いまの

今の僕をつくったもの

人には必ずどこか人生を変える分岐点がある。

その分岐点は心に、体に染み込んでいき、
自分の一部になっている。

僕の心臓部は漫画『ヒカルの碁』でできている。

2001年春頃。
何も趣味のなかった僕は
いつの間にか、『ヒカルの碁』が好きになり、囲碁部に入っていた。

何故知ったのか、の記憶はない。

ただ、アニメ前に14巻まで買い、いざアニメが始まったぞーってなった後に
発売した15巻で佐為が消えた時のショックは今でも忘れられない。

アニメを観てハマって。
他のアニメにも興味を持って。
主題歌から音楽にも興味を持って。
そこから詩、小説、脚本に興味を持って。
囲碁に興味を持って。
声優にも興味を持って。
エンディングを観月ありさが歌ったことにより
ドラマにも興味を持って。
と、興味が一気に広がり、趣味が増えた

それまで何もなかった僕の、全てが始まったのだ。

1つのものが爆発して、そこから大きくなっていく
今も昔も、改めて思うと変わらないんだな、と思った。

内容ももちろん好きだけども、紹介しようとすると内容よりも
『自分をつくったもの』という説明になってしまうのは、
仕方がないのかもしれない。

2019年7月28日。
現在開催中の「小畑健展 NEVER COMPLETE」に行ってきた。

初めて観る『ヒカルの碁』の生原稿、
特に佐為が消える時、佐為を見つけた時の原稿を観た時は、
泣いてしまうほどだった。

今の描き方も、『ヒカルの碁』以前の描き方ももちろん好きだけど、
思い出補正というと聞こえは悪いかもしれないが、
やはり『ヒカルの碁』の時の描き方が一番好きだと思った。
それほどまでに、『ヒカルの碁』という存在は大きいのだな、
と改めて思った日だった。

『ヒカルの碁』に圧倒されすぎて、
他の部分をしっかりと観きれなかった部分もあった。
だから、もう一度行く。前売り券はまだ1枚余っている。

話は少し変わるが。

2011年6月9日。
進藤ヒカルを演じた声優・川上とも子が病気で亡くなった。
初めて有名人の死に涙をした。

彼女の出演作に京都アニメーション制作の『AIR』という作品がある。
川上とも子が演じたのは主役・神尾観鈴。
彼女も、劇中に亡くなるのだ、それが、今の夏の時期なのだ。

どうしても毎年、6月9日と、この時期に観直してしまうのである。
それは、悲しいのもあるが、自分の中で川上とも子が
まだ生きているということを再実感をしたいのかもしれない。

ただ、どうしてもこのシーン(特に最後)だと
悲しいまま終わってしまうことがある。
なので、いつも観終わった後に
『ヒカルの碁』のキャラクターソングを聴いている。

川上とも子が歌っている「空」を聴いた後は、
スッキリとしたキレイな空を見上げている気になる。

『ヒカルの碁』は、僕にこうして様々な新しい好きを教えてくれた
僕の人生に血が通っているのは、『ヒカルの碁』のおかげだ。

僕はずっと、『ヒカルの碁』と一緒に生きていく

#ヒカルの碁 #小畑健 #ほったゆみ #川上とも子