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関東SCC2023参戦記

こんばんは。平田です。
今日はメモリースポーツの大会「関東SCC2023」に参加してきました。


SCCとは?

SCC(スピードカードチャレンジ) とは、日本メモリースポーツ協会が主催する日本独自の記憶力の大会です。
1組52枚のトランプをシャッフルし、その順番をどれだけ早く覚えられるかということを競い、5回やった中での単発記録と平均記録によって順位が決定します。

メモリースポーツは数字やトランプ、顔と名前など色々なタイプの記憶を競いますが、SCCはトランプのみの大会なので、ハードルが低く設計されています。というか発端は僕と協会長の青木さんのアイデアなので、そのように設計しました。

ハードルが低いものの、シンプルがゆえにトップのレベルも高く、現在の日本記録は単発で24秒、平均(5回の中で最高と最低の記録を除いた3回の平均)で26秒となっています。
特に平均26秒は恐ろしいタイムです。大会を作った当初は平均50秒を切る選手がいたらめちゃくちゃすごいというレベル設計にしていたので、想像をはるかに超えています。

SCCが生まれたきっかけや、日本記録保持者の心境はこちらが詳しいです↓


関東SCC2023の事前戦略

そんなSCCは今回が2023年になってから2回目の大会でした。
前回が3月だったので半年ぶりの大会になります。

場所は前回と同じく武蔵野プレイス。
ちなみに武蔵野プレイスはもはや日本メモリースポーツ界の聖地と言っても良い場所で、僕が初めて青木さんからメモリースポーツを教えてもらった場所であり、定期的に練習会を行っていた場所であり、日本大会や数多くのSCCが開かれた場所でもあります。
立地も環境も良いのです。

僕は2020年に社会人になり、一度現役を引退?したので2022年ごろまではほとんど練習をしていなかったのですが、去年から再開をしていたという立ち位置です。ピークは2020年の2月で、今は到底そこまでには追い付いていないけど、市民ランナー的に続けているという感じですね。

なので前回2023年3月に出場した時は実に3年ぶりの大会だったわけです。その時の結果は意外と良くて、単発が44.53秒でした。始めの2回は成功して、その後3連続で外していて平均がほぼ残らなかったという感じです。

過去の成績等はここで見れます↓

この後の半年間は、SCCの開催が無かったので主戦場のメモリーリーグというオンラインの形式の練習ばかりしていました。大会1週間前までリアルトランプを1回も触っていなかったです…。

前回大会も踏まえて目標として掲げていたのが、平均記録を残すというものでした。
自分の平均記録の自己ベストが49.53秒と越せないタイム帯では無かったこと、単発記録の自己ベストの37.64秒は現状厳しそうだったこと、平均を残すのが他の選手にとっても難しいこと、平均の日本ランキングが自分の上が40秒台で固まっていたことなどがあります。

目標を決めていた、と言ってもメモリーリーグや運営の方をメインでやっていたので、練習時間はなかなか取れなかったですが、取れないなりに変換練習を意識して取り入れるのと、使う予定の5ルートを普段の練習でも使うという点を気を付けていました。

SCCで使う5ルートの中には、普段のメモリーリーグではあまり使わない場所も含まれているので、あえて使うことで感覚が落ちないようにしていました。
また、変換のスピードは顕著にタイムに反映されてしまうので、落とさないように意識していました。

大会が近づくまでの1か月前~1週間前までは、メモリーリーグのオート機能を使って底上げをして、1週間前からはオートは一切使わず、リアルトランプの変換練習をcsTimerで計っていました。

練習量は2-3日に1回リーグでトランプ記憶をして、土日でメモアカで練習する時は2回覚えるかなくらい。変換練習はなるべく1日1-3回はするようにしてましたがなかなか取れずでした…社会人厳しい。

大会前日は1回だけ当日も使う場所を使って実践練習をしました。お風呂に入りながら場所を5ルート全部辿ったのと、全カードのPの変換だけ脳内で行いました。効果あります。

大会当日

大会開始が10:30で、運営お手伝いもあるので9:45に会場に着きました。
家でスタックスタイマーを使って3回変換練習をして会場入りしました。

机や椅子を動かして、プロジェクターやタイマーを設置して、続々選手が集まってきます。この時間結構好きです。

トランプが回収されて、ルール説明があって、すぐにAグループの試技が始まりました。僕はBグループだったのでお休みです。
この時、部屋の外に出ることもできるし、中で静かに待っていても良いです。僕は基本的に脳内で集中して場所と変換を辿るか、リラックスして他の選手と話したいので外に出るのですが、1試技目だけはタイマーの音響とか選手の雰囲気とか見ておきたかったので部屋の中にいました。

選手たちが覚えているのを俯瞰で見るのは勉強になりますね。小林選手が大分久しぶりなのに22秒でタイマーストップしててビビりました(外してましたが惜しかったようです)。当てたら日本記録でした、すごい。
タイムが速い選手でも、カードをめくる度に目を閉じる人もいれば、基本は瞬きをせずに進めていく人もいて勉強になりました。
今までは目を閉じるのは良くないと思っていたしそう教えていたのですが、意外にタイムに影響無さそうでした。無意識だと思いますが。目を閉じて「うーん」と悩みながら場所にイメージを想起していくのは良くないですが、リズムを取るために無意識レベルで閉じるのは問題無さそうですね。

なので、初めて大会に参加する選手は邪魔にならない程度に選手たちの様子を見るのをオススメします。

そして自分の番が来ました。
僕は性格的になのか能力的になのか、よっぽど特異な環境で無い限り最初の方が調子が良いです。脳がすっきりしているのでイメージがはっきり作れるし、進みが良い気がします。
場所を脳内で3周して、苦手意識のあるPの変換を順番に想起し、場所をもう1周して、最初の5プレイスをさらに2周して、記憶スタートしました。作戦としてはタイムはあまり意識しないが精度高めで、とにかく1プレイスずつ集中するというものです。

覚えている時の意識としては、1つずつ集中できましたが、途中で少し上滑っている感覚があったような、無いような。タイマーストップした段階で「ちょっと厳しそうだなぁ」と思っていました。残りの記憶時間で場所から思い出せたのは5割程度。回答時間に入っても何プレイスかは思い出せず、結果は…

外しました。残念。
ただ、タイムとして理想的だったのと、自分が覚えている時のタイムの感覚と実際のタイムの感覚にズレが無かったので、調子は悪くは無さそうだなと感じていました。ここがズレているとかなり難しいです。体調やブランクによって大きく変わります。だいたい45秒くらいだなーって思って45秒なのと、40秒や50秒なのとでは大きく違うんですね。

失敗となり、次からは外でお休みしていました。反省をしつつ、イメージが強く残り過ぎないように振り返りはほどほどにして、次の場所ともう一回苦手なPの変換をしていました。後は選手と話してました。

2試技目。まだ平均は残せる可能性があるので、1試技目より精度高くすることを意識していました。急ぎ過ぎず、インパクトを残す。Pの変換を上滑りさせない。
タイマーストップして、51秒。ちょっと遅めかなと思いましたが、悪くない。感覚もまぁまぁでした。
実際にリコール中は3枚ほど微妙なところがあり、体感成功率40%でフィニッシュ。

外しました。ずーん。平均が終わりました。

次が午前ラストの試技になります。休み時間は同じように過ごしていました。脳はそんなに重くなかったです。
3試技目に使っている場所は母校(高校)なのですが、普段の練習ではあまり使わないけれど、結構好きな場所ではあります。この大会に向けてメモリーリーグでも最近回していたので、場所の不安も無かったです。

記憶が始まる直前、場所の好みも相まって、今回は行けそうだなという感覚がありました。
また、いつもやっていたルーティンで、覚える直前に楽しい気持ちにする、表情を柔らかくすることを意識するというのがあるのですが、今回2試技とも忘れていたなと思い、3試技目は意識しました。
6年くらい前にベン・プリッドモアというレジェンド選手が「覚える時に自分の作ったイメージが楽しくて笑ってしまうことがある」と言っていたのを聞き、「じゃあ先に自分が笑っておけばすんなり面白いイメージを作れたり、脳が楽しいことだと錯覚してスムーズに覚えられるのでは」と思って意識していたのがきっかけです。

この意識のおかげもあり、プレイスごとに集中できました。タイマーストップした時の感覚は結構良さげ。リコールが終わり、体感成功率は60%でした。

成功!本日初成功です。タイムは49秒でまずまず。
良い感覚でした。
自分のルーティンを守り、良さそうな感覚を掴み、目の前のプレイスに集中することが大事ですね。それが難しいのですが。

お昼はコンビニで買って、選手たちと食べました。いつも通りの大会の光景で、これも良い時間です。

4試技目。
場所は得意めな所が残っていて、3試技目の良い感覚をそのままできればと思っていました。また、平均がもう厳しいので単発狙いに切り替えて、3試技目の49秒を超えるべく急ぎめ狙いでした。

急ぎながらも各プレイスに集中して、タイマーストップしたら41秒。自分の感覚としても集中できたので、結構いけたかなと思いました。タイムの感覚も体感とほぼ同じでした。
ただ、リコールになり3プレイスほど思い出せず、特に1プレイス目が全く思い出せませんでした。
普段1プレイス目が抜けることは全然無いので、これは疲労の蓄積だなぁと感じました。

結果は失敗。
終わった直後に回答用のトランプを並び替えていてデッキを持った時に、52枚が60枚くらいの重さに思えたので、疲れているなと自覚しました。

でも、タイムの戦略としては理想的で、無理をせず41秒という記録で止めれていたのは良かったです。ここらへんは経験が生きているかも。1プレイス目を滑らせずに43秒くらいで止めるのが理想でしたね。特に今日の調子だと、感覚が良かった3試技目が49秒だったので、41秒は少しストレッチだったかと。

さて最後の5試技目。SCCはあっという間に終わりますが、疲労を自覚してしまい、あまり良い感覚ではありませんでした。
4試技目を引きずってはいないですが、単発記録を狙わないといけないのが逆にプレッシャーになってしまいます。
タイムを意識して覚えるとイメージをちゃんと場所に置けずに、ただ変換だけしてしまうようなことが置きます。
これは普段の練習で変換をする際にかなり意識しないと抜けないので難しいですね。オート機能だけを使っていたら陥りがちかもしれません。僕は元々メモリーリーグでもトランプの調子があまり良くなく、この変換の上滑りが最近の悩みでもありました。

そういう感覚で覚え始め、タイマーは43秒でストップ。タイムは最高です。でも、脳内リコールをした時点で3割くらいしか思い出せず、無理だなぁと思いました。ここで無理だなぁと思ったらほぼほぼ無理です。

無理でした。

これで1日が終わりです。結果は1試技のみ成功で49.02秒。
全体では単発が2位で、平均は表彰外でした。

自分としては、練習時間にしては妥当・まずまずかなぁと思っていましたが、ふと過去の自分の成績を振り返ると、単発49.02秒というのは過去最低の成績でした。
これはちょっと残念だったので、頑張ろうというモチベーションになりました。

あと、終了直後になぜか数字が行けそうな気がするという直感があったので、メモリーリーグで数字を伸ばしていこうかなと思っています。
リーグの項目で別途記事には書きますが、自分の課題として今後はカードか数字を集中して伸ばさないといけないと思っていて、数字の方が先に伸びそうという感覚があります。

大会直後はモチベーションが上がっていいですね。帰り道に選手と話していたら新しい大会の形式なども思いつきました。
一日中想像力を駆使していたので、想像力ハイモードになっていたのかもしれません。
普段会えない選手にも会えるし、自分の能力の限界も知れるし、発揮の場にもなれるし、出る方が良いですね。

今回は初参加の選手もいて、交流もできましたし、常連勢も強くて見ていて楽しかったです。


というわけで、久しぶりの大会参加は総じて楽しかったです!
企画もしたいし、練習もしたいし、選手が増えていくのも楽しみです。参戦記書くつもり全然無かったので写真を撮らな過ぎたのを後悔しています。
ではまた。

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