拝啓、先生

先生、お元気でしたか?今日は中学の同窓会でした。久しぶりに貴方にあえて大変嬉しかったです。結婚して苗字が変わったと聞きました。友人が似た服を来ていたので分かりましたがもうすぐ新しい家族の一員ができるようですね。おめでとうございます。
今日貴方と話した時はどうやら私の母校(高校)の教員と知り合っていたらしく高校で不登校気味だったことを嘆いていましたね。しっかりしなさい。このまま変わらないと貴方には無理よ、と。大変痛烈ながら愛のあるお言葉嬉しかったです。精進致しますと共に再び会う時は教員の先輩として貴方に会いたいと思います。
でも先生?覚えていますか?私が遅刻していた時、貴方はこのままだとロクな大人にならない等教壇でクラス全員の前で叱ったこと。あの日の夜両親が怒鳴り合い、殴りあって、男の大人の怒鳴り声、大人の女性の金切り声を枕に眠れぬ夜をすごした後だったんです。
覚えていますか?私が提出物を出していなくて激しく叱責した時、私は父親に殴り飛ばされ提出物を破り捨て外にほおり出された後だったんです。
覚えていますか?提出物を出せず遅刻し私の服装を咎めたたその日の夜、私は寝床から父親に引きずり起こされ殴られ蹴られ身体にできた大きなアザを隠すために妙な服を着るしかなかったんです。
先生知っていましたか?知りませんよね。私はSOSを出しませんでした。きっと貴方には無理だろう、そうも思っていました。貴方を責めたい訳では無いのです。貴方は教師を全うしました。そこに何も文句はありません。
けど1つ恨み言を言うのなら、今日の同窓会皆大人になってましたね。僕以外全ての人が。まるで私が瞬きした間にタイムトリップしたように僕以外皆。僕だけ中学から時が進まなくなってしまいました。
ごめんなさい。八つ当たりですよね。わかってます、わかっています。
これ以上言うと僕が辛いから辞めます。つらつらと八つ当たりして勝手にやめて自分勝手でごめんなさい。僕は先生にとって問題児でしたから。

最期に。貴方はどうして教師になろうとしたのですか?私は貴方の教え子だったから教師になろうと思いました。
敬具

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