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会議でのアドリブ力

南国の石油会社で働いていてすごいなと思うことの一つに、日本人以外の同僚たちの会議などの場における発言のアドリブ力です。とくにマネージメントの立場の人たちは公式の会議の場などで突然話を振られても、臆することなく堂々とそつなくアドリブで発言できる人が多いと感じます。

例えば会議の冒頭などのオープニングスピーチや、それに付随するコメントなどを突然求められても、感心するようなスピーチをほぼアドリブでやってのける人が多いようです。

ただ発言内容を聞いていると、こう言っては失礼かもしれませんが、どこかで聞きかじった話を当たり障りなくうまくまとめているだけで内容は別に大した話ではないのですが、自信をもって発言することにより、威厳がありその場にふさわしい雰囲気のスピーチに仕立て上げてしまうのです。

私にはなかなかまねのできないすごい能力だなと感心してしまいます。

南国石油会社では多国籍の人々が働いています。仕事は英語が基本ですが、南国国民を含めて英語を母国語にしていない人たちがほとんどです。そういう意味では日本人と条件はあまり変わらないはずですが、彼らのスピーチによる意見発信力の高さにいつも驚かされます。

発言・スピーチによる交渉・説得の文化があるのかもしれません。自分の意見をはっきりと口に出すことが重要な文化なのかもしれません。

日本人も南国石油会社で長く働いている人は、だんだんと瞬発的な発言力を自然と身に着けてきます。黙っていても自分の気持ちを汲み取って代弁してくれる人も、発言を求めてくれる人もなかなかいないからです。

そして発言に瞬発力がついてくると、急にスピーチを振られても何となく自然に対応できるようになってきます。急に振られて偉そうにしゃべっている自分に、なんだか南国の会社に染まって来たなと心の中で苦笑しています。

一方で、多くの日本人出向者は、南国の石油会社の中でも地道な努力を続けて、オペレーションでもスタディでもデータに基づいて説明できる基礎作りをしっかりと行ってきています。したがって、ひとたびデータに基づく議論に持ちこめれば、相手が常識的な技術者であるかぎり、発言の瞬発力の有無にかかわらず相手を納得させることができています。

日本人と長年働いてきた同僚たちは、日本人のそのような文化をだんだんと理解し、データに基づく説得力をリスペクトしてくれるようになります。

長年日本人がかかわってきた部署は、発言力とデータに基づく説得力の良い融合が見られる気がします。

南国国民のトップマネージメントたちからは日本のそのような文化を南国操業会社の中で根付かせてほしいとの発言も出ているようで、誇りでもあるし、南国の良いところもきちんと融合していくことが大事なのだとも思います。

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