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岐路

 今夜は大河ドラマ「光る君へ」がありました!早速リアタイで観て、録画で好きな場面を繰りかえし観ています。

 ざざっとふたりのこれまでを振り返ってみます。
 
 まひろ(紫式部)と三郎(藤原道長)は幼いころ出会いました。まひろは読み書きができる賢い子で、三郎はどちらかというとボーっとした優しい少年でした。何度かことばを交わすうちにふたりは打ちとけあい、もう一度会う約束をします。しかし、約束の日、まひろは早く三郎に会いたいが為に、駆け足で道に飛び出してしまい、馬に乗った藤原道兼とぶつかりそうになったのです。激怒した道兼は、側にいたまひろの母を斬り殺してしまいました。絶望にくれるまひろ。ふたりの約束は叶わないまま、時は流れていきました。
 
 年頃になったまひろは三郎と偶然再会します。三郎と呼んでいた人は実は藤原道長で、余りにも自分と身分が違うことを思い知ります。そして、母を殺した犯人、藤原道兼は道長の兄だということも。
 やはりまひろのことが気になる道長は、ふたりの共通の知人、直秀(町で風刺劇をする散楽衆のひとり)を間にして、まひろと繋がっていきます。しかし、直秀は貴族の財を襲い、貧しい人々に分け与える盗人をもう一つの生業としていました。道長は直秀を捕まえ、遠い国へ流すように役人に命令したにも関わらず、山に連れて行かれたことを知ります。
 嫌な予感がした道長はまひろと山に向かいます。そこには綱に繋がれたまま、倒れて冷たくなった直秀達が。ふたりは直秀とその仲間たちを弔うように、一晩かかって土に穴を掘り埋葬します。民が虫けらのように扱われる現実に愕然とし、この国を良き国に変えたいと誓うふたりには、このとき特別な絆が生まれました。

 まひろと道長が結ばれるのは自然の流れでした。会うと駆けだして道長に飛びつくまひろ。お互い求め合い、愛しい夜を過ごしますが、身分の違いがまひろを苦しめ始めます。最初は駆け落ちしてふたりで誰も知らない国で暮らそうと道長は言うのですが、まひろは断ります。この国を良き国にするのが道長の役目なのだと。では、正妻にはできないが、妾になってずっと側にいてほしいと道長はまひろに言います。しかし、愛するがゆえに待つ苦しみが耐えられないまひろは、それすら首を縦にふらないのてす。こうしてすれ違い、別れてしまったふたり。道長はまひろのサロン仲間を正妻にもらい、それぞれの道を歩いて行きます。

 しかし、運命はふたりを離してはくれませんでした。飛田院で疫病で苦しむ人を看病していたまひろ。しかし、まひろ自身も感染してしまいます。まひろが倒れる瞬間を抱きとめたのが道長でした。飛田院を視察に来ていたのです。まひろを家に送り届け一晩中看病し、まひろに、「久しいのぉ。おのれの生きる道は見つかったのか」と語りかける道長。自分はまひろとの約束を何ひとつ果たしていない。その歯がゆさ、悔しさゆえ、まひろの手を握りしめることさえできず、まひろが目を覚めす前に道長は立ち去っていくのです。

 しかし、その数年後、道長の運命は転がり始めます。権力を思いのままにしていた兄、藤原道隆が亡くなり、その後関白になった道兼が七日で亡くなり、甥の藤原伊周を飛び越して右大臣となったのです。実質、公卿の最高権力者です。政を思うままに動かせる力を持った道長は、この国を民が暮らしやすい良き国にしよう、そう胸に誓いました。
 
 まひろは、かつて道長と愛し合った場所に佇んでいました。月を眺めながら過ぎし日々を懐かしく思い出しています。道長はどんな国を作るのだろう、裾野でそっと見ています。きっとそんな想いだったのでしょう。しかし、思いもよらず、そこに道長がやってきたではありませんか。視線が絡んだ途端、愛しあっていた日々が、走馬灯のように全身を駆けめぐります。しかし。
「…昔のおのれに会いにきたのね。でも…今語ることばはなにもない」心でそうつぶやいて、まひろは道長の側を通り過ぎて行きます。そう、まひろは何ひとつ、おのれの生きる道を見つけてはいないのです。道長が昔のおのれの夢の続きをまひろに語りたいと思っていても、まひろには答えるすべがない。かつて何もかも語り合えたふたりは、ここにはもういないのです。




 吉高由里子さんと柄本佑さんのコンビが素敵すぎて、過去のドラマを見はじみました。
「知らなくていいコト」
 このドラマで柄本佑さんが色気があるとか、セクシーだとか言われだした記憶があります。三話まで見だけど、やっぱり面白い!こうやって芋づる式に楽しみが増えるのが嬉しい今日このごろです。


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