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「第3回 あたらしい歌集選考会」選考結果発表

「第3回 あたらしい歌集選考会」のご報告をいたします。

事前登録をしてくださったみなさま、作品をご応募いただいたみなさまに、深く感謝を申し上げます。
「あたらしい歌集選考会」は、ナナロク社から第一歌集を刊行いただく歌人を選考する会を、公開応募として開催したものです。応募の詳細はこちらをご覧ください。第3回「ナナロク社 あたらしい歌集選考会」のお知らせ|ナナロク社|note
なお、第3回の応募総数は325作品です。


1:選考結果発表

本日は、応募概要に記した予定どおり選考結果を発表いたします。

岡野大嗣選  篠原仮眠
木下龍也選  丸田洋渡

選考者を務めていたいだいた岡野大嗣さんと木下龍也さんの両歌人から、それぞれ1名を推薦いただきました。ナナロク社としても第一歌集を刊行したいと強く願う作品・歌人でありました。また、それぞれに歌集刊行のご意向もあらためて確認することができました。
この発表をもって、歌集刊行の準備にはいります。2025年内の刊行を予定しています。


2:作品紹介と短評

選出された作品からそれぞれ10首の紹介と、選考者による短評を掲載いたします。

篠原仮眠さんの作品から10首

<岡野大嗣 短評>
  安心と安全を図にしたときの、その円の重ならないエリア   ― 応募作より
〈重なるエリア〉の集合体はユートピア。そう信じて疑わない世界に、ここにある三十一音は「重ならないエリア」をつぶさに、真剣に見せてくる。「葉っぱの中に緑の実いっぱいある」のを、「誕生日」と「金曜日」を、「顔」が「似顔絵」を離れていく未来を。虚構の中で仮眠している世界を、おだやかでない熟睡へ。不安で危険だけれど、ここでは深く息を吸い込める。


丸田洋渡さんの作品から10首

<木下龍也 短評>
モチーフが現実であろうと想像であろうと、等しく一首のなかに立ち上がるのは、陰影の付け方が巧いからだろう。光の当たり方や強さをも自在に、繊細なタッチとグラデーションで陰影を操る。日常では起こり得ないことを、短歌で成し遂げている。そんな丸田洋渡さんが与えてくれるのは、閉館後の美術館を歩いているような心地よさ。薄闇のなかで一首一首を見つめていると、色は後から追いついてくる。いつまでもこの空間にいたい。そう思わせる百首だった。


3:『選考会の記録(仮)』(7月ごろのお届け)

篠原仮眠さん、丸田洋渡さんの応募作品と、木下龍也・岡野大嗣による評全文を『選考会の記録(仮)』として一冊にまとめます。
また、今回、選考会で木下岡野両氏が特に注目した歌人の作品を掲載しアンソロジーとして一冊の書籍といたします。
※応募時に掲載不可とご明記いただいた方の作品は除いた上で、掲載にあたっては、個々の歌人たちの了承を1首ごとに得ます。
※アンソロジー掲載歌人へのご依頼は、4月中頃をめどに行います。

本書は事前登録されたすべての方に7月ごろを予定してお届けいたします。ご住所のご変更がある方は、小社までご連絡ください。問合せ先:info@nanarokusha.com


以上で、「第3回 あたらしい歌集選考会」の選考結果のご報告を終えます。

ご応募いただいたみなさま、ありがとうございました。

2024年3月29日
ナナロク社 村井光男

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