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【ドイツの大学】試験の裏話

この前、大学院にいってる友達があそびにきました。

その時は絶賛試験期間中。
試験結果はインターネット上の自分のページに記載されます。そして後日、希望者だけ答案用紙の確認にいく時間が設けられます。この時間のことをKlausur-Einsichtといいます。

基本的に点数が悪かった人や不合格だった人は全員行きます。

その友達はある試験に不合格だったので、指定の時間に答案用紙を見に行きました。
そしてなんと、合格にひっくり返して帰ってきた。もともと一点足りくて不合格だったらしい。

いったいその一点をどうやって足してもらったの?

確認部屋のドアの前には「議論は一切受け付けない(Wir diskutieren NICHT.)」という張り紙が貼ってあります。

が、友達は何度も並び、最後には教授と15分間議論をしたらしい。

いったいどう粘ったのか聞くと

「普通に書いたはずの図形が少し歪んでしまい正解の線と少しずれた、ほんとはこう書くつもりだった」主張をいろんな角度からゴリ押しした結果、
教授に「今回は両目をつぶるが次はないぞ」と合格ラインにしてもらえたとのこと。

つまり教授が今みても正解じゃなかったってこと。

ちなみに今回の確認で点数を変えてもらえたのはこの友達1人だった。

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この話どう思います?

不合格やのに目をつぶって合格にしてもらうなんて不公平だ!もしくは

よくやったじゃん幸運だね!

と思う?

何か言いたかったかというと、ドイツでは「議論する能力」がだいぶ結果を左右するってことです。

試験は教授の判断一択です。
考え方はどこまでも合理的で「その学生が試験で求められたレベル水準より上にいる」ことがわかればそれでいいのです。
だから議論で、その水準を超えていることをアピールするわけなんです。
間違った箇所の解説などを提示して、試験では失敗したけど本当はちゃんとそのレベルにいるのだと。

不公平もなにも、チャンスがある限り議論したほうが【お得】なのです。


ヨーロッパは上下関係ではなくヨコの関係なので、誰が誰と議論をしてもかまいません。
そしてこれが最も大事なのですが、相手の主張や反論は基本的に聴く義務があります。言いっぱなしで終わるというのは一番ダメなのです。
わかりますか?教授の身分の人が「議論しない」と拒否ってても、学生が議論をし出したら一応は聴かなあかんのです。アジアや日本ではとても考えられません。

いや〜でも3分の1が落ちるような試験で不合格と合格の違いってめっちゃ大きいで!
こっちの大学は基本、2回同じ試験に落ちたら退学です。
めっちゃ大きいでしょ?だからみんな必死で議論する。ドアに「議論は受け付けない」って書いてあっても。

弁論術2000年以上の歴史を誇るヨーロッパ、議論・説得の大切さを再確認です。

写真は学部のある試験結果。
縦は人数。
1,0〜4,0は合格
4,3〜5,0は不合格

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