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都心の文系大学生だった僕が地元の建設会社に入社した理由

皆さま、こんにちは。七瀬です。
今日書くテーマは、都心の文系大学に通っていた僕が、なぜ地元の建設会社で働くかについて。
正直、大学3年までは、建設会社で働く自分は全く想像していなかった未来だった。

「なんで七瀬さんはこの会社にいるんですか?」

社内報の記事を書いている時に、上の言葉を、採用担当の後輩から話しかけられた。4年前の就職活動時に必死に覚えた、御社の志望動機がスラスラと出てきた。ただ、4年前と今とでは同じ志望動機を話しても、当時の気持ちと全く変わらない思いもあったり、また違った感情が生まれている部分もあったりした。そこでタイトルの内容をnoteに記録しておこうと思う。

毎日新幹線通学をしていた大学生

僕は、静岡県清水町で生まれましたが、小学2年生から住む静岡県長泉町が僕の中での「地元」である。「ちょうどいいがいちばんいい」をブランドシンボルに掲げる静岡県東部の小さなまち長泉町。沼津市のようなギラギラ都会感も、三島市のような情緒あふれる文化なまち(個人の見解)でもない、静かで、平和、住みやすい、穏やか、小さくて、時間がゆったり流れているようなまち。(めちゃくちゃ褒めてる)住んでいて、非常に心地よくて、気持ちが良い。まさしく「ちょうどいい」まち。

大学選びで迷った高校時代も、そんな大好きな地元「長泉」を離れたいとも思えなかったし、サッカーの審判活動で夢を叶えたい(前記事参照)という思いもあり「長泉から通えること」は必須条件だった。他にもさまざまな要因があったが、選んだ大学は、JR山手線 大崎駅から徒歩5分のスーパー都会にある大学で、東海道新幹線で通うことになった。

毎日、新幹線に乗って大学に通うと言うと、「1人暮らしした方が安くない?」と、よく聞かれるが長泉町民の大学生は違かった。年に数回のイベント参加など条件はあるものの、定期代を一部補助してくれる制度があったため、かなり安く通うことができた。また、通学時間も1時間程度で、関東圏の学生と変わらない通学時間で通うことができ、アルバイトも変わらず続けることができた。

金銭的な補助をずっといただいてきたことは、非常にありがたく感じているし、安くない金額を若者に投資してくれる長泉町の姿勢は、当事者としてはとても嬉しい。さらに、補助を受ける条件であった、年に数回のイベントが、非常に濃い体験であった。

長泉町の活動を通して、会社と出会う

年に数回のイベントというのが、長泉町の「未来人」と呼ばれる取り組みのイベントであった。未来人とは、長泉町の未来を担う人材のことで、主に大学生世代がイベントに参加していた。そのイベントでは、町長さんのお話を伺えたり、若者で長泉町のいいところを発見するワークショップを行なったりと、さまざまなことをやらせていただいた。なかでも印象的だったのは、Instagramを使ったワークショップで、講師に映像会社の方が来てくださった回だ。

講師の方がとにかくキャラクターの濃い方で、話が面白く、引き込まれたのを覚えている。その回の時は、気づいたら積極的に発言していたし、ワークショップ終わりに少し話をさせていただいたのも覚えている。その時に、講師の方から「今度、長泉町×自転車でPV撮影をするから参加してみない?」とお誘いいただいた。講師の方の話をもっと聞いてみたい、関わっていたら面白そうなことがありそうと思っていた僕は、二つ返事でOKさせていただいた。

撮影では、まちなかをめぐるパートと、山中を中心にめぐるパートの大きく分けて2つを撮影した。その時にまちなかパートで使用したのが三島市を中心にシェアを広げていた「ハレノヒサイクル」という、小型の電動自転車であった。各地にステーションがあり、長泉町にもちょうどステーションが置かれ始めた時期だったと思う。

撮影が終わり、ハレノヒサイクルを返却する際に、ハレノヒサイクルを運営している会社にうかがった。その会社が「加和太建設」である。当時の僕からしたら、アルバイト先のアスルクラロ沼津のスポンサー企業さんというイメージしかなく、「地域の建設会社さん」でしかなかった。もちろん地域のシェアサイクルを運営しているなんて全く知らなかった。

うかがった際に、ハレノヒサイクル担当の方と少しお話をさせていただき、アスルクラロで働いていることや、就活中であることを話したら、新卒採用を担当している人事の方(Kさん)を呼んでくださった。その方と話しているうちに、「ぜひ、一度説明会に来てください。」とお誘いいただき、後日、説明会に行くことになった。

こうして僕の就職先候補の中に、新たに「加和太建設」が加わった。

自分の夢はなんだ…??

「あなたの夢はなんですか?」と聞かれて、僕がいつも答えるのは、「サッカーのJリーグのピッチに立つことです。」と答えている。その達成のためにしなくてはいけないのは、絶えずサッカーとのつながりを無くさないことが重要であると考えていた。(僕とサッカーの関わりについては今までの記事を読んでいただければ…)

就活においては、①サッカーに関わる仕事をすること、②全く違う仕事をして、休日にサッカーに関わること の2つの選択肢を迫られていると感じていた。しかし、前述のようにアスルクラロ沼津のスポンサーを務めている加和太建設は、スポンサー主催イベントも開催していたため、③サッカーとは直接関係ない仕事だが、仕事で関わるチャンスがある という新たな選択肢だった。

「好きを仕事にすると辛い」、「サッカーだけで家庭を養っていくのは厳しい」と何度も言われてきていたので、②の選択をしようとしていたが、③の選択肢は素晴らしくちょうどいいと感じた。何より、物心ついた時からお世話になっているクラブに関わり続けられることが、とても魅力的であった。そして私は、入社のための面接を受けることを決心した。

私の就活の軸を定めてくれた会社

就活の動き出しが周りに比べて遅かった私は、自分の気持ちがあまり整理できていない状態で、説明会などにも行っていた。加和太建設の初回の面接も、企業研究などの就活っぽいきれいな準備をしていなかった。ただ自分の想いや、やりたいこと、将来の夢、それだけしか話していなかった。

その時はそれでいいと思って、説明会に誘ってくれたKさんとの面接に挑んだ。(説明会は長いので割愛。)ただひたすら、自分のことだけを話していた記憶しかないが、Kさんはそれらを全て受け止めてくれた。さらに、「君のそうした想いがあるなら、こういう話し方や準備をした方がいい」とアドバイスをくれたり、僕の頭の中をわかりやすく図解してくれた。

その時に、(あぁ、就活ってここまで自己分析や企業研究をするべきなんだな、もっと準備して挑もう…。でも、日々何人もの学生に会うのに、あそこまで真摯に対応できるのすごいなぁ。)と感じた。正直、自分の不甲斐なさをわからされたので、(落ちてしまったかな…。)と思っていた。しかし、幸運なことに2次面接を受けさせていただけることになり、Kさんのアドバイスを実践する機会をいただけた。結果、全部で3回〜4回ほど面接をして入社まで漕ぎ着けることができた。

さまざまな面接や、Kさんとのコミュニケーションを通して僕の見つけた軸は、お世話になった地域・人々にお仕事を通じて恩返しをしていくことであると見つけることができた。

実際に働いてみて

入社して約3年が経過し、賃貸仲介営業6か月、会社広報2年3か月経験させてもらった。実際に働いてみて、自分の軸は実現できているのか振り返ってみる。

お世話になったクラブに恩返しができたSTAR研修

当社には、STAR研修と呼ばれる新入社員研修が存在する。イベントの企画から運営までを新入社員が全てを行い、全社員・地域を巻き込んだイベントを行う研修だ。私が新入社員の時は、このイベントをアスルクラロ沼津のホームゲームイベントに合わせて開催をさせてもらった。

内容は、Jリーグの試合が行われる直前のピッチを借りた運動会や、ピッチ外では季節に応じたクリスマス関連のイベントを行い、たくさんのお客様にご来場いただいた。

まさに前述した、サッカーと直接関係ない仕事ではあるが、仕事でサッカーに関われた瞬間であった。

キックインセレモニーもやらせていただきました

研修の目的はさまざま設定されていたが、何より小さい時から育ててもらったお世話になったクラブ、コーチ、関係者の皆さまに、少しでも成長した姿を見てもらえたことが心の底から嬉しかった。当時のマッチコミッショナーの方からも、「Jクラブ×まちづくりの在り方として最先端の取り組みで、Jリーグ百年構想ここにあり!と感じた。」と身に余る言葉をいただいた。働き始めて半年で、こんな素晴らしい体験をしたことは一生忘れないと思う。(イベント終わりにめちゃめちゃ泣いた思い出)

地域を支える皆さんを魅せる仕事

実際に、自分が何かを起こした事例はSTAR研修が一番大きな例だが、日頃の業務では、直接お世話になった地域・人々にお仕事を通じて恩返しをしていくことはしていないと感じる。なぜなら、直接何かを起こしているのは現場・施設で働く皆さんだと考えている。私の仕事は、そんな皆さんの仕事ぶりを見せていく仕事であり、皆さんの仕事がなければ、私の仕事は成立しない。

日々現場で頑張る皆さんがいなければ、僕の仕事は成立しません。

しかし、私がこの仕事に夢中になり、楽しんでいるのは、お世話になった地域・人々にお仕事を通じて恩返しの取り組みを欠かさない、会社・仲間への誇りや愛情からきていると感じる。この考えが、働いていて1番変わった点だ。今までは、自分で何かを起こして貢献実感を得たいと思っていたが、今では貢献している仲間・会社をサポート、より良く見せる仕事にやりがいを感じている

何の仕事をするか?に悩み固執するのではなく、自分の好きな環境、夢に向かっていける環境で、感銘を受けた人たちと仕事をすること。

これが私の今の想いだ。人生は仕事だけではないから、何をするか?にこだわりすぎないのが、私にとってはちょうどいい。



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