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マネージャーからICにロールチェンジしたからこそ見えた景色

この記事はRetty Advent Calendar 2023の12日目の記事です。

今年はEngineering Manager(以降マネージャー)からIndividual Contributor(以降IC)へロールチェンジしました。
マネージャーを務めていたのは9ヵ月と短い期間でしたが、ロールチェンジしたからこそわかったことや苦労したことを今年の学びとしてまとめてみます。


ICとは

ICは社員の管理責任を負わない社員を意味するものです。
つまり一般の社員のことではあるのですが、Rettyの場合はリードエンジニアという役割でICのキャリアラダーがあります。
ICとしてキャリアラダーを上がる場合にマネジメント的なスキルが全く不要というわけではなく、チームや部門を超えたコミュニケーションだったり、時にはプロジェクトを推進するスキルが求められることもあります。
いわゆるピープルマネジメントの領域は求められないキャリア、といったところです。

なぜICにロールチェンジしたのか

これは「ICの期待役割を言語化したい」という理由からです。

実はRettyにおいてICの役割が出来たのは比較的新しく、期待役割を自信をもって説明しようと思うと若干難しい部分があるのが正直なところでした。
私がマネージャーとして担当していたチームにもICの方がいたのですが、自身の役割について「必要なことを何でもやる感じですよね~」と話されていたことが私の中ですごく心に引っかかっていました。(本人はネガティブな意味ではなくむしろ前向きな感じでの発言だったのだとは思うのですが……)

そのため、自分もICになって色々な課題感と真正面から向き合おうと考え、組織の体制変更に合わせて自身の希望でロールチェンジしました。
今回円滑にロールチェンジできたのは他のマネージャーから後押しがあったり、他のマネージャーに引き継がれていったメンバー含め周囲の協力あってのことです。とても感謝しています。

ロールチェンジしたからこそ見えたこと

ロールチェンジによって学んだこと、苦労したことはそれぞれありますが、成果を出すために大事だなと実感したのは「いま必要な役割を考えて自分で埋めにいく、できない役割は周りに助けてもらう」ということです。

マネージャー、IC共に中心となる期待役割は異なりつつも、互いに重なっている部分もあります。
重なっているということは自分が役割を担ってもいいし、難しいなら周りの仲間に助けてもらっても良いんですよね。
そもそも会社の中でいま必要とされる役割は組織や事業の状況によって変わっていく部分も少なくありません。

こういった中で周囲と協力して大きな成果を出すためには、自分がどういう役割なら担えるのか、担えない部分はどう助けてもらうかを考えた立ち振る舞いが大事な要素なのではないか、と異なる役割をそれぞれ経験したからこそ強く感じるようになりました。

せっかくなので1番学んだこと、苦労したこともそれぞれ書いてみます。

1番学んだこと

マネージャーを経験した上でICになったからこそ強く感じたことはマネージャーは組織の結節点だということです。

ICになるとマネージャーの時にはアクセスできていた情報にアクセスできなくなることが少なからずあります。
ただ、マネージャーの経験から「マネージャーならこういう情報知ってるかもな」と勘が働き、自分のマネージャーを頼ることでサポートしてもらうことが出来ました。
逆に、メンバーから取り留めのないモヤモヤを雑談してもらうだけでもすごくありがたかった経験から、1on1でマネージャーとそういった内容をよく雑談させてもらうようにしました。
このおかげで直近の問題解決だけでなく、未来の課題に向けた対策を一緒に考えてもらって手を打つこともできました。

この経験から以下2点をマネージャーと普段から話すようにしておくと何かとプラスに繋がるのではないかなと感じました。

  1. チームや会社の未来についてメンバーからマネージャーに聞いてみる

  2. 現場で起きている問題、取り留めのないモヤモヤをメンバーがマネージャーにただ聞いてもらう

マネージャーとメンバーはお互いに背中を預けて頼りあうような関係の側面があるのではないかと考えています。
ですので、双方向で情報をやりとりし、解決したい課題をお互いに預けあったり一緒に解決する動きが大きな成果を生み出すことに繋がるのではないでしょうか。

1番苦労したこと

一番の苦労は自身の役割を状況やチームの期待に合わせて柔軟に調整することでした。

マネージャーの思考の傾向として、チームを俯瞰して見てフォローに回ったり先んじて手を打とうとする部分がわりとあると思います。
ただ、ICとしてチームの1員になった後も無意識のうちにこの傾向が強く出すぎていました。
自分としては「1メンバーとしてコミットしよう」と意識していたつもりではいたものの、チームメンバーから「チームメンバーとしての発言っぽく聞こえない」と率直に言ってもらえたことでこの課題に向き合うことが出来ました。

今は「状況を俯瞰して未来のことを考える」スイッチと「目の前の物事に集中して成果を出す」スイッチを意識的に切り替えるようにして対策しています。
チームが目の前のことしか見ていないというわけではもちろん無く、目の前に集中してチームみんなで取り組んでいるときに1人だけ違う時間軸を見ているのは単純に見るタイミングを間違えています。
ですので、この2つを意識的に切り替えることでいま見るべき時間軸にうまく目線を合わせられるよう心がけています。

ただ、いまだに「あ~、いまスイッチ間違えたなぁ」と反省することがしばしばあるのと、思えばマネージャーであってもこのスイッチが使えればよりうまくいったことがあったろうなと感じています……

まとめ

以上、マネージャーからICにロールチェンジした苦労と学びでした。

ちなみにロールチェンジの理由となったリードエンジニアの役割ですが、部門内のマネージャーや他のICとも議論して最終的に「技術と経営を繋ぐ役割」と定義しました。
マネージャーとリードエンジニアが対になって事業に貢献していくこと、それぞれのキャリアラダーの先に経営層への参画があることを踏まえ、一貫して期待される役割がこれではないかと着地した形です。
(逆にマネージャーは「開発組織と経営を繋ぐ役割」としました)

役割を言語化できた今は「こんなことをやれば技術と経営を繋ぐきっかけになっていくのではないか」と試行錯誤しながら取り組むことで仕事がより一層面白くなりました!
また、今後のキャリアにおいてもマネージャーとIC両方の役割を経験できたことをうまく生かして自分なりの貢献をしたいなと考えています。

キャリアは自分の希望だけで成立するものではないですが、ロールチェンジしたからこそ得られる学びがあります。キャリアを歩むうえであえてロールチェンジしてみるというのを選択肢の1つに持ってみるのも良いのではないでしょうか。

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