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火星開発を加速させるためにできること-人類の年間宇宙輸送可能量編

どうも地球人です。

2046年7月31日に火星に10万人の国をつくるまでに時間がありません。あと8277日でその日になってしまいます。

以前火星に10万人の国をつくるのに注力すべきことは宇宙船、生命維持システム、建設だという話をしました。

火星で開発を進めていくために必要なことはまず現地に労働力を集約させることだと考えています。火星上で遠隔操作できる機械を集める人を大量に送るかが方法としては有力です。

いずれにしても重力の深い井戸の底に住んでいる私たちが地上100km以上上空の宇宙空間に物を運ぶためには1kgで1億円以上の輸送コストがかかります。

そのため、そもそもロケットの打ち上げられる本数と地球から運び出せる物資の総量には限りがあります。

1年間にどれくらいの総量の物質を宇宙空間に送ることができるのか。

ロケットの年間打ち上げ本数は2022年で186本でその内180本が打ち上げに成功しています。その内の94本が民間のロケットでさらに61本をSpaceXが軌道まで送り届けました。

2023年は現時点で187本のロケットを打ち上げています。[1]

世界のロケット打ち上げ本数 by statista[2]
SpaceXのロケット打ち上げ本数[3]

次にロケット1本あたりどれくらいの積載能力があるでしょうか。
下記がロケット1本あたりの積載量一覧です。

Falcon Heavy (SpaceX, United States)
Low Earth Orbit (LEO): 63,800 kg
Geostationary Transfer Orbit (GTO): 26,700 kg
Trans-Mars Injection (TMI): 16,800 kg

Delta IV Heavy (United Launch Alliance, United States)
LEO: 28,370 kg
GTO: 14,210 kg
Polar Orbit: 23,560 kg

Long March 5 (China Aerospace Science and Technology Corporation, China)
LEO: 25,000 kg
GTO: 14,000 kg
Sun-Synchronous Orbit (SSO): 15,000 kg

Angara A5 (Khrunichev, Russia)
LEO: 24,500 kg

Atlas V 551 (United Launch Alliance, United States)
LEO: 18,850 kg
GTO: 8,900 kg
SSO: 13,550 kg

Falcon 9 Block 5 (SpaceX, United States)
LEO: 22,800 kg
GTO: 8,300 kg
TMI: 4,020 kg

Comparison of orbital launch systems[4]

LEO、GTO、TMIという単語が出ていますが、これらは高度のそれぞれ違う軌道の名称です。どの軌道まで運ぶかで積載可能な量が変わります。

これらはざっくりと説明するとLEOが高度約2000km以下の低軌道。GTOは高度約36,000kmさらにTMIは地球から火星までの軌道です。
LEO,GTO,TMIのより詳しい説明はこちらの記事が詳しいです。

仮にSpaceXの中でも打ち上げ本数が多いFalcon9で年間180本の打ち上げに成功するとすれば、火星までで723,600kgの積載能力が現時点の人類には年間であります。723.6トンはシロナガスクジラ3.5頭分です。

出典

[1]Orbital launches in 2023 2023/12/1時点リンク有効

[2]SpaceX Doubles Number of Rocket Launches 2023/12/1時点リンク有効

[3]Number of carrier rockets launched by SpaceX from 2006 to 2022, by type 2023/12/1時点リンク有効

[4]Comparison of orbital launch systems 2023/12/1時点リンク有効

メモ

NASAの予算割合


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