ネトフリとかアマプラでの配信希望!!

ということで、推します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?