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ブルターニュの島で、時間は静かに流れる

義両親とパートナーと4人でブルターニュ地方のとある島へバカンスに来ています。
この辺りは天気が変わりやすいことで有名なよう。朝は曇り、昼に小雨、午後に晴天、夕方に雷、夜の間にまた小雨と1日の間にコロコロと空の様子が変わります。

とは言っても太陽がカンカン照りになることは珍しく、曇り空と霧雨が交互にやって来ます。

8月だけど気温は20度前後。パリよりも涼しく、ビーチで泳いで日光浴というよりは、のんびりしたりお散歩するのによい避暑地という趣きです。

レストランはどこもバカンス客でいっぱいで予約しなければ入れないところが多いのですが、こういう天気もあってビーチは比較的空いています。太陽が顔を出した瞬間を見計らって急いで水着に着替えます。



ご飯を食べるかお散歩するか持って来た本を読む以外、特にやらないといけないこともありません。借りている庭付きの綺麗なお家も快適でお腹がいっぱいになるとソファでウトウトしているうちに夕方になっています。

車で1時間もかからずに一周してしまえる小さな島で、ゆっくりと過ぎて行く時間の流れを味わっています。


都会に住んでいると日々の生活の中で、毎分毎秒ごとに一体どれだけの選択肢が与えられていて、無意識のうちにどれだけの選択をしているのかと、ふと考えます。
何を食べるか、どこに行くか、どこで買うか、何を着るか、誰に会うか。街はあらゆる選択肢に溢れています。

選択肢があるということは、好むと好まざるに関わらず、意識的にも無意識的にも、または積極的にも消極的にも、常に選択をしているということなのだなと気がつきます。選択しない、というのもまた選択すると言う行為のひとつです。

たくさんの選択肢があるということは豊かさの一つの基準でしょう。でも限りなく続く選択の連続に、脳や精神は少し疲れていたのかもしれません。こうして周りに何もない場所にポツンといると、選択肢の少なさが大変心地良いのです。

大音響で音楽を聴く楽しみもあれば、音量を下げることで聴こえてくる音もあるのでしょう。選択肢の限られた環境に身を置くことは、そっと音量を落とすことのように感じます。するといつもは聞こえていない、心の底に響いている音が聞こえてくるかもしれません。

毎日こうした生活をしたいかと問われると返答に困ります。都会の喧騒も大好きです。ただ頭の中が整っていくこの心地良さは捨てがたく、改めてバカンスって良い文化だなあと思うのでした。




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