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スタートアップガールズの感想(ネタバレあり)

TOHOシネマズ二条で鑑賞。
初週なのに1日2回上映。自分のとこの女優がW主演なのに寂しいスケジュール。
そしてお客さんの入りも寂しい限り。あと仕事を頑張る女性応援ムービーなはずなのに、僕含めおっさんしかいなかった。

個人的に山崎紘菜ちゃんも上白石萌音ちゃんもファンなのでW主演なら観ない訳にはいくまい、という感じで半分義務感で観た。

冒頭はリアルなインタビュー風な映像をいれたりして、仕事をしているあなた達を応援する映画ですよ!みたいな志の高さを感じたので結構ワクワクしながら観ていた。あと田舎に住んでいる人間としては彼女たちが会議する場所や山本耕史が運営する事業カフェとか「うおー、垢抜けてて東京っぽい!」って感じで東京憧れが刺激されてとても好きだった。

ただ主人公の光と希が登場して新しい事業を次々と思いついては実行を繰り返すのだけど、この語り方があんまり上手くないと思った。

最初に光が思いついた「小児科医がスマホで診察を簡単に行えるシステム」の話や「若い子向けのマッチングアプリ」の事業が、どういう風に日の目を見るのか?とか、どうなって駄目になったのか?とかあっさりとしか描かないのでモヤモヤする。

あとラストの「保育士さん達の作業の効率化」の事業がこの映画の中で1番フワフワしたアイデアなので最後まであんまりピンとこない。2人が一生懸命動き回っていく内にビジョンが明確になっていく様子を描きたいのだろうけど、どちらかといえば観てる間中「お前ら何がしたいんだよ」というイライラの方が大きい。

あとダラダラと長く感じるシーンが多いというか同じよう様な喧嘩&酒を飲んで仲直りみたいなシーンが繰り返されまくりな気がして結局どのシーンもあんまり印象に残らない。
それと同じことなのだけど挫折してはちょっと立ち直り挫折してはちょっと立ち直りが、多いのでラストの光のプレゼンでの成長にカタルシスを感じない。

それとあんだけ光がプレゼン資料を詰めて考えていたので、さぞいいプレゼンになるのかと思いきや胡散臭いセミナーみたいに感じてしまい、あんまり感動出来なかった。というか割とあっさり終わって拍子抜け。

演出的にもマッチングアプリ事業を思いついた時に光の頭の中でイメージを膨らませていく様子を分かりやすく映像にするシーンとかは好きだったんだけど、その演出一回しか使わないのかよ、1番重要な保育士さんの作業の効率化のアイデアの時とかにやってくれたら良かったのに。

まず山崎紘菜ちゃん演じる希なのだけど、表向きは一流企業で仕事して凛とした印象なのだけど、奨学金の返済に苦しみながら貧乏アパートに暮らしてカツカツな生活を送っている。いい会社に就職してもあんまり幸せじゃないという彼女の人物像の描き方は現代的だし説得力があった。まあ正直お金ないなら毎日あんなバーとかで外食しないでもうちょっと自炊しろよ、とか思うけど。

実は新しい事業に手を出しては駄目にしてを繰り返していた今は亡き父親のせいで家にお金がなかった(っぽい)というエピソードがあるらしい。

ただ光とのやりとりを通じて自分の中で父親と折り合いをつけるというシーンは特にないし、生来新しい事業に手を出す人が苦手というキャラクターとしての意味づけだけになっているのは残念。

上白石萌音ちゃん演じる希。彼女の方は家族の話とかほとんどなくて、ここまでどういう生き方をしてきたのか割と謎。
めちゃくちゃ破天荒なのに、裏切られる事に対する恐怖を人一倍持っている「凶悪」のピエール瀧みたいな性格の女の子。
この裏切られ恐怖症になった理由があんまり分からなかった。

爪噛み癖とか部屋の中の大量なぬいぐるみとか、精神的には子供である事を意味づけた演出があり全然生活能力ないのに、全く家族が出てこないし回りでお世話している人もいないのでこれまでどうやって生きてきたのか想像しにくい。僕はこの辺キャラクターの肉付けが足りない感じがした。

そんな感じでどちらかというと楽しめない映画だったけど、演じている2人のキラキラしたやりとりを観れただけで僕は眼福だったので、またこういう企画やってくれたらもちろん観に行こうと思ってる。

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