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哀愁のソノシート、世界音楽全集 (筑摩書房)

ソノシートってご存じでしょうか? 非常に薄いペラペラのプラスチックシートに音楽などの音声データが記録されたレコードの一種です。

よく、学習雑誌の付録などにもついてきました。

新しもの好きな私の父親は、私が生まれるより前に真空管の家具調一体型ステレオを購入して、私が物心ついたころには、そのステレオが家のリビングに鎮座していました。

[家にあったステレオのイメージ写真。真空管式のステレオでした]

そのステレオの傍の本棚に並んでいたのが、世界音楽全集 (筑摩書房) という一冊につき4枚ほどのソノシートが入った、小冊子でした。以下のMatsumo さんのページに世界音楽全集のソノシートに関する情報がありました。

世界音楽全集

全部で40巻にもなるとのことですが、家にもかなりの数がそろっていたと思います。しかしながら、あまり私の父や母がこのソノシートで音楽を聴いていた記憶はありません。

私は小さいころ両親が出かけて家にいない夕方、兄と一緒にこの古いステレオで、世界音楽全集の中の特定の冊子の特定の曲ばかり聞いていた記憶があります。

それは「剣の舞」と 「くるみ割り人形」です。

[剣の舞]

[くるみ割り人形]

今でもこの曲を聴くと、母を待つさみしい夕方を思い出します。「剣の舞」のリズミカルで力強い音色に元気づけられ、「くるみ割り人形」の哀愁のこもったメロディーにさみしくなっていました。

さて、母親になぜ自分たちはあまり聞かないのに、この世界音楽全集なるものが家にあるのか尋ねたことがあります。

すると母は、子供たちがいつか自然とこんな音楽を好きになってくれたらと思って買ってみたと言っていました。私はクラシック音楽のことは詳しくありませんが、いまでも南国で聴くFM局は主にクラシック専門局なのは、母親の意図が当たったのでしょうか?

でも小さいころ聴いていたのは「剣の舞」と 「くるみ割り人形」ばかりでしたけどね。

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