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ブランドコミュニケーションの新潮流:サステナビリティを核にした差別化戦略

近年、ブランドコミュニケーションにおいて、以下の2点が重要視されています。

  1. サスティナビリティ:機能性だけでなく、社会や環境に対する意味性

  2. インパクトの設定:課題解決だけでなく、問題提起

前者はコミュニケーションの前提条件として、ブランドの毀損を避けるために必要な一方、後者はブランドの差別化につながる独自性が生まれます。

特にグローバル市場(欧州など)では、社会への配慮が不足しているブランドは、若者だけでなく社会全体から選ばれなくなっています。

つまり、SDGsやサステナビリティへの取り組み、ダイバーシティや多様性への配慮は「前提」となっており、これらに取り組むこと自体がブランドの独自性を示すことは難しいということです。


機能的価値とコンテンツ的価値の違いが根底にあり、サステナビリティは意識しなければ機能的価値に偏りがちなため、SDGsのような高尚なメッセージは、意識の高い人や余裕のある人以外には、ともすれば響きにくいものです。

「良いものは良い」という価値観から、「人を動かすこと」に価値を見出すメッセージへの転換が求められています。そのためには、自社独自の問題提起を通じて、社会性を伴う差別化を図ることが重要です。
ただし、国内市場では欧州などと状況が異なるため、アプローチ方法には慎重な検討が必要です。

国内においては、「メッセージの受け手(あなた)VS 提起された問題」という構図では、社会問題のように規模が大きいと、解決できるとは感じにくい(行動に移しにくい)状況になりがちです。
そこで、特定の目的を持たずに、小さくて取り組みやすいアクションを提案する問題提起型コミュニケーションが望ましいかもしれません。

まずは行動を促し、その後でその行動がどのような意味や目的につながるのかを知ってもらうことで、動機付けになります。

伝えたいメッセージの意図を後から理解してもらうことで、受け手にとって自分事として捉えやすくなり、ファンや支持者を増やしやすくなります。

逆に、間違った行動を大げさに示すことで、模範的な行動を促すアプローチもあります。
別の切り口では、言葉を使わないメッセージも良いでしょう。言語の壁がなくなるため、国境を越えやすいです。説明が必要なメッセージは伝わりにくいため、極論を言えば、近所のおじいちゃんおばあちゃんにも理解できるようなものをイメージすると分かりやすいです。

ぜひ、今後のブランド発信には、独自性を伴った問題提起を意識してみてください。
その根底には、揺るぎないパーパスが大切ですので、その見直しから入るのも良いでしょう(パーパスについては、別の機会で触れたいと思います)

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