農業新時代 ネクストファーマーズの挑戦 川内イオ

日本の農業がどんどん面白くなってる。慣例に捉われずに新しいことをやる人がたくさん出てきてる。もちろんそうした人たちは昔も存在しただろうが、その存在が広く発信される時代になったと感じる。

本書に出てくる10人の尖った人達もその一例なんだろう。ニューヨークでの年収1000万円の仕事を捨てピーナツバターを作り始めた元会計士。32歳で大学に通い直し、休耕田から化粧品を作る未利用資源オタクの女性。 40年もの月日をかけて岡山でのバナナの量産に成功したアロハシャツのオジサン。みなやってることがオリジナリティに溢れてる。この人達に常識というものはないんじゃないかな。羨ましい生き方。羨ましいけど踏み出すのに勇気がいる生き方。

これからの日本の農業はさらに2極化していくのではないか。カテゴリーで分ければ大規模農業と小規模農業。アパレルといっしょ。ユニクロみたいに安く同じもの(でも質もいい)を大量生産する人と、ブランドものをオーダーメイドで作る人。今盛んに言われている農業の自動化なんかは大規模用。売り方やデザイン、希少品種等で勝負するのが小規模。そのうち両方を満たした野菜メジャー企業が出てくるかもしれない。

農業構造の先行きははっきり分からないが、ひとつはっきり言えるのは、本書に出てくるような人達の成功がメディアで発信される限り、農業でオリジナリティを追求したいとう挑戦者は現れ続けるだろうということである。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?