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友達に送るような展覧会感想

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最近の記事

【展覧会レポ】藤原康博 記憶の稜線を歩く【三重県立美術館】

まず展示室が完璧だった 作品横のキャプションは無く真っ白な部屋に巨大な作品がゆったりと飾られている最高 キャプションは入場時に別紙にて手渡される こういうので良いのかもしれない 夜明けの青白い光の中に浮かぶリネンの稜線 見立てのセンスが良すぎる まるで自分が小人になってリネンの山脈に迷い込んだような感覚になれる 作品のサイズが大きいのもその効果を高めてて良い 朝の静けさがひしひしと伝わってくるずっと見ていたい 青色が美しい ホワイトキューブこと白い展示室の向かい合わ

    • 【展覧会レポ】吉本作次 絵画の道行き【名古屋市美術館】

      可愛さと神々しさと面白さとグロテスクさ全部あるのにめちゃくちゃ穏やかな気持ちになれる作品 西洋絵画っぽいのに日本的な矛盾が気持ちいい 行って良かった展覧会 特に90年代以降の作品が可愛くて面白くて良い 絵画に描かれた人物(キャラクターといってもいいかも)は漫画的で凄く可愛い愛らしい(と同時にデフォルメされて表情が読み切れないところもまた良い) 00年以降の木々や自然の表現、書き込みに圧倒される 書き込み部分と余白のバランスも気持ちいい めちゃくちゃ好き 描き込み凄い 是

      • 【展覧会レポ】イッタラ展 フィンランドガラスのきらめき【美術館「えき」KYOTO】

        フィンランドのガラスメーカー、イッタラの展覧会 メーカーの設立から時系列に沿ってフィンランドの歴史を交えながらガラス作品が見られる 製造過程の映像もあるのでめちゃくちゃ勉強になる 大量生産ものからアート作品まで幅広く紹介されているし、作家の紹介も丁寧にされている印象… ガラスなので照明によってできる影がとっっっても綺麗 ガラスの形の美しさと影の美しさで満足度が高い大好き 《アアルトベース》アルヴァ・アアルト 有機的な形のフラワーベース 他に無い唯一の形で美しい 型が木

        • 【展覧会レポ】渡辺信喜 四季の譜【堂本印象美術館】

          花の日本画家、渡辺信喜の展覧会 植物たちへの深い愛情が垣間見える日本画、渡辺信喜本人の朴訥なコメントもとても良い モチーフを中央に置いた安定した画面も大好き ぼんやりと光を受けて発光しているかのような植物たちLOVE 『新緑里山』 180cm×360cmの大画面に春の里山が輝いている 植物たちの匂いが濃厚な春の空気をばちばちに感じるし日差しを受けて煌めく葉の愛おしさよ… 『穂(田園四題)』 黄金色の稲穂が画面全体を埋めている 金色に輝く穂が幸福感を増してくれる好き

        【展覧会レポ】藤原康博 記憶の稜線を歩く【三重県立美術館】

          【展覧会レポ】空間を彩る屏風−広がる大画面【細見美術館】

          屏風に焦点をあてた展覧会 江戸時代のものを中心に金箔が美しい大画面の屏風が観られる そもそも屏風とは 日本家屋における間仕切り、目隠し、結界又は祝い事、葬式に使用される 葬式では逆さにして置かれるらしい(!) 奈良、平安時代から存在していたが現存するものは殆ど無いらしく展示品は江戸時代のものが中心 余白をいかした屏風に心惹かれる 特に鈴木蠣潭の『山水図屛風』がかなり良い 金箔地に水墨で山水、山々にかかる霞を描かない余白でうまく表現している 琳派に通じるデザイン的な要

          【展覧会レポ】空間を彩る屏風−広がる大画面【細見美術館】