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53:JICA海外協力隊の応募を迷っている方へ

 Bonjour!

 今回は、JICA海外協力隊の応募を迷っている方向けの発信です。

 ベナンに来てから数人の方から「応募を迷っているんですが…」という相談を受けました。

 結論、「迷っているなら応募しない方がいい」です。

 挑戦しようとしている方に背中を押すべき、押したいという気持ちは勿論あります。

 しかし、想像以上にメンタルがやられます。実際、精神面的に限界が来て帰国する隊員もいます。

 なので、「覚悟を決めてから応募をするべき」=その人のことを考えると、簡単に「応募してみるといいと思うよ!」とは言えません。

 ちなみに…。

 JICA海外協力隊の世界日記をベナン代表として書かせていただいていますが、キラキラした部分しか載せることができません。

 (応募者を増やしたいJICAにとって「素敵なところを載せて」と要望するのは当たり前ですし、JICAを批判しているつもりは一切ありません。)

 なので、ここに正直な気持ちを書いておきます。

 今から「覚悟を決めてから応募をするべき」と冒頭に書いた理由をいくつか挙げます。


 ①求められていない

 ボランティア=現地の人が望んでいると思ったら大間違い。

 JICA海外協力隊はモノやお金の支援ではなく、知識や技術の支援のため、求められていない場合が多いです。

 なぜなら、それらがなくても今まで成り立ってきてしまっているから。

 私の場合、職場に日本人がいる環境が嬉しいという感じ。実際、この話はよく聞きます。

 結果を出しても「すごいね」で終了。

 だからこそ、「望まれていないのであれば、私がやりたいことを自分の手で叶えてやる!」精神で過ごしています。

 一方で、配属先長等が日本を訪れたことがあり、「本気で自国を変えたい」と思っている運がいいケースに当たる場合もあります。


 ②ハードな生活

 私の任地にはスーパーがなく、肉魚野菜+乳製品が基本手に入りません。シャンプーなどの日用品なども売っていません。

 アフリカ隊員でも首都隊員、南アフリカやセネガル等の発展している国であれば、任地でも手に入る場合も多いみたいです。

 しかし、私は日本人からしたら何もない地方都市に住んでいるため、生活に慣れるまで苦労しました。

 また、食生活には基本困らない中南米の国々でも停電や断水に悩まされている同期仲間はたくさんいます。

 一方で発展している国は洗濯機やクーラーがあったり、日本と変わらない暮らしをしている隊員もいます。

 私は望んでアフリカに来たのですが、それでも最初は日本との環境の違いに慣れるまで時間がかかりました。

 さらに、日本語が通じない環境だけでなく、アフリカでは肌の色が違うだけで差別されることもよくあります…。


 ③謎の体調不良

 これはどこの国の隊員でも一緒。笑

 日本では健康体だった同期隊員達も、皆定期的に発熱しています。

 派遣前訓練でも「自分は大丈夫だと思うな」と口酸っぱく言われましたが、その通りでした。


 ④自分の価値を見失う

 ただでさえ求められていない環境におかれる場合が多いのに、「これがやりたい!」「絶対〇〇を成し遂げて帰国する!」など、強い意志がないと1人で踏ん張ることは難しいのでは?と思っています。

 「自分はなぜここにいるんだろう」等とマイナスに考えてしまうのは、隊員あるあるです。

 そして、応募するのであれば社会人経験があった方がよいと個人的には思っています。

 社会人経験をせずにこの世界に飛び込むメリットもたくさんあります!

 しかし、専門職の場合は絶対経験をしておくべきです。

 私は小学校教育隊員として派遣されています。

 日本の価値観がベナンで通じることはないと思っていましたが、思ったより日本での経験が生きていると感じています。

 いろいろ偉そうに書いてしまいましたが、私もまだ目標に達しているわけでもなく、辛いこともあります。

 公用語のフランス語もまだまだ話せません。

 しかし、既に「ここでしかできない経験・ここでしか味わえない幸せ」はたくさんあります!

 また、世界中で奮闘している素晴らしい同期隊員=一生の仲間にも必ず出会えます。

 冒頭で「覚悟がない人の応募はお勧めしない」と書きましたが、「応募しないと見えない景色」は必ずあります。

 さらに、現地の生活費の支給に加えて、公用旅券で渡航している=日本(JICA)に守られているという生活する上での安心感は協力隊の特権です。

 だからこそ、覚悟を決めてぜひたくさんの方に挑戦=応募してほしいです!待ってます!

 nao





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