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メトロックの衝撃、フェスの醍醐味


今年になって、さまざまな音楽フェスが開催される日々が戻りつつありますね。
SNSで参加した方々のつぶやきを見てはうれしい気持ちになっています。

フェスの魅力は、いろいろ。楽しみ方も、いろいろ。
フェスに行くときってお目当てのアーティストがいると思うんだけれど、現地でパフォーマンスを観て新たに好きになるアーティストがいたり、はじめましての魅力に出会えたり。
そういうところ、フェスとか対バンライブの醍醐味(のうちのひとつ)だなぁと思っています。

5/21、5/22と東京にて行われた音楽フェス、METROCK 2022(以下メトロック)
ライブの様子はABEMAにて配信もされていました。
私も、観たいアーティストが何組かいたのでワクワクしながら待機。

1日目は息子のお友だちが家に遊びに来ていたので、子どもたちの様子を見つつ片耳イヤホンでメトロックの配信を聴きながら、気になるアーティストの番が来たら両耳イヤホンで画面にも集中、という感じでした。
(子どもたちは子どもたち同士でわいわいやってくれてたので、私もある程度観たいライブを観ることができました)

バックドロップシンデレラが、「発声はできないけどハミングならOK(飛沫が飛ばないから)」と言って、お客さんが「んーんーんー♪」とハミングで歌っている姿に「そうか、ハミングならいけるのか」と新たな発見?があったり。

打首獄門同好会で『島国DNA』が聴けてうれしかったり(もっと聴きたかった)

羊文学が、「ようぶんがく」じゃなくて「ひつじぶんがく」だったことに衝撃を受けたり(演奏、とてもステキでした)

2日目は大本命のサカナクションで音と光の海に浸って(最高すぎました…… ちなみにこの文章のほとんどはサカナクションが始まる前に書いていたのだけど…… もし観たあとだったら平常心で書ける自信がない。余韻で放心してしまう)

あとは、フレデリックの活躍ぶりに勇気をもらったり。

やっぱり音楽っていいなぁ、と改めて感じた2日間でした。


そんな中、ほとんどなんの前知識もなく初めて観て衝撃を受けたアーティストがいます。

-真天地開闢集団-ジグザグ(しんてんちかいびゃくしゅうだん じぐざぐ)です。
※新天地じゃないよ、真天地だよ。私、さいしょ間違って書いてました……


ちょうど配信の日の朝、名前だけ知ったところだったので「どんな感じなのかみてみよう」くらいのかるい気持ちだったんです、最初は。
でも、「出会ってしまった」感がすごいです。


終わったあと、衝撃のあまりこんなつぶやきを。


まず、ステージに登場した瞬間からインパクトのあるビジュアル。
ボーカルさんは白髪、サイドだけ長髪のおかっぱ(前髪で目は見えない)、白塗りメイク、白いローブのような衣装…… などミステリアスで、神様みたいな風貌。
他のメンバーさんもそれぞれ個性的で、メイクもばっちり、いわゆるヴィジュアル系バンドかな?とこの時点では思っていました。


そして始まった1曲目、『忘却の彼方』


なるほど、こういう感じなんだなぁと思いながら観ていました。
普段あんまり聴くタイプの曲じゃないけれど、なんだか惹き込まれるなぁ…… 声いいなぁ

と思っているうちに曲が終わり、ボーカルさんが水分補給のためおもむろに取り出したのは、瓢箪(ひょうたん)の水筒。ストロー式。
なるほどなるほど、世界観を徹底されているんだなぁ……
(余談だけど、うちの息子が瓢箪の水筒をとても欲しがっていて…… どこで買えますかね)


MCとかするのかな。一言もしゃべらず、ミステリアスな感じで進んでいくのかな…… と見守っていたら、ボーカルさんが口を開いた。

……あれ?思ってたのと違う!?

コテコテの関西弁で、「近所の気さくなおじちゃん感」がすごい。飴ちゃんとか、くれそうな。
ちょっとだけみて用事済まそうと思っていたけれど、もう少しこのまま観てみることに。


そして2曲目、『きちゅねのよめいり』へ。
(この曲はABEMAアプリでアーカイブ観られますので、ぜひ)


あれれ? また、思ってたのと違うぞ……。

BABYMETALの『いいね!』がよぎるような、ピコピコアイドルソング感?
かわいい曲に、かわいい振り。こういう感じ好き。1曲目で離脱しなくてよかった。

「激しくなるぞぉー!!」
とボーカルの命(みこと)さんが煽った次の瞬間、映し出された客席には髪の毛(頭)を左右に激しくぶんぶん振り回すリスナーさんたち。ものすごい統率がとれてる……
とにかくオーディエンスの一体感、振りの揃い方がすごくて。楽しいとかかわいいとか飛び越して、「うつくしい」とすら思えてくる。

入場規制もかかっていたらしいし、おそらく現地にいたほとんどがそういう振りとか「わかっている」方々なんだろうなと思います。
でもジグザグ側も盛り上げるのがとても上手いんですよ。
「(きつねだから?)しっぽ持ってぶんまわせー!!」とか。
初見の人でも分かりやすいようにレクチャーしてくれているし、思わず身体が動いてしまいそう。
配信で観てるだけでも楽しい。


次はどんなのが来るんだろうと期待が高まる3曲目は、『ゴミはゴミ箱へ』


おぉ…… また違う感じの曲がきた。
フェスという場にふさわしい、教育ソング(?)

「ゴミはゴミ箱へ ゴミはゴミ箱へ……」
とても耳に残る歌詞とメロディー。ちょっと和なテイストも好き。

なんだかこの感じ、とても知っているような気がします。名前は…… まだ出さないけれど。
途中(2:20辺り)で曲調が変わるところもたまらなく好き。


4曲目の『Promise』は、また全然違う路線で混乱する。さっきと同じ人たちなの……?理解が追いつかない。
ひたすらにいい曲。カッコイイ曲。Cメロに心震える。


面白おかしくふざけてると思ったら、歌も演奏もとても聴かせる。そのギャップ、振り幅、高低差で目眩を起こしそうです。


5曲目、『復讐は正義』


これまた真摯に伝わる曲。歌も演奏も切実。デスボイス炸裂。声色の使い分けすごい。
夫にも勧めたいな。多分、好きだと思うんだけどなぁ……


最後をしめるのは、『燦然世界』


カッコイイ系の曲かと思ったら、遊びゴコロも満載でした。
サビで「立ち上がーれーー!!」という歌詞に合わせて立ち上がるためにリスナーさんを一旦座らせるんですよ。

「sitdown……」
「ハイ、ちゃんちゃん(座って)」

「ちゃんちゃん」って久しぶりに聴いたな。方言ですっけ。
命さんから滲みでる親戚のおじちゃん感がすごい。神様のような見た目とのギャップ。からの、

「立ち上がーれーー!!」
で、一斉にジャーンプ!
この一体感はきっと楽しいだろうなぁ。


そういえば、ライブ中にスクワットするバンドもいますよね(以下参照)
どこか、近いものを感じる……


そして2番のサビ前でも、立ち上がるためにリスナーさんを“ちゃんちゃん”させる命さん。
さぁ、くるぞくるぞ〜 と思ったらまさかの

「……飛びませぇ〜ん」

「人生そんな簡単に飛んだらアカンのですよ!」
と演説?する命さんに思わず笑ってしまいました。
しかもそのあとのジャンプ本番でカウントを間違えるという茶目っ気も。

そんなこんなで、気付いたら最後まで見入っていたのでした。
すごいバンドに出会っちゃったなぁ、という感想です。
聴かず嫌い?しなくてよかった。一曲聴いただけで知った気にならなくてよかった(もちろん、まだ全然知らないことだらけだけど)


ひそかに、打首獄門同好会さんに近いものを感じるなぁと思っていたら、ご本人が。


この2組の対バンとかあったら観てみたいかも……。


打首さんも、初めて観たときの衝撃がすごかったのを覚えています。
私が打首さんを知ったのは、6年前に大阪城野外音楽堂で行なわれた『ヤングライオン祭り'16』という野外……フェス?でした。

ヤングライオン祭り'16


この日私はわりと前の方の席で観ていたのだけど、打首さんの番になったら後ろの方からわーっと人が前に流れてきて。その気迫がすごくて。
えっ…… けっこう激しい感じのライブなのかな…… 大丈夫かな…… バンド名も「打首獄門同好会」だし、ファンの人みんな後ろに「獄」って書いてるTシャツ着てるし…… モッシュとかダイブとか起きたら、巻き込まれたらどうしよう…… などとドキドキしていました。

でも、いざ始まってみたらハードな演奏に生活密着型の歌詞をのせて、日本のお米やお魚への愛を叫ぶハートフルなバンドで安心したのを覚えています。


気づいたら私も曲に合わせてうまい棒(事前に配られた)を振り上げていました。


シナリオアート目的で行って、他の参加アーティストのことはほとんど知らなかったのだけど、「もう一度あの日に戻ってまた同じライブをイチから観たい」と本気で思うくらい楽しすぎて。
(しかもチケット代 1126=イイ風呂円という……破格)

今でも思い出すし、打首さんや岡崎体育さん、解散してしまったけれどLILI LIMITの曲など今でも好きで聴きます。
私はあの日、フェスというものの楽しさを初めて知りました。

今回のメトロックは配信だったけれど、こうしてまた新しい音楽に出会えたし、本当に配信してくださってありがとうの気持ちです。2日間とても楽しかった。
いつかまた私もフェスに行って、野外で風を感じながら音を浴びたいな。

ジグザグさんのことも、これでいきなりファンになったとは言い難いけれど(正直好きですよ、とても。好きだけど、これ以上「好き」を増やすといろいろ大変なので……。 羊文学のこともやっと正しい読み方とメンバーさんの名前知ったくらいなので……)

でも、きっと何年経ってもこの日の衝撃は覚えていると思います。
だから、衝撃が衝撃のうちに残しておきたくて。勢いでわーっと書きました。

ジグザグさん、8月のROCK IN JAPAN FESTIVALにも出るらしい。他にもフェスとかテレビとか…… 何かしらの機会があったときにふと名前を思い出して「みてみよう!」っていう誰かのきっかけに、この文章がなったらいいな。今回の私みたいに。


世の中には、まだまだ素晴らしい音楽がたくさんあるんだなぁ。楽しみだなぁ。

「好き」との付き合い方も、いろいろ。
自分のペースで出会ったり気にかけたり応援したり、曲を聴いたりライブに行ったり、楽しんでいこうと思います。


【追記】

あれから数日経ちましたが、アーカイブの『きちゅねのよめいり』をどんだけ好きなのってくらい繰り返し観ている自分がいます。
寝ても覚めてもコンコン鳴ってる。

メンバーもオーディエンスも本当に楽しそうで、みんなで一緒にライブをつくってる!って感じが最高です。見てて元気になれます。


「すばらしい!ハイうしろ!」
「イイネ!」
「激しくなるぞぉー!!」
「オレかわいいやろ」
「ハイしっぽ持ってぶんまわせー!!」
「いぐわよぉーー!!」
「カメラさんしっかり写してこれ!」

命さんの掛け声がいちいち好きすぎる。


ほとんど表情を変えずに片手でドラムを叩きつつ片手でパフォーマンス(振り)する影丸さんもすごいし、足を振り上げゆらゆらとリズムをとりながらニコニコ楽しそうにベースを弾く龍矢さんも好き。


そして、なんとロッキンの追加出演アーティスト発表にて……


打首さんとジグザグさんが同じ日に!
早速、共演?が叶ってしまいました。

12日、参加される方はぜひこの2バンドにも注目してみてほしいです。
私も、SNSで行った方の反応を伺うのが今から楽しみです!

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