エクストリーム7年生 (6)

  第三章・舞台を止めるな (3)

「こらこら」
 不意に先生呼ばわりされ、草石は苦笑するしかなかった。演劇界が注目する新星も、三土にとっては同級生にすぎない。会場待ちの列で手を振りはしゃぐ友人を横目に、草石は会場へと入った。

 8号館の大教室で行われた公演「どうぶつの里 本当の愛はどこにある」が盛況のうちに終幕し、カーテンコールに脚本の草石も登場したとき、事件は起こった。
 最前列の席にいた5人ほどの男子学生が登壇し、草石を取り囲んで暴行を加えたのである。近くにいた部員が止めに入ったが、体育会系と思しき屈強なる連中に殴り飛ばされてしまう。それは三土も同じだった。客席から教壇へと駆けつけたが、学生の廻し蹴りを脇腹に食らい動きを封じられてしまった。
 そうこうするうちに草石は頭に布袋を被せられ、教壇脇のドアから連れ去られてしまった。学生連中の登壇から退場まで、わずか30秒。会場にいたほぼ全員は無事だったが、数人の部員と三土が救急車で搬送される事態となった。 

 友人を目の前で拉致された悪夢が頭をよぎり、三土は伏し目がちになってつぶやいた。
「“三劇”が復活する日が来るとは……」

   (続く)