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Z世代が聴く名盤 #19 Led Zeppelin「」

ここ数年で「Z世代」という単語をよく聞くようになった。「団塊世代」「氷河期世代」「ゆとり世代」等に続く新たな世代の区分である。
なんでも世間様はこの世代を「自分達とは全く違う感性を持った若者」と見ているようで、そんな歳の若者が起こした迷惑行為やトラブルを見つけては叩く報道や、そんな歳の若者を集めては「昔はこうだった」と昭和や平成の映像やらを持ち出して色々説明して反応を見てみる企画が最近増えてきており、「最近の若いのは何を考えているのやら」という空気をなんとな~く感じる事が多くなってきた。

そこまで我々の考えていることが気になるなら発信していこうじゃないか、ということでこのシリーズを始めることにした。当記事はZ世代にあたる筆者が世代よりも上のアーティストが出した名盤を聴いて、感想を書いていくただそれだけの記事である。

筆者は2003年生まれで、ニュースなどで取り沙汰される「Z世代」よりやや年上だが、WikipediaによればZ世代とは概ね1995~2010年生まれの若者を指すとのことなので、そのちょうど真ん中あたりに生まれた自分はバリバリZ世代を名乗れる。


作品情報

レッド・ツェッペリン、4枚目のオリジナルアルバム。Spotifyでは便宜上「レッド・ツェッペリンIV」と呼ばれているが今作に正式な題名はない

前置き

レッド・ツェッペリン、例によって名前は知ってるけど聴いたことはない。「往年のロックバンドらしいギターが主役のサウンドビートルズっぽいかストーンズっぽいかで語るとストーンズ寄り」みたいな漠然としたイメージは相変わらず持ってるけど聴いたことがないので実情は知る由もない。
なんならスペルすら分からず、記事公開から一週間にわたって「Led Zepperin」と表記していたほどである。

つい最近、大学でロックについての講義を見つけて面白そうだったので受講してみたところ(当たり前だけど)先生が根っからのロック狂で60~70年代のロックの歴史について事細かに教えられた。もちろんその教えられた内容の中にはツェッペリンの話も含まれており、名前だけ知ってたジェフ・ベックとジミー・ペイジがエリック・クラプトンの後釜としてヤードバーズというバンドでギターを弾いていたこと、色々あって上手くいかなくなったバンドを立て直すために新しく作られたのがレッド・ツェッペリンだったことなどはその講義で初めて知った。

とはいえ講義は未だ進行中であり、この記事を書いている時点で講義内容は今作の時期には到達していない。今回はこのアルバムの何がそんなに魅力的だったのか、講義の予習がてら聴いてみることにする。

当時寄せられた「ツェッペリンは宣伝が派手だ」という批判を受けて立ち、タイトルもアーティスト名も伏せて今作を発売し好評を博した事でバンドの地位が揺るぎない物になった…という有名なエピソードを先に知ってるのでそういう商業性とは縁遠い作風になっていそうな気はするが、果たして…

感想

正直なところイマイチ刺さってこない。予想通り商業的なチャラチャラした作風とは程遠い硬派で武骨なロック路線で統一されてて、これがカッコいいといえばカッコいいのだが、一発で覚えられるような強烈なメロディだとかなんだこれは!?と衝撃を受けるようなギターリフだとかそういうのは最後の「When the Levee Breaks」を除けばほぼ皆無であり、本当にトータルの良さで勝負しているのでそこに馴染めないとなるとなかなか厳しいものがある。

曲単位ではさらに厳しく、代表格かつ絶対的な名曲とされる「Stairway to Heaven」も中二病とか逆張りとかそういうつもりは一切なく、ガチで良さが分からなかった。数回ほど聴いてようやく印象に残ってくるくらいでむしろ次の「Misty Mountain Hop」の方がゆらゆら動く不安定なメロディラインが印象的で好きかもしれない。

そんな中で全曲通して唯一印象に残ったのがボーカル、ロバート・プラントのハイトーンボイス。ギターが暴れまわる典型的なロックでも、しっとりと聴かせるフォーキーな楽曲でも、全編通していついかなる時でも彼は甲高い歌声で絶唱しており、個人的にはこれこそ今作の一番の魅力だと思う。

大学に入ってからは友達も増えて音楽の趣味が広がったし、かつてボロボロに言ったストーンズとかこの手の音楽に親しみを持てなかったのも、講義を取ってからはだいぶ改善されてきてたから今作についても良さを感じ取れると思ってたのにこの感想はなんなんだろう。ここの所寝不足だから感受性が低下してるのかな…

一番好きな曲:Misty Mountain Hop
一番「…」な曲:特にないけど強いて挙げるならThe Battle of Evermore

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