見出し画像

28歳、カナダの歯医者で号泣した話

(前回のおさらい)
突然始まったインビザライン。
なるべく早く抜歯をするように言われた私は、その1週間後に抜歯の予約をしたのであった。

ここでポイント。
私が通っているのはorthodontic(矯正歯科)なので、抜歯は行っていませんでした。そのためGeneral Dentist(歯医者)で抜歯の予約を取りました。


…海外で抜歯、、めちゃくちゃ怖くないですか?
ただでさえ歯なんて抜きたくないのに、それも異国の土地カナダで抜くことになってしまうとは。

少しでも安心して抜歯をしてもらうべく、彼の知り合いの歯医者さんにお願いすることになりました。

Smilebrite Family Dental
https://smilebrite.ca/

お世話になった歯医者さん

3本同時に抜くか、1本と2本で分けて抜くか選べたのですが、どうせ辛い思いをするなら…と、3本同時に抜歯してもらうことにしました。(今思えばこの選択が間違っていた、、)


抜歯当日。

びびりまくっていた私は彼に「なんかあったら呼ぶから待合室で待ってて!どこも行かないでね!」と念を押しておきました。

カナダでは抜歯の際に全身麻酔で行う、という噂を聞いていたのですが、私の場合は局部麻酔で3本抜くことに。

まずは左上と左下に麻酔。
カナダの歯医者は麻酔が日本よりも強いのか、鼻から舌まで麻酔が効いてしまって感覚がなくなりました。

実は先月、日本で親知らずを抜歯したのですが、その際の抜き方が壮絶で(笑)
機械で歯と骨を削ったり、ミシミシっと音が聞こえてきて、恐怖で手汗がすごいことになってました。

抜歯ってそういうものなのだと思って今回も挑んでいたのですが、先生が優しいのか親知らずじゃないからなのか、全く押されたり引っ張ったりしている感じがない。

これなら大丈夫かも、と思いながら耐えていると「上の1本抜けたよ!」と。
え、こんな簡単に歯って抜けるんだ!あと2本もいけるいける~と思っていたのも束の間、下の歯がなかなか手ごわい、、。

しかも下の歯を抜いている最中に、他の先生に呼ばれて先生がどっかに行ってしまった!!

横になったまま放置された私はなんだか不安になってきました。
鼻と舌の感覚がない感じって分かりますかね、、常に口の中に水分がないみたいな感覚で気持ち悪いんです。
不安も相まったのか今度は気分が悪くなってきました。

しばらくすると先生が帰ってきて、治療再開。
下の歯の方が抜きづらいようで少し時間はかかったのですが、なんとか抜けた!!

ここで一度トイレ休憩。
右下にも麻酔を打ったことにより顔の下半分の感覚がほぼなくなりました。

トイレに行くまでに待合室を通るのですが、約束通り彼が待ってくれているのが見える。
治療室に戻るときに「2本抜いたよ!」と報告するつもりだったのですが、言葉の代わりに出てきたのは涙(´;ω;`)

緊張が解けたのかなんなのか自分でも分からないのですが、謎の号泣(笑)

突然泣き出した私を見て、相当しんどいと思ったのか(麻酔で何もしゃべれない私w)治療室まで彼が一緒に来てくれることに。(5歳の子供かよって感じで非常に恥ずかしかった~)

泣きながら彼と一緒に戻ってきた私を見て「オーディエンスが増えたなぁ、hahaha」と笑いながら受け入れてくれた先生、、優しくて助かった(;_:)

そしてそのまま嫌々ながら3本目の抜歯に。

ベッドの上にはテレビが置いてあって治療中見れるようになっているのですが、その日はイギリスのエリザベス女王が亡くなられた日でした。
テレビではそのニュースが流れており、先生と助手の方、私の彼の3人でニュースを見ながらあーだこーだ話している。

私ひとりだけそれどころではなかったのですが、なんとか気を紛らわせようと3人の会話に集中してみる。
それでもやっぱりこの気持ち悪さは忘れられない…気分が悪い時に口の中に色々突っ込まれるのは本当に地獄そのもの、、

どうやら右下の歯もなかなか苦戦しているよう。
耐えかねた私はもう一度休憩したいと懇願しました。

気を紛らわせたくて椅子から立とうとしてみる。
「椅子から離れないで!!」10回くらい先生に言われました。
「みんなそうやって逃げようとするから!椅子から離れると戻ってこれなくなるんだよ」とのこと。

確かにそうだ、今この部屋から出たらそのまま逃げ出す自信がある。
だけど”みんな同じ心理になるんだ”と思ったら、抜歯ごときで泣いていた自分が恥ずかしくて消えたかったのですが、少し勇気が湧きました。

もうここまで来たらやるしかない、ということで気持ち悪さをこらえ治療再開。
ここからは本当に心を無にして口を開けてました。
しばらくすると
ぬ、抜けた~!!

ガーゼを嚙みながら放心状態。
抜歯後の注意事項を伝えられるけど、すべて右から左へ受け流す。

とにかく全部終わった安心感がすごかった。。

ふらふらと受付に戻りお会計へ。
抜歯の費用は3本で495ドルでした。

家に戻る途中の車内。
ふと自分の顔を鏡で見てみると、気付かない間によだれ交じりの血が一筋口から出てた。
バンパイアかよ、と思いながら麻酔のすごさを改めて知ったのでした。

これから毎年エリザベス女王の命日が来るたびに、私はこの日の出来事を思い出すんだろうなぁ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?