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ヘヴィ・トリップ 俺たち崖っぷち北欧メタル!の感想(ネタバレあり)

京都みなみ会館で鑑賞。
とにかくめちゃくちゃ混んでてビックリ。
2時間前位でチケット売り切れてた。しょうがないので次の夕方の回に変更。

負け犬バンド映画なのだけど、主人公達がやっている音楽がゴリゴリのメタルなのが面白かった。
基本コメディ映画なのだけどオリジナル曲作ろうぜ!ってギターの人が弾き始める時に「それはあの曲だからダメ、これもあの曲だからダメ」ってギャグに笑いながら「メタルの曲って全部似てる印象だったけど、たしかに全然違う曲じゃん!」って観てるこちらにもメタルの魅力を教えてくれる作りになっているのが何気に上手い。

中盤メンバーの死から再起を決意するシーンで出てくる宣材写真(この後全く役に立つ場面がなくてズッこけた)が、泣き笑いのバランスにするのが普通だと思うのだけど写真が面白過ぎて全く泣けないバランスになっているのとか潔い。

まあ後半の国境沿いの銃撃シーンの、めちゃくちゃ怒られてもしょうがない悪ふざけが凄まじい。無駄に爆発が派手で笑った。

普通の映画なら挫折として描かれるやらかしの数々が、バンドの伝説としてプラスになっていき、決して「失敗」ではないんだ!という精神性が途中から感動的な気がしてくるんだから凄い。

ただ全体としては全ての要素が割とあっさりした印象で、個人的にはもっとギャグなしで真剣に燃えるシーンが欲しかった気がする。
降りかかる災難も、それを乗り越える為のアイデアも全てギャグ混じりなのでキャラクターが全員記号っぽくて、ラストのライブも負け犬音楽映画としてのカタルシスは皆無だった。

主人公達のオーディションテープを預けてライブに出れると嘘つくシーンの描き方もヘンテコ。
お前らなんか出れる訳ないじゃん!って相手にもされないパターンだと思ってたら、「曲は凄い良かったけど今回は枠ないからごめんねー」っていう思ってたりより良い解答でモヤモヤした。
あれだと来年まで待てば出してくれそうじゃない?挫折として弱い気が。あと1年がんばって新曲増やして来年チャレンジすりゃ良いのではと、普通に思った。
それ故にその後生き急いでメンバーがあっさり死んだのとかかなりギョッとした。ずっと地下で技を磨いていた彼らが何故今じゃないといけないのか?という説得力がない。

後、途中登場する絵的に面白いから以外の要素を感じないヴァイキングのコスプレイヤーも唐突過ぎてビックリした。マジで何やってたのか謎過ぎるし、船を持ってるご都合主義展開とか、もう考えるのをやめた(絵面として笑ったけど)

そんな感じで色々言いたい所もあるけど、メタル好きな人にしか分からないネタが沢山ありそうなので僕が拾えてない要素が沢山ありそうな気もする。

後、メタル好きじゃなくてもギャグ描写は印象に残るシーンばかりだし誰でも楽しめるお正月の初笑い映画としてもってこいだと思う。

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