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江原啓之『金霊』(かねたま)を読む

 ずっと前に読んで、早く内容をまとめよう、と思いながら日々が流れてしまった。今日こそはきちんとこの本を紹介したい。

 江原啓之さんの本はもともとよく読んでいたし、霊的能力は皆無だが、本の内容は自分なりに咀嚼できていたと思う。ただ、江原さんがお金についての本を書かれたのはこれが初めてで、「お金がほしいという欲望」と「魂にとってよき生き方をすること」はどう折り合いをつけられるのか、ということは知っておきたかったので、刊行されるやすぐに入手したのである。

 内容はとても面白かったし、お金に対する姿勢も自分なりに明確になり、読んでよかったと思う。以下に、私にとって特に重要だったポイントを示す。

・お金持ちになりたければ、お金に信頼される人になる。

 お金に信頼される人とは、お金を有意義に使う人だそうだ。すなわち、寄付なりプレゼントなり、他人のためにお金を使う人のことである。生きたお金を使えば、必ずお金は還ってくるという。また、何かを幸運な出来事があったら、3割は恩返しに使うとよい、とのことだ。

・綺麗事を言わないで人のために稼ぐ。

 「食べていけるだけのお金があればいい」などといわず、大きく稼いで、食べられない人に喜捨するなど、人のために使えばいい、ということである。

・自分が役に立てる場所を見つける。

 稼げないということは、今いる場が自分に合っていない可能性がある。場所を見極めて仕事をすれば、どんな人でも自分の器ぶんのお金は得られるそうだ。

・自分の器を大きくする。

 誰かのために頑張ることに目覚めれば目覚めるほど、人の器は大きくなるという。そう言えば、私の愛する朝ドラ『カーネーション』の小原糸子は、自分でお店を持ち、やがてそのお店を少しずつ大きくして縫い子さんを何人も食べさせて行く。戦争中も、家族、従業員を食べさせるために頭を使い、生き生きと働く。『カーネーション』を見ると元気が出るのは、あの前向きなエネルギーゆえ、ということもあっただろう。

 この本には、こうした極意が51も書かれており、私がここに示したのはそのごくごく一部に過ぎない。ただ、骨子は「自分と他人の幸せのために、自分の向いた場で惜しみなく働く」ということになるのだろうと思う。

 実は私には10億円ほしいという野望がある。『レ・ミゼラブル』の主人公、ジャン・ヴァルジャンは、燭台を盗んだことを許され、心を入れ替えたのちにマドレーヌさんとなるのだが、その後、飾り玉の製造法を編み出して財をなし、工場、学校、幼稚園、無料の薬屋を建て、病気で働けない人のために救済基本金を出す。その時に使ったお金が100万フラン(10億円)なのである。自分一人で10億円を稼ぎ出すことは無理だとしても、財団法人を作って学習支援をする、というのは不可能ではあるまい、と思っている。(あくまでも野望。)そのために、もう少し自分の可能性を広げることを考えながら、地道に種をまいていきたいものだ。


 

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