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【ご報告】第7回せんだい短編戯曲賞の最終候補作品に選出されました。

いつもナントカ世代をご愛顧いただきありがとうございます。ご報告です。
(公財)仙台市市民文化事業団及び仙台市が2012年度から実施されています短編を対象としたユニークな戯曲賞「せんだい短編戯曲賞」(第7回)で、ナントカ世代で脚本・演出を務めている北島淳の戯曲『春の闇』が277篇の応募の中から最終候補作品に選出されました(最終候補作は11作品)。
※2020.10.27に大賞作品が発表され、『春の闇』が大賞に選出されました。詳しいご報告はこちらをご覧ください。

詳しくは10-BOXホームページをご覧ください。
先日の第3回人間座「田畑実戯曲賞」の受賞といい、何だか戯曲賞の話題が続いています。恐縮です。

『春の闇』は過去作品のリライトです。

応募した戯曲『春の闇』は、2011年にアトリエ劇研で上演した『鉛の夜 世界の樹』2020年に入ってリライト(書き直し)したものです。簡単に言うと短くしました。

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『鉛の夜 世界の樹』の舞台。

今回の戯曲賞に応募するために書き直したものではありません。
ナントカ世代では今秋、ある公演を予定していました。ご多分に漏れずアレがその、流行してしまったためにいろいろと紆余曲折がありまして計画どおりにいかなくなりましたが、今秋の公演のためにリライトしたものを、偶然時期があったので応募いたしました。

※紆余曲折の結果は、まもなく公式に情報をお出しできるかと思います。ただし、使用する戯曲は『春の闇』ではなく、新たに新作とする予定で進めています。

原作は二十世紀で最も重要な、知られざる作家(と、北島は思っている)ハンス・ヘニー・ヤーン「鉛の夜」。

「知られざる」と言うほど知られていない訳ではないと思いますが、でもまあメジャーかと言われるとそうではないという位置づけになるかと思います。漫画の「銃夢」を穴があくほど見ている方は、その名前に聞き覚えもあるかもしれません。邦訳されているものがそもそも少ないのですが、短編集の「十三の無気味な物語」などは比較的読みやすいし特徴も出ています。
「鉛の夜」は1本の小説です。けっしてとっつきやすい作品ではありませんが、そんなに長くありませんし、何しろ濃いぃ~ので、読み始めたら間を置かず一気に読み進めて、気になったらあと2・3回読んでみるというのがオススメです。

初演(『鉛の夜 世界の樹』)当時の様子

リライトしていますので『春の闇』とは違う部分も当然ありますが、基本的な流れやとても大事なシーンなどは共通しています。そもそもうるさいってことがナントカ世代ではあんまりありませんが、中でもその静謐さにおいて際立った特徴がある作品だったように思います。

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『春の闇』にはない格闘(?)シーン。

出演者は男1(浦島史生)、男2(首藤慎二)、女1(延命聡子)、女2(真野絵里)の4人限り。一度舞台に出た俳優は終演までずっと出っ放しという、結構な負荷が俳優にはかかるお芝居でした。

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暗めの衣装3人に、なぜか赤が鮮やかな男2だけが一人。

たまに劇評や感想などで「音楽的」みたいに誉めて(?)いただくことも多い(←演劇なのに・・)ナントカ世代ですが、そういう意味でも一番音楽的(←演劇なのに・・)だった作品でした。何しろ、戯曲の中に声の高さや発声の間隔(秒数)まで細かく指定されていましたので。また、ナントカ世代では作品を超えて繰り返し使う一連の会話のモティーフがあるのですが、そのうちの一つが男同士のやり取りで生まれたのもこの作品です。

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伯仲のなじり合いをする男1と男2。

最終結果は10月末だそうです。

結果はなるようにしかならないし、言うても11作品も残っていますし、その頃はナントカ世代で忙しいはず(きっと)なので特に期待はしていませんが、最終選考に残った時点で入選(?)ということで、戯曲はまとめて冊子になるらしいので、それだけでとても光栄ですし、この戯曲賞のこれまでの応募数を大きく上回る277本の作品の中で、各地で活躍されている劇作家の皆様の末席に加えていただいたことは大変恐れ多い限りです。

もし受賞したらまたお知らせします。

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