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「スコープオブワーク」と「落としどころ」

昨年再就職した会社の中で、あるいは顧客とのコミュニケーション等において、今どのようなことが問題になっているか、若手社員たちといろいろと話しています。

そこで最近私がみんなに常日頃意識してもらいたいと思ってと良く使う言葉が、「スコープオブワーク」と「落としどころ」です。

これから自分がやろうとする仕事の内容や手順、スケジュールや成否の判定基準などを含めて、良く理解すること。仕事をとってくる場合にも、相手の要求事項を明らかにして、請け負う仕事の範囲やスケジュール、責任などをよく話し合い、明らかにしてから仕事に取り組むこと。こういうことが大事だよね、という話を良くしています。つまり「スコープオブワーク」を明確化しようということです。

私も今まで「スコープオブワーク」を明確にしないまま、仕事やプロジェクトを開始して、泥沼にはまり込む例をたくさん見てきました。最初は面倒でも文章や図面など、「スコープオブワーク」を形にしてからスタートすることはとても重要だと感じます。途中見直して修正があっても、それも新たなスコープオフワークとして明確に記録しておくことが重要です。

もう一つ、若い技術屋さんに重要だと伝えていることは、何かを決めたり、説明したり、説明を受けたり、説得したり、説得されたり、いろいろな会議に参加しなければならない時に、「落としどころ」を頭に入れて参加すると良いということです。それが会社の方針であったり、自分自身の納得できるポイントだったりでも良いのですが、「落としどころ」を自分なりに持って会議に望むと、議論の脱線や、ループのような議論をかなり避けることが出来ると思います。

「落としどころ」というと何となく妥協点みたいな意味ととらえられるかもしれませんが、合理的に納得でき、自分の希望や疑問をかなえたり解決できるラインといった意味です。

いずれにしろ、若手社員と話す中で、「スコープオブワーク」や「落としどころ」の大切さについて話題にし続けてきたところ、なんとなく定着し、意識するようになってきた人も出てきました。

これからも、みんなと話していく中で、仕事を効率よく、そして有意義に進めていくために重要なポイントを見つけ、みんなで共有して行ければと思っています。

そういえば、以前、UAEに赴任していた時には、「落としどころ」を決めないでミーティングに臨むスタイルに慣れて来た話や、対処方針にがちがちに縛られる会議のむなしさなどについてこのノートで触れたことがありました。しかし、久しぶりに日本で仕事をしてみて、特に私の周りでは、「スコープオブワーク」や「落としどころ」を意識することの大切さを非常に感じています。

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