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【WCS2023 129位】アルギラ

はじめに

こんにちは、ピーエムです。小学生のころからポケモンカードを続け、ついにポケモンワールドチャンピオンシップスに出場し、DAY1通過、最終129位になれました。DAY2は結果が振るいませんでしたが、ウェルカムキットはめちゃくちゃいろいろもらえたし、最終順位もついたし大満足です。この記事ではWCSの構築などを記録しようと思います。


使用した構築

DAY1


DAY2

デッキ選択理由

1 プレイにアドリブが少ない

アルギラは基本的にはどの対面に対してもアルセウスがトリニティノヴァを使うところからゲームが始まります。そのため、1ターン目はアルセウスへの手貼りだけを達成すればよく、その後もだいたいの相手に対して2匹目のアルセウス、ギラティナと動かすことになり、プレイプランがあらかじめ定まっています。動きが一定のため、試合数を重ねてもプレミを発生させづらい構造になっています。好みが分かれるところだと思いますが、私はサーナイトやロストのようなプレイ分岐が多く発生するデッキより、簡単なデッキが好きです。

2 雪ジャッジのイージーウィンがある

雪ジャッジで相手が止まるとイージーウィンできる試合があります。試合数が多くなれば一定の確率で起きるので、能動的にイージーウィンを発生させうる要素は確実に全体的な勝率に効いてきます。サーナイトやパオジアンなど複数枚の雪道の押し付けが刺さる相手が多いとも予想していました。

3 ギラティナが環境で強い

NAICで流行していたアルジュラやアルブラなど、アルセウスの相方を比較したときに、280ダメージを出せるギラティナが最も勝ちやすいと思っていました。ギラティナはアルセウスVSTARやパオジアンやミライドンなどを一撃で倒せる火力があり、進化してもVMAXではなくVSTARのため、サイドレースで不利を取りづらくなっています。ロスギラに対しては有利ではありませんが、相手にはVガードがほぼないのでVガードを通せれば勝てない対面ではありません。

1と2の都合で試合時間を短めにできて引き分けを発生させづらく、50分BO3向きのデッキでもあります。CLおよびJCSまではずっとルギアを使っていましたが、白ルギアはアヤシシを止めるミカルゲが環境に多いと予想したので断念、一撃ルギアは好きじゃないので使用しませんでした。

構築メモ

イキリンコex
アルギラは1ターン目にアルセにエネを貼ることが何よりも重要ですが、エネ14枚いれても先1でエネを触れる確率は90%以下です。イキリンコを入れることで95%程度まで引きあげることができます。また、2ターン目以降に何もすることがない手札の解決にもなります。最序盤の展開が勝敗に与える影響がとても大きいと考えていたため、採用しました。

かがやくフーディン
ロスバレのカイリューVをダブルターボ付きのベルトトリニティノヴァで返すのに必須であり、他にもいろいろな対面で使えて汎用性が高いです。対パオジアンではトリニティノヴァで180ダメージを与えたパオジアンの20ダメージを、別のパオジアンに移すとダブルターボをつけずに育てたアルセウスのトリニティノヴァ200ダメージで倒せるようになります。また、ベルトロストインパクト310に20ダメージを追加してジュラルドンVMAXや連撃ウーラオスVMAXなどの330ラインを倒せるようになります。サーナイトに対してはアルカナシャインのサーナイトに移して280ダメージをだすハードルを少し上げられたり、20+ロストインパクト280の300ダメージでサーナイトexを逃げられなくしたりできます。

ミカルゲ
ドラピオンと比較して対ミュウ・対ルギア性能が優れるため採用しました。ミカルゲがないとミュウはきついです。

お祓いグローブ
何かしら対策札がないとサナへの勝率が悪いと判断。お祓いグローブをギラティナにつけてサナexを倒す手段があるのとないのとでは取れるプランが全く異なるため、DAY1はグローブを採用しました。ただ、なくても勝てなくはない対面のためDAY2はVガードの2枚目を優先して不採用としました。
災いの箱も検討しましたが、1匹目のアルセにつけてもサナexに殴られがちなのであまり有効でなく、3匹目のVでは良くて引き分けにしかならないので、有効になるのは2匹目のみです。ただ箱が1枚ではボスでかわされるだけで意味がなくなってしまいます。

すごい釣り竿
序盤にハイボのコストに悩まなくなり、イキリンコとの相性も良好です。試合数の多いWCSでリソース管理を楽にするのは重要でした。エネを戻してギラティナを2匹構えたり、ベンチのエネ付きギラティナを先に取られた展開でエネ3枚戻してギラティナ2匹目を立て直したりする動きも強かったです。

ジャッジマン2 ナンジャモ3 博士の研究1
ジャッジマンは序盤にしか強く使えないので2枚、終盤に雪ナンジャモでサーナイトからターンをもらうためナンジャモは3枚採用しました。博士の研究は不採用のレシピも多いですが、終盤の山を薄くするために、序盤中盤に山を掘っておく価値は高いです。また、スターバースの選択肢に相手の手札を流さずにドローする札があったほうがいいと思って採用しました。

雪道3 崩れたスタジアム1
雪道をはがすカードを入れておくことで、アルセミラーやロスギラ、ミライドンなどの雪を押し付けてくるデッキに対して試合中のどこかでスターバースからの逆転を狙えました。雪道をはがすカードとしてはロストシティやロストスイーパーなどもありますが、イキリンコや手負いのアルセを消せる崩れたスタジアムを高く評価しました。

エネルギー
基本エネは3匹のVSTARに1枚-3枚-3枚とつけたいのでサイド落ち1枚を考慮して基本エネは8枚必須、ダブル無色エネルギーは初動の安定とロストインパクトのコストになるため4枚必須と考えていました。1ターン目に手貼りできる確率はエネ総数が13でも14でも大差はないので、DAY1はお祓いグローブを採用するためにVガードを1枚に減らしました。DAY1の分布をみて想定以上にロスギラ+アルギラの総数が多かったため、DAY2はグローブを抜いてVガード2枚としました。

対戦など当日の記録

DAY1

R1: WIN vs. アメリカ 一撃ルギア
R2: LOSS vs. 日本 ロスギラ
R3: WIN vs. オーストラリア 連撃ウーラオス
R4: LOSS vs. デンマーク ミライドン

DAY1通過には18pt必要なためここで後がなくなりますが、ここから気合で4連勝。R5~R8は過去一番集中していました。

R5: WIN vs. カナダ ロスギラ
R6: WIN vs. イギリス パルキアパオジアン
R7: WIN vs. 日本 アルブラウーラオス
R8: WIN vs. ドイツ ロスギラ

DAY2

R1: LOSS vs. イギリス ロスギラ
R2: WIN vs. 香港 アルギラ
R3: LOSS vs. 日本 連撃ウーラオス
R4: TIE vs. オーストラリア ロスバレ
R5: WIN vs. 日本 ミライドン
R6: LOSS vs. ペルー ロスバレ

ここでもうベスト32も無理そうだとなりましたが、せっかくの世界大会なので最後まで対戦しました。しかしながら、3連敗でDAY2はボロボロでした。

R7: LOSS vs. 日本 ロスバレ
R8: LOSS vs. フランス ロスバレ

Standings: 129 of 170

ギリギリ英語がしゃべれなくもないタイプの人間なので毎試合多少はコミュニケーションをとれて楽しかったです。ネイティブじゃない人とはわりと話せますね。

2日間でBO3を16戦はものすごく疲れました。終わったあと飲みにいきましたが、親指を上げる動作が限界くらいでしたね。

DAY3

DAY3は決勝戦のみ行われます。席を確保して午前からずっと観戦していました。もっとも有名なプレイヤーの一人Tordの決勝戦はとても熱かったです。

TCGマスター決勝

それだけでなく、VGCの観戦もめちゃくちゃ楽しかったです。背景は大量の学生がいるおそらくWCS決勝戦限定の仕様です。BGMはネモ戦ベースに花火が打ち上げられていました。特にテラスタルが使われるとライブ会場のようなライトがでてきて演出もド派手です。一番楽しかったのはDAY3だったといっても過言ではありません(DAY1, DAY2はあまりにも疲れたため)。これだけの人数で世界一を決めるポケモン対戦を観戦できる機会は1年に1度、この日しかないです。

VGCマスター決勝

おわりに

最後にWCS出場の経緯を少しだけ。私はCL2023愛知で優勝してWCS権利を獲得しました。それまでの大型大会の最高成績は2015年レックウザメガバトルのベスト8、その後もベスト16を3回経験しましたが、5度目の本戦で初盾&初WCS権利獲得でした。その間8年、継続は力なりです。つぼみがいつか花開くように夢はかないます。そのうち赦されます。

競技を通じて生まれる友情はポケモンにとって最も重要なものであり、世界大会こそがその最高の場所です。

Tsunekazu Ishihara


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