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出稼ぎはオワコン?オーストラリアワーホリの仕事と家探しの現状について

こんにちは!なおきです。

この記事ではオーストラリアでのワーホリ・留学を検討している人に向けて、ファームジョブや家・職探しの現状を体験と伝聞に基づいてまとめました。

結論から言うと家も仕事もとても見つかりにくいです。

運が悪いと家探し・仕事探しでお金と時間を浪費し、最悪の場合は帰国する羽目になります


この記事を書いた人

なおきといいます。旅とコーヒー、猫が好きです。ブログをやりながらワーホリビザを活用して様々な場所に住んでみています。

2022年の10月から2023年の8月まで、一時帰国を挟みつつオーストラリアでワーホリをしていました。昨年は1人で、今年は夫婦2人で、妻のカフェ開業資金を貯めるための出稼ぎです。

オーストラリアでの出稼ぎとは?

2022年の秋の終わり頃からテレビで何度かオーストラリアでの出稼ぎが特集されたので「稼げる」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

僕はテレビで特集される前からオーストラリアにいたのですが、去年と今年、そして今後、オーストラリアでのワーホリ・出稼ぎ事情がかなり大きく変動していると感じています。

昨年の情報をもとに行動したのでは完全に時代遅れ、という状況ですのでこれからワーホリに行く人に必ず知っておいてほしい情報をまとめました。

ワーホリ以外でも、学生ビザや短期留学の方や、あるいは世界の流れの一つを知りたいという方にも楽しんで読んでもらえるような内容だと思います。

注意点

僕はオーストラリアではファームジョブしかしていませんので、都会での話は聞いた情報しかありません。ただ日本にいる方やエージェントからの情報しかない方にとっては有用かと思いましたのでまとめています。

出典や調査は曖昧な点も多いです。あくまで体感とオーストラリアで出会った他の日本人やコントラクターに聞いた話が元になっていることを前提としてお読みください。

この記事はテレビなどで誤って広められた「オーストラリアは簡単に稼げる」というイメージを解くために書いています。noteやアメブロなどには他にもたくさんワーホリをされた方の記事があります。そちらも読んでいただき、情報をたくさん調べるようにお願いします。


事前知識

オーストラリアのワーホリを知らない方にも読んでもらえるよう、用語の解説をしておきます。

ワーキングホリデー(ワーホリ)とは

2国間の協定に基づく滞在許可(ビザ)のことです。18~30歳の青年に対し、文化の相互理解を目的として1年の休暇を楽しみながら、その間の生活費を得る目的で一定の就労が許可されます。

通常、海外で就労するのはスキルや語学力等の高いハードルがあるのですが、ワーホリは50万円程度の資金証明さえできれば条件をクリアできるため、海外で滞在したい人に人気のビザになっています。

日本は現在、約30ヵ国弱と協定を締結しています。国によって年齢制限や期間、就労・就学の制限は異なります。英語圏のオーストラリア・カナダ・ニュージーランドが人気です。

セカンドビザ、サードビザとは

ワーホリビザは本来、1年間のみで延長はできません。

オーストラリアでは特定の仕事に88日間就労することで、2年目のビザを取得することができます。さらに2年目には特定の仕事に180日間就労することで、3年目のビザを申請可能です。

特定の仕事は大雑把に言うと、一次産業・二次産業・田舎でのサービス業です。ワーホリ日本人に「ファームジョブ」をする人が多いのはこのセカンドビザを取得するためです。

最低賃金と「カジュアル」

オーストラリアでは最低時給が定められており、2023年7月現在約23ドル(約2100円)程度です。また、オーストラリアには雇用形態が3種類あります。フルタイム・パートタイム・カジュアルです。

フルタイムは正社員、パートタイムは契約社員またはアルバイト。

カジュアルは日本にはない雇用形態ですが、イメージとしては最も近いのが日雇いです。労働時間を保証する必要がなく、「今日でクビ」も法的に問題ありません。反面、労働者側も行きたい時にだけ行く自由があります(その結果次回があるとは限りませんが)

カジュアルは働き方が自由な反面、保証が全くありません。その代わり、最低賃金に25%の上乗せをすることが義務付けられています。その結果、カジュアルでの最低時給は2023年7月時点で約29ドル(約2700円)です。

このカジュアル制度の存在がオーストラリア出稼ぎの最大のポイントです。

こんなに給料が高いのですが、食費は日本とそこまで変わりません。お米は10kg3000円、にんじんは1本50円、りんごも1kg400円。しっかりと自炊をすれば生活費は日本と同等に抑えられます。


オーストラリアワーホリの現状

ただそのように最低時給が高くとも「働けなければ」意味がありません。

オーストラリアでは今かなり人が増えており、仕事と家が見つかりにくくなっています。特にファームジョブは出稼ぎができると騒がれていた頃と比べると天地の差です。

都会では

メルボルンやシドニー、ブリスベンなどの都会ではシェアハウスに住むのが一般的です。

相場は1部屋 週300ドル(約28,000円)以上。月10万円以上になります。それでも見つかりにくいと言われており、部屋を見つけたい人を狙った詐欺も横行しているのが現状です。

仕事に関しては飲食店で働く人が多いのですが、英語を話せないと仕事が見つかりにくく、日本食レストランでも人があふれているようです。

ファームジョブでは

ファームの方も働きたい人で溢れています。さらにワーホリで得られる仕事の枠が少なくなったおそれもあり、厳しい状況です。

特に日本よりも物価が安い国からの出稼ぎ勢が多く、コロナ前よりも仕事が見つけにくくなっているそうです。

またファームジョブはカジュアル契約が多く、せっかく見つけた仕事もスピードが遅いと思われると、1日でクビになることも珍しくありません。


仕事と家が見つかりにくい理由

僕は専門家ではありませんが、オーストラリアに住みながら感じたこと、聞いたこと、調べたことをまとめてみます。絶対ではありませんが、参考になれば嬉しいです。

1. コロナ明け

これは想像しやすいと思います。オーストラリアでは2022年時点でコロナ規制はほぼ撤廃されていましたが、そのニュースを聞いて準備した人たちが一斉にワーホリや留学を始めたのではないでしょうか。

2. パンデミックビザ *2023年9月にほぼ終了

新型コロナのパンデミックが起こったことにより、ワーホリに頼っていたオーストラリアの産業は圧倒的な人員不足に見舞われました。それに対する一手としてオーストラリア政府が発行を決めたのがこのビザです。

正式名称は省略しますが、408ビザ、パンデミックビザ、コロナビザと呼ばれています。

学生ビザやワーホリビザなど労働可能なビザをほとんど無条件で半年から1年延長できるビザでした。その結果多くの国から出稼ぎをする人が増えたのではないかと言われています。

2023年9月制度が変わり、ギリギリで延長した人が滞在できるのが2024年9月頃までになります。

3. 仕事の枠が減っている

パンデミックビザ同様、人員不足に見舞われた一次産業を救うために太平洋地域の国民にビザを発行するプログラムがあります。(おそらく下記リンクのビザ。間違っていたらすみません。)

雇用主がスポンサーとなって契約をすることで太平洋諸国の国民に長期間の労働ビザが発行されます。

ワーホリはセカンドビザを取得するためにファームで働くため基本的に88日間の日数が貯まれば仕事を辞めてしまうことが多いです。それに比べてアイランダーはずっと同じ会社で働いてくれます。

多くの農場がコロナ期間にアイランダーに切り替えた可能性があり、その分ワーホリで取れる仕事の枠が減ってしまったと考えられます。

4. 日本人ワーホリは競争力が弱い

雑な一般論で恐縮ですが、日本人ワーホリは以下のように思われている節があります。

  • 出稼ぎ勢に比べるとお金(≒仕事)に対する執着が弱い

  • ヨーロッパ勢に比べると英語力が弱い

  • コミュニティの結びつきが弱い

もちろんこれに当てはまらない人はたくさんいますし、丁寧な仕事を真面目にする人が多いのも確かです。しかし日本人というブランドは、(特にファームでは)役に立たないことがあります。

特に最低時給が30ドル近くなった現状、どうしても雇用主としては一人一人の働きを厳しく見なければいけません。

「英語を学びたいからオーストラリアに行こう」「もう1年いたいし、ファームで働こっかな」といった軽い考えでは厳しいこともあるかもしれません。


ワーホリについて個人的な意見

ここから先は主観的な意見なので、参考程度にしてください。

できるならたくさんの人に会って、いろんな意見を聞いてみてくださいね。

いまワーホリに行くか迷っている人へ

ワーホリに行くことについては個人的には大賛成です。30歳までの年齢制限もありますし、今後状況が良くなるかどうかはわかりません。

ワーホリは良くも悪くも「住んで働く許可」でしかないので、そこで何をするかは自由です。もしあなたが学生なら、インターンやボランティアプログラムなどを調べてみるのもありです。学生限定のものも多いです。

ワーホリに行くことを決めたなら、お金は必ず余裕を持って貯金するようにしてください。

オーストラリアに行くか迷っている人へ

オーストラリアに絶対行きたい理由があるのでなければ、ニュージーランドやカナダなどの国を検討するのもありだと思います。

もちろん、どこも円安と物価の上昇で厳しい状況なのは変わらないので、仕事探しや家探しは大変です。こればっかりは行った人にしかわからないのでたくさんブログやnoteを読んでみるしかないかもしれません。

どこの国に行くにしてもお金をしこたま貯金してきてください。

オーストラリアに行くことを決めた人へ

お金をとにかく貯金してきてください。航空券や入学金、海外旅行保険などを支払って、到着時に100万円持っていることを目指しましょう。

セカンドの取得は3ヶ月では難しいと知っておいてください。半年以上かかると思って行動しましょう。語学学校が終わったらすぐにファームに移動するのも手です。

詐欺と性犯罪に気をつけてください。情報を大切にしましょう。情報を得るためには英語が必須です。

どうしても移動が増えることになると思いますので、荷物は極力減らすことをおすすめします。


おすすめのサイトなど

僕がよく使うサイトやサービスをまとめておきます。

ホテル・バッパー予約
(全部で調べて最安値のホテルにすることが多いです)

  • Google Mapで検索

  • Booking.com

  • agoda

  • Hotels.com

  • Airbnb(2人以上だと安くなりやすい)

  • Trip.com

  • HostelWorld(ドミトリーがある宿のみ掲載しているみたいです)

航空券予約

  • Google Flight

  • 航空会社のサイト (今は公式サイトが最安なことが多く、トラブル対応も簡単です)

  • Kiwi.com (周遊する時に最安ルートを探すのに便利。予約システムはトラブル多いので別サイトで予約しています)

  • Hopper (価格変動の予想をしてくれます)

家探し

  • Facebook(プロフィール写真くらいは登録しておこう)

  • Gumtree

ファーム探し

  • X (Twitter)(オーストラリア用アカを作るのがおすすめ)

  • 日豪プレス(詐欺が多いという噂も)

英語アプリ

  • Duolingo

  • Speak (AIを活用した英会話アプリです。月額約1000円かかりますが、かなりおすすめ)

  • BoldVoice (発音練習アプリです。初心者はElsaがおすすめ)

最後に

かなりおどかす内容をたくさん書きましたが、それもこれもテレビなどで誤って広められた「オーストラリアは簡単に稼げる」というイメージを解くためです。

僕らも夫婦で4ヶ月間働きましたが、作物の不作と農場の取引先のトラブルが重なり、思っていたよりも全然稼げませんでした。日本でリゾバに行った方が貯金できたんじゃないかと思います。(労働時間のコスパはリゾバより良いですが)

以前だったらメインの農場の仕事が減っても周辺の農場で仕事が見つかりましたが、今年はそれらが全て埋まっていてなおかつ仕事を待っている人がたくさんいるような状況でした。

とはいえ、日本で正社員で働いている時よりも貯金はできているし、何より海外で暮らす、というやりたいことを続けることができています。

ワーホリは厳しいものですが、それを乗り越えるだけの価値は必ずあると信じています。ここまで読んでくださった方なら絶対に乗り越えられるはずです。僕は海外にチャレンジする方全員を応援しています。

読んでくださって、本当にありがとうございました。