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続・大井川鐵道について今お伝えできること

こんばんは、佐々木です。
4月になりました。
風景がカラフルで、気持ちがふっと緩むような優しい季節ですね。
新年度に入り、新天地や新しい体制での生活が始まって、緊張と期待の日々かと思います。
波に乗るようにリラックスして参りましょう。

さて、前回の記事では大井川鐵道について今お伝えできることを書かせていただきました。
大変反響の大きな記事で、私のnoteの中で最もアクセスとシェアの多い記事となりました。

関心の高さと、出回っている情報が少ないことによるみなさんの不安・心配を感じました。

前回の記事内で、3/30に全員協議会があり、その中で大井川鐵道についての議題があがる予定でその内容を受けてのことを書く旨をお伝えしてました通り、今回は大井川鐵道についての続編を書いていきます。

今回は事実関係をシンプルに書きます。

>大井川鐵道全線復旧に向けて必要なこと

大井川鐵道、金谷~千頭の全線復旧に向けて必要なことはすごくシンプル。お金です。

前回の記事で書いた通り、大井川鐵道は民間企業なので、お金がなくては事業ができません。
(大井川鐵道株式会社の決算公告はこちら)

>民間企業に税金を投入することはありうるのか

大井川鐵道が復旧するのに必要なものはお金。
想いや使命感も大切ですが、やはり運営を続けるには資金が必要なのはどんな商売も同じことです。

しかし、大井川鐵道は民間企業とはいえ、「"特別"でしょ?インフラなのだから。」という感覚は多くの人がお持ちだと思います。私もどこかにその思いはあるのですが、実際はそういうことではないようです。

民間が経営する鉄道会社に公的資金が投入されるという事例は調べた限りほぼありません。(第三セクターは除く)
日本では、地域公共交通も収支が見合うこと、つまり赤字にならないことが求められます。したがって収入が減ったときは、事業者自身で対応しなければならないのが原則です。
つまり、収支が見合わなければ縮小せざるを得ない。
そしてそこへの公的資金(公金=税金)の投入は基本的にはない、というのが実情です。

反対に、収支が合うのであれば事業を継続し、一層の発展のために投資をしていくのは民間企業として当然のことでしょう。

>3/30の全員協議会で行政から説明があったことは

大井川鐵道関連での話で出たことは、『鉄道が災害にあった場合には国からの補助がある』ということでした。
その内容の<詳しい資料>は下記リンクをごらんください。
<簡潔版>はこちら

例えば、災害復旧に10億かかるとします。
そうすると、鉄道会社が1/2の5億円。国と町がそれぞれ2億5000万ずつの負担を"合意"すれば災害復旧予算に目途がつきます。
これが、現在ある鉄道会社の災害復旧のために税金を使うことができる制度(=根拠)です。

災害復旧の見積もりについては、概算は大井川鐵道から提示されていますが(非公開)、前回の記事で書いたように、詳細な災害復旧の見積もりは、今後、国や県が絡んで進んでいくことになります。

ここがでないことには前に進まないのです。

>全国的に同じような事例も多い

日本全国の鉄道やバスなどの地域の公共交通は、災害やコロナ禍も影響による乗降客数の減により、全く採算がとれず、事業継続の岐路に立たされているようです。

前述したとおり、日本では、地域公共交通も収支が見合うことが求められていて、災害を含む不測の事態も事業者自身で対応しなければならないのが原則です。(補助金等はある)

そうはいっても、大井川鐵道もそうですが、インフラとしての機能を超えて、歴史を重ねたことによる文化的な価値が大きくあるのは間違いはなく、やはり税金を投入してでも支えるべきものであるという考えには"個人的には"賛同します。(難しいところなので、この考えについては改めて書きます)

調べると、そのような質問をちょうど一年前の2022/4/1の参議院国土交通委員会でしている国会議員がいらっしゃいました。

このやり取りをみると、国が民間の公共交通の企業を手助けする仕組み(=公的資金投入の根拠)を作ることは、今検討中とのことです。

>まとめ

大井川鐵道に必要なのはお金。
町がいまできることは、どういう形で支援できるかという協議。
町・議会がいまやるべきことは、まずは町民が困らないために対応、大鐵休止による観光への影響の対策、そして、町民のみなさまへの現状と今後の見通しの説明。

繰り返しになりますが、議会も行政も大井川鐵道の全線復旧に向けて動きたいのはやまやまです。
しかし、民間企業である大井川鐵道の経営に関わることなので、なにより大井川鐵道の意向や実際の資金繰りの面が重要です。
想いや使命感だけでは進まない大きな事案です。

また進捗ありしだいお伝えします。

川根本町議会議員 佐々木直也


改めて、こちらも読んでいただければと思います。


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