私見81

オリックスバファローズが日本一になってから数日が経ちました。
私が物心ついてから初めての出来事。

私が覚えている最初のプロ野球の記憶は2003年の日本シリーズです。
ズレータがホームランを打っていた気がするのでおそらく第2戦でしょう。

野球の話か、と踵を返しそうな方に読んでいただくためにここで主題を提示しておきたいと思います。
今回の主題は「会話姿勢のルーツ」です。

会話姿勢とは、会話における基本姿勢のようなものを示す造語だと捉えてください。相応しい言葉を知らなかったので造りました。そのままだ。
朝6時の新幹線で書いているので許してほしい。

私の会話姿勢は、基本的には相手に気持ちよく話してもらうことです。
あわよくば私は相槌だけ打っておきたい。
自分の主義主張が無い生き物となりたい。(美容院でもこのスタイルなのは自分でもよくないと思う)

さて、ここで冒頭の野球の話に戻る。
2003年の日本シリーズの対戦カードは福岡ダイエーホークスVS阪神タイガース。
そして私は福岡出身の母と大阪出身の父を持つ人間です。
球場と違いホームとビジターの座席が分かれていない我が家は、お世辞にもいい空気ではなかったと記憶しています。

それから私は朝刊で毎日プロ野球のニュースをチェックする程度には野球が好きな少年になりました。
小学校低学年の人間にとってプロ野球の話が最も大人と対等に話せるコンテンツでした。
当然ですが、デュエル・マスターズの話とプロ野球の話では圧倒的に大人の受け取り方が違うのです。

ここで、当時の周りの大人とその贔屓球団を列挙しておきます。
・母    :福岡ダイエー(ソフトバンク)ホークス
・父    :東京ヤクルトスワローズ時々阪神タイガース
・母方の祖父:読売ジャイアンツ
・父方の祖父:阪神タイガース
・担任の先生:千葉ロッテマリーンズ

余りにもバラバラである。本当にひどい。
特に福岡に住んでいる母方の祖父が巨人ファンなことが許せない。
そして会社の付き合いでいつの間にかヤクルトファンになってた父親。本当か?
極め付けは両祖父がかなりのファンで、互いに互いの球団を敵視していた。(もちろん両祖父が顔を合わせるイベントは無いため大きな問題はないが)

こんな環境で私がどこかの球団の贔屓になることは至難の業であることをわかっていただけますでしょうか。
様々な大人と対等にかつ穏便に話すため、自然と各球団のファンに擬態することを覚えました。
ファンとは言わずとも、「どこのファンでもないけど、敢えて挙げるなら自分と同じ球団かな」と思っていただけるような立ち振る舞いをしていたと思います。

勘違いしてほしくないのは、自分が楽しいからこの姿勢をとっていたということです。そして今も。

相手に気持ちよく話してもらうことためには、ただ相槌を打っているだけではいけません。
試合の状況は刻一刻と変わるので「今は3点差だから満塁ホームランが出れば逆転だね」という当たり前なことでも話す必要があります。
テレビの実況も本当に当たり前なことを話しているので、これは正しいこと。
そこに、丁度いい知識やユーモアを混ぜることで相手の話に拍車がかかると幼心ながらに学習していたのではないでしょうか。

相手と同等な知識を軸に、相手より詳しい知識、相手より詳しくない知識の使い分けが必要です。
思い返せば、その知識使い分け筋の鍛錬をプロ野球を通じて行なっていたように感じます。
営業で政治と宗教と野球の話はタブーというしょうもない言説がありますが、それほどデリケートな分野に最初に身を置いたのは幸か不幸か。

この体験が会話姿勢の礎になっているのでは、と思い当たったので書いてみた次第でした。
だから絶対キャバクラとか行っても楽しめないんだろうな…と勝手に想像しています。
相手も嫌でしょそんな客。

あと数行前で「丁度いい知識やユーモア」とか書いているの普通に調子に乗っていて気持ち悪いので最悪です。

あと、自分の主義主張が無い人間は普通に信頼されないので本当の意味で最悪。
自分の主義主張筋を鍛える場が無いまま育ってしまった。あーあ。

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