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小さな見直しで「機嫌のいい人」になる

最近、インタビュー原稿の仕事に、個人的には革命と呼びたいレベルの変化が起こった。

それは、憂鬱で仕方がないのに、省くという選択肢がわたしにはない、「インタビュー起こし」においてである。
その伏線ともいえる話を、2年前のnoteに書いていた。

上の記事で、「具体的にはまだ何も動いていないけれど、この入稿がひと段落したら、ぜひ調べてみようと思う」と書いたが、その後、調べたんである。そうしたら、何も難しいことなく、新しい方法に出会えたのだ!

音声入力機能を使って文字に起こす


上の見出しを見てズッコケている、若くハイテクな方々の姿も浮かびつつ、あえてここでは、わたしのような世代や、タイプ的にアナログなライター業の方のお役に立てればと思う。

まず前提として、わたしが音声の文字化の必要に迫られる状況というのは、誰かを取材したインタビュー記事の執筆である。
そうした仕事では、「文字起こしの外注はしない」というのが基本方針だ。

それは、文字起こしの時点から執筆が始まっていると考えているからで、そこを外注化することにより、執筆に支障が出ると感じているからだが、もちろんこれは個人の主観だ。
最近はAIを使ったインタビュー起こしのアプリも開発されていて、起こしの時間と手間をなるべく省きたい方は、こうしたサービスを積極的に利用されていることだろう。

一方、わたしがようやく前時代的なやり方から脱した、新しい文字起こしの方法はというと、
Googleドキュメント(ブラウザはChrome)→「ツール」→「音声入力」→マイクのアイコンの「クリックして話す」をクリック→文字化したい文章をなるべく滑舌良く、適度に区切りながら、声に出して話す……以上!

インタビューが収録されたレコーダーを左手に持ち、そのレコーダーで音声ファイルを倍速で再生&停止を繰り返しながらイヤホンで聞き、右手でマウスを動かして、自分の声でPCに話しかけている。
PCで音声ファイルを再生して、それが自動的に文字化されればさらにラクだろうと試してみたけれど、これはうまく認識してくれない。
でも、インタビュー起こしに自分の相鎚とか、あきらかな雑談は必要ないから、レコーダーで倍速再生しながらそうした余計な部分はカットし、起こしたい文章だけを声に出して記録する。

最新技術に詳しい方にしてみれば、「オイオイ、まだそんなやり方かい」と突っ込まれるのかもしれないけれど、いやもう、これで十分感動しているのだ。

これまではずっとタイピングで起こしていて、インタビュー時間の4倍はかかっていたのが、2倍で終わるようになったのである。つまり、1時間半のインタビューの文字起こしが、3時間で終わるようになった。

最近はZoomでの取材も多いから、午前中にインタビュー、午後にインタビュー起こし、早く終わった勢いでそのまま原稿の下書きに着手し、夕食をはさんで夜8時には書き終えてしまう、なんてパーフェクトどころかミラクルと呼びたい日まであった。
前だったら、1時間半のインタビューを終えて家に帰ってきたら、それを起こすのに6時間はかかるから、もう翌日の作業に回すのは確定で、翌日は6時間もインタビュー起こし作業をしたら、もうヘットヘト。しかも6時間ぶっ通しで集中できるはずもなく、実際はもっと時間がかかった。すると当然、原稿書きに取りかかるのはさらに翌日へ……ということは、インタビュー&文字起こし&執筆(下書き)に、3日はかかっていたわけだ。それが1日で終わるようになった。これを革命と言わずして何と言おう!

時間の余裕はすべてを好転させる


そういえば、最近わたしは、基本的に機嫌がいい。
そう心がけているせいもあるのだけれど、心がけ一つで機嫌よくいられるなら、これまでだってできたはずだ。以前とは違うことで、自分が機嫌よくいられることにつながっているのは何だろうと考えたら、それはきっと「時間の余裕」と「睡眠の質の向上」ではないかと思っている。

時間の余裕というのは、たいてい、「これまでやっていた何かを省く」ことで生まれる。
先ほど挙げたインタビュー起こしのように作業を効率化することによって仕事の時間を短縮できるのもそうだし、わが家の場合、わたしも夫も晩酌の習慣を見直したことの影響力も大きい。

昔は、「朝から集中して夕方まで仕事して、夜は晩酌、その後はもう仕事しない」と決めていたのだが、今は夕食があっさり終わって、ていねいに台所を片付けてもまだ夜7時。頭もしゃっきりしているし、もうひと仕事するかなーと、そこから2時間ほど机に向かう日もある。夫も同じで、そうすると夕食後のリビングは誰もいない状態となり、娘もスムーズに宿題に取りかかる。騒がしいテレビの音も聞こえず、おだやかに夜の時間が過ぎていく。

睡眠の質も向上


そんな日も、9時半までには仕事を切り上げ、お風呂に入り、10時半までにはベッドにすべり込む(夜のテレビは基本的に見ず、見たいドラマなどは録画する)。
そのタイミングで、スマホの電源を切る、というのを数ヶ月前から実践している。

本当はスマホ自体を寝室に置かないほうがいいらしいけれど、急な地震などを考えるとそれも怖いし、朝目覚めてからベッドを抜け出すまでにインスタを見ながら得ている情報も多いから、せめて「就寝前に電源オフ」からやってみることにした。

たったそれだけで、あきらかに睡眠の質が上がったと感じている。
目覚めたとき、体から「うーん、よく寝た!」という声が聞こえてきそうなくらいに。

もともと体質的に、昔から眠りに関しては難ありだった。
寝つきが悪く、眠りも浅い。そのため娘の授乳期は、つくづく参った。わたしの「寝るのが下手」な体質を娘も受け継いでしまったらしく、2時間置きに授乳というリズムが1年以上続いた。そうするとわたしの免疫力は目に見えて低下し、しょっちゅう風邪を引いたり体調を崩したりで、当時は元気な状態でいることが滅多になかった。そう考えると、今はまるで生まれ変わったみたいだなと思う。

今回も、書き出しからは思いがけない方向へと転がってしまったけれど、まぁそんなわけで、これまでのやり方をちょっとだけ変えてみたことによって、QOL(クオリティオブライフ)がずいぶんと上がりました、という話でした。

ちなみに、来月下旬発売予定、もうすぐ校了となる新刊も、そうした日々の習慣の「見直し」がテーマです。これについては、もう少し情報が具体的になったら、こちらでもお知らせさせていただきます!

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