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アルファ波を増大させるマダムたち

作業目当てでカフェやらファミレスやらに入った時、どんなにうるさい女子がいようとも、外国の方が母国語で盛り上がっていようとも動揺しないわたしですが、唯一の苦手ジャンルがあります。それはマダムの女子会。女子の女子会の会話を盗み聞きしたことがある人は多いと思いますが、ほとんどの場合、会話が成立していません。お餅つきのような感じで、ここだ!というところに「わかる」「うける」「なにそれ」「やばい」「きもい」などの中から最適な相槌をソイヤ!と打ち込むくらいが正解ライン。それくらい言いっぱなしでok!聞いてなくてもok!それが女子会です。でもマダムのそれはレベルが違う。まず声が低くて、とても大きい。年齢的なものなのかただの横着か、ことばをハッキリとしゃべりません。「あいうえお」と言わせても「あーーーお」になるくらい音と音を切らずになめらかに発声するから、5音が1音くらいになっちゃってる。相槌も負けてません。「うんうんうんうんうんううーーーん」と、会話の内容やタイミング関係なしに、相手のトークを遮ってまで低音でうんうん言い続ける。会話でもなく歌でもないマダムの女子会。低音でエンジンをふかし続けるような音を出すマダムの女子会が本当に苦手なんです。

しかし、今回のマダムたちは違いました。声音が小さいこと、音量が一定であること、ことばを一つ一つ丁寧にしゃべっていること、会話を途切れせずに、一定のリズムで延々とそれをつづけること。会話の内容は聞き取れなかったけれど、どこかの地方のなまりが入っているようで、それもまた環境音として抜群の効果を発揮していました。「パリのカフェ」という環境音を聞きながら作業することがあるのですが、パリジェンヌのおしゃべりに匹敵する見事なおしゃべり。心穏やか、筆も軽やか。驚くほどは作業が捗りました。

お母さんの心音を胎内で聞いていた影響で、永遠に続くことを予想させる穏やかな音を聞くと自然とリラックスすると言われています。あのマダムたちに会話は、まさにそれ。彼女たちは母性の塊でした。

ネガティブなトークは必要以上に抑揚を生みます。怒ったり、けなしたり、激しく同意したり。だからほとんどの女子会を耳障りに思うのかもしれません。抑揚なく淡々と語り続けていたマダムたちは、もしかしたら日常のできごとをただ報告しあっていただけなのかもしれません。作業していた2時間弱、そんなにたくさんの内容を報告をしあえるのもすごいですが、一回だけ大笑いしながら大きな声で「それが大爆発しちゃってねwww」と言っていました。一体なんの話してたんだろう。できたらまた会いたいです。

また明日。

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