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PdM業務でChatGPTで活用する


はじめに

生成AI、LLM、自然言語処理という言葉が界隈を賑わせている今日ですが、ChatGPTという新たなツールがOpenAIから発表されてから、我々の生活(主に仕事においての生活)を変えることが不可避になっている状況と私自身は捉えております。これは、2007年にiphoneが登場して以来約15年振りのパラダイムシフトと言えるかもしれません。

そんなことを踏まえながら、私自身はというと、Microsoftに勤める友人の話などを聞きながら、Bingチャットを活用して、リーンキャンバスのようなものを作成したり、提案資料の叩き台を作成したりしておりますが、今後こういったことを通常業務の中で当たり前に活用できる人とそうでない人で業務のアウトプットにおける質やスピードという観点で差が出てくることは必至なのではないかと考えております。

前置きが長くなりましたが、本当の直近では、アーリーアダプターやアーリマジョリティのような方々が、疑心暗鬼に色々と試行錯誤されている状況と思慮しますが、これが当たり前に活用されるであろう未来が来ることに備えて、プロダクトマネージャー(PdM)としての日々の業務の中で自然にChatGPTの活用を進めていくための"前提となる知識"、および一部"簡単な使用例"などをまとめていきたいと考えております。

前提

今回は、Microsoftが提供するBing AIを活用して試していきたいと思います。Bing AIは、Microsoftが提供する検索エンジンとGPT-4搭載のAIチャットを掛け合わせたものになります。感覚としてはChatGPTを使っている感覚とほぼ相違ありません。

基本的な使い方

AIチャットとの向き合い方

使い方の説明をする前にAIチャットとどのように向き合うべきか、そのスタンスについて簡単に述べておいた方が良いかと思いますが、結論、「素案(叩き台)を作ってくれる相棒」くらいで考えておくことがベストです。

どうしてもプロジェクトの当事者である人間と機械とでは、前提となる知識量の差が激しく、一般的な回答になる傾向が多いイメージです。(ここはプロンプトに記載する命令で多少の精度を向上できると思いますが、おそらく限界があると考えております。)

とはいえ、ゼロベースで成果物の叩き台を作成するプロセスは非常にコストを要するものだと思いますので、その部分をAIチャットが担ってくれることによりかなり生産効率を高めることができます。(もちろん、成果物の質にも寄与します。)

プロンプトの書き方

プロンプトの書き方に関しては、色々な方がトライアルされている記事を見ますし本も出版されているので、各々参考にいただき自分の書き方を確立いただく形が良いかと思いますが、最も参考になった内容として、以下の4つの要素を含めてプロンプトを作成いただくと、より精度が向上することが実践を通じてわかりました。

指示(命令)

  • 実行してほしいことや命令を記載します。
    (例)〜を作成してください。〜を教えてください。

追加情報

  • 出力の精度を向上させる上で必要となる情報を記載します。
    (例)役割の記載など(あなたは教育系ベンチャーのプロダクトマネージャーです。)

入力

  • 出力を出す上でのベースとなる情報を記載します。
    (例)AIチャットの判断に必要となるインプット情報、要約してほしい文章など

出力

  • 出力してほしい形式(フォーマット)を記載します。
    (例)表形式(Markdown)で出力する。X個洗い出す。など

参考にさせていただいた記事も掲載させていただきます。

使用例

実際にPdM業務の中で実施する「リーンキャンバスの作成」を例に取り、上記でご説明した使い方に習い、Bing AIで試してみた結果が以下の通りです。

プロンプト

あなたは、教育系ベンチャー企業に勤めるプロのプロダクトマネージャー(背景情報)です。
#サービス概要(入力) を読み込んでリーンキャンバスの叩き台を作成してください。(命令)
#フォーマット(出力) に沿って、出力してください。(命令)

#サービス概要:”””
この取り組みは、通常授業が終わった放課後や土日の時間を活用して、高校OBであり実社会で活躍する社会人が、在校生に向けて、ワークショップ形式で特別講義を行う取り組みである。目的としては、高等学校の授業科目として新たに追加された「探究学習」やSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の課題研究における高校生のための学習サポート、および将来の自分らしい生き方を見つける上での手助けとなることを期待した取り組みである。探究学習で習得が求められている社会人基礎力(「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」)を身につけるため、学校教員に留まらず、実社会の中で活躍されている社会人が実体験に基づいた講義を行うことで、より地に足がついた講義になることと、高校生が自分の将来像をよりイメージできることを期待している。
“””

#フォーマット:””” 
1.表形式で出力してください。
2.リーンキャンバスの項目以下の通りです。以下に習って回答して下さい。
・ユーザーが抱える課題
・顧客セグメント
・独自の価値提案
・ソリューション
・顧客との接点(チャネル)
・収益の流れ
・コスト構造
・主要指標
・圧倒的な優位性
3.コピーしやすいように1.に加え、Markdown形式でも出力してください。
“””

ChatGPTからの回答

リーンキャンバス(表形式)
リーンキャンバス(Markdown形式)

まとめ

PdM業務の中でChatGPTを活用するとした場合の基本的な使い方や簡単な使用例についてご説明しました。このやり方をもっと他の事例で試してみた際に、どのようなプロンプトの形であれば精度高く求めている回答を得られるのか、という点に関しては、折を見て色々試してみたいと思います。

※ChatGPT活用でできそうなPdM業務

  • アイデア出し

  • マクロ調査(市場・競合)

  • ミクロ調査(ユーザーリサーチ・アンケート・インタビュー)

  • UX設計(ペルソナ、カスタマージャーニー、ユーザーストーリーなど)

  • 優先順位付け

  • PRD作成

  • ロードマップ作成

  • スケジュール作成

  • 提案書作成

いずれにしても、最も大事なポイントとしては、日常業務の中で近くに自分のメンターがいるような感覚でChatGPTを自然に活用できるようになることだと考えております。

皆さんもぜひChatGPTを触り倒してみてください。


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