「グランギニョル」後書きというか覚書

拙作「グランギニョル」についてはTwitterの方でも触れているが、Twitterは構造上ネタバレ回避が困難なので、「ストーリーの核心部分に触れそう」なものはこっちに書くことにした。
以下のサイトに投稿したので、まずは一読していただければ幸いである。



小説家になろう
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エブリスタ









・「人形の名前」はないのか?
人形に名前はない。
「アリス」と呼んでいるが、これはケヴィンが咄嗟に発したもので人形の名前ではない。「アリス」はケヴィンの初恋の相手の名前だとかそうじゃないとか。

・人形の中にいたもの
人形が動き出して口を聞いたのは、無名経典の力で「物にくっついて動く寄生生物」と化した男が人形に取り付いたから。
ちなみに男の名前はドニ。Denisのフランス読み。デニス=ニルセンというイギリスで15人殺害したシリアルキラーから。

・無名経典ってなんだよ
詳しく説明すると長ったらしくなるのでざっくりいうと「混沌の力によって異常発展した異世界で、とある男が混沌に触れた結果「存在そのもの」に絶望し、存在という存在を無に帰すための方法を記した本」で、著者それ自身が本となっているのでそれ自体に意思がある。
無名経典は時空をさ迷っているのだが、気まぐれで別の物質を媒体に「顕現」することがある。今回は日記に顕現したというわけ。
ちなみに、「とある者」により力が大きく制限されているので、長く一箇所の場所に留まれなくなったし(日記帳が無名経典に変化したが、すぐに戻ったのはそのため)、本という形態を取ったがために経典自ら力を行使できず、挙句いいように利用される羽目になる。ちなみにそうなったのは、「とある者」が内容を変質させ、「なんでも願い事が叶う魔導書的な物に変えた」からである。「なんでも願いごとが叶う」といっても、必ずと言っていい程読み手の想定以上のことが発生するため、結果として大多数のものはケヴィンのような末路を迎えるが。


・二年前に書いたものとの違い
ケヴィンがアトリエに人形を盗みに入るが、叔父とばったりあってしまい、殺してしまう。当初は「人形があまりにも人間そっくりだったため、もしかして動き出すんじゃないかと思ってたら無名経典が出てきたから思い切って動かしてみることにした。」という話だった。
こっちの方が「人形が動く理由」にそれっぽい説明がつかないわけではないが、そもそもの無名経典が「自然発生」してるので、改めてちゃんとした「理由」っていりますか?
ちなみに、こちらの方もドニが「物にくっついて動く寄生生物」になってることに変わりはないのだが、ケヴィンが墓からドニを掘り起こしてたりする。
オチは一緒だけど、話の展開が変わったのでケヴィンは股間を蹴られることになった。可哀想。

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