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ワルプルギス前夜(イブ)②

今回は後半が有料になります。
後半だけで6000字。
無料部分だけでも面白いので読んでね!!

後半の特典は12月から浅草で始まる
ジャンボ色紙展に僕の知り合いの作家さん達が参加するので
お耳寄りの情報と

レジェンド級作家の色紙をちょい先にお見せします。

抱き合わせ販売?汚い?
違います。

有料部分だけで6000字を超えます。
後半がエグいくらい面白いので必見です。



この作品はフィクション(創作)です。
でも私の事じゃない?とか
文句言ったりする人が
世の中にはいるそうです。
その場合、
無理に読まなくていいんですよ?

言論の自由、
表現の自由は創作のためにあります。

例えばですが
僕は一年前ある漫画のお仕事で
トー横キッズを救うみたいなアホプロットを
押し付けられていました。

僕はトー横キッズが家庭環境以前に
手のつけられない不良だと思っていたし、
薬の売買や、売春、
強盗をする人達だと思っていたので
彼らを可哀想な現代社会の弱者として書けと言うような
おかしなネームを押し付けられた時
お断りしました。
自由があるからお断りも自由。

一年たって結果どうだったでしょう?
トー横は「対テロ法」を使ってホストを摘発するような地帯であり

つまり組織犯罪の温床であると国も認めたわけです。


日本で今最も
梅毒感染リスクのある場所になり。
日夜、オーバードーズと
強盗まがいが頻発する。
単なる犯罪エリアです。


僕は事実を取材したような寓話が好きです。他の人はともかく僕は。

つまり
このワルプルギス前夜(イブ)も何かの寓話ではあります。


面白いと言うのは
「内輪」の話なのだと
マジカルラブリーの
野田さんが言ってました。
僕も同意見です。

この作品は
オカルトファンタジーフィクションです。

そしてYahoo!ニュースにもワルプルギスの夜の記事が!!


序章は終わりました物語は動き出します。


「この世は全て嘘」


編集者アンドーが買わされたという
開運ブレスレットの店は
杉並区の西荻にあるという。

「なんか面白そうなセミナーだったんすよ、最初は大手町であったんです。
入場料は500円で安いし
隠された真実!僕達が知らない日本!みたいな。」


アンドーは仁絵の真っ赤なポルシェ911に乗り
神保町から目白通り、環状7号線へと入る


真っ赤なポルシェは、山口百恵の影響か?

「仁絵さんに誘われたから開運効果あったすよ!!だからこれ本物です!!!」
バラバラになったブレスレットの玉を
ビニールに入れてる。


哀れなものを見る目つきでアクセルを踏む仁絵

「だから買った店で直してもらうのよ…」

「なんで?仁絵さんはそのセミナーと開運アクセサリーに興味が?」

「もしアンドーさんが行ったセミナーの文武王の話が正しければその本が欲しいの。
その『記述がある本』がないのよ。日本には。」


「え?本?がない?」

「文武王が、白村江の戦いの後

日本で『文武天皇に即位した』と言っていたのね?その

龍が見える柳原さんとやらは?」


「ええはい……文武王が亡くなった2年後、文武天皇が即位していると」

引用 かぐや姫 のこの方が文武天皇モデル

「それを聞いて貴方はどう思ったの?」

「そうなんだーって……
『当時の日本政府が隠蔽した
歴史だって』て
その事実を隠したいから
その歴史は抹消されたって
超能力者の柳原さんが
教科書なんて……
歴史の授業なんて嘘ばっかて。
この世は全部嘘。
私が真実教えるて」


「日本の
嘘の歴史を暴く漫画!!
あったらおもしれーて!」


仁絵は舌をぺろっとだし唇を舐めた。

新羅王が
日本の天皇ね。

その話しを聞いて
「そうなんだー」て感想で終わってしまう子が編集者さんか……

仁絵は歴史のどちらが正しいかに興味はない、

嘘が吐けた時代は歴史はいくらでも改竄できただろう。

馬戸屋の王子の話は
キリストの誕生の話に似ている

ブッダを守るナーガは
八岐大蛇に似ている

地獄の閻魔がいるだのとは

ブッダは言ってない


インドの民間伝承が死後
インド仏教と混ざってしまったのだ。

日本の宗教の総じてのキメラ感は
口伝が極東の地で混ざり合ったのだと
誰もが今は分かっている。

この国は、

八百万の神の国、
神社も仏教も仲良し神仏習合、和の国。
とても良い事。宗教共生の世界を先取っている。

でも時に都合よく悪党達に
利用されてしまう

ツナのように同じように意味も一緒くたにされては。

こんな有名な
詐欺師の手口がある。

釈迦の説法で
貧しい人から托鉢をしなさい
今貧しい人は
前世で功徳を積んでいないから貧乏なのであり
貧乏人こそが心に余裕を持ち率先して、お布施するのが是という教え。

ある一方で筋が通っている説法でもあり
使い方一つで
教養のない貧乏人からいくらでも金を吸い取ることができる。

そもそも金持ちは
霊能者や占い師にすがることが少ないからだ。


まずは金で解決し、その後人脈を使う
その人脈がまともでない場合
怪しい連中が集まってくるという寸法だ。


釈迦の説法も詐欺師の弁に変わることも容易に想像できる


世界で最も読まれている書物の聖書は

旧約聖書の乙女(アルマー)が誤訳されて

新約聖書で処女(パルテノス)に。


そして処女生誕という明らかにおかしいファンタジーが想像された。
ユダヤ教の人がキリスト教を嫌っているのはこういった誤訳があるからだ。

「平和ではなく、剣(gladium)を投げ込むためにきたのである。」という有名な聖句は
ローマキリスト教の旗印の
戦争を何百年も正当化させてきた。

しかし
ケルズの書では、


ケルズの書 8世紀の手書きの聖書 アイルランドの国宝

"gladium"(つるぎ)ではなく"gaudium"(よろこび)と書かれている。


もしこちらが正しければ聖書の方がスペルの間違いになり
「平和だけではなく、よろこびを投げ込むためにきたのである。」という事になる


文脈はこちらの方が通じる。

誤訳を繰り返され
聖書は意味をなさない難解な本となった可能性が高い。



誤訳のない

完全な叡智とのアクセス

それが私の望み。

ラテン語で書かれた呪文を英語で言ってもスペル(呪文)効果はない。

龍眼の柳原さんが
日本に存在しない
『その本』を持っていたら…
その本が本物なら手掛かりを掴めるかもしれない


私が探している『アレ』の……



杉並区 西荻に着いた。駐車場は少ない。
赤いポルシェのコインパーキングは目立つ。

荻窪の窪地は一説には「隕石が落ちて」できた窪地という説がある。
東京ではオカルトの聖地の一つとも言われ

沢山のカルト教団がその活動地点にしてきた。
富士周辺に新興宗教団体が多いのと同じで
あやかられているのだ。


中華屋さんなのにカツ丼がめちゃくちゃ美味しくて有名だった坂本屋の
すぐ近くにそのアクセサリーショップはあった。


坂本屋のカツ丼惜しまれつつ閉店

店には沢山のぬいぐるみや
呪(まじな)いの商品が並ぶ。
アロマ、石、香が焚かれている

アンドー
「すみません……先日ここで買ったブレスレットが…こんなになっちゃって」

女店主
「え〜?丈夫な作りだったのに……直すのに一週間はかかるわよ?」

アンドー
「時間はいいけど……おいくらでしょうかね……」

女店主
「これ……一つ一つの石の順番に意味があったはずでしょ?

それでその後
柳原さんにまた神通力込めてもらわないといけないから…同額になっちゃうわよ?新しいの買ったら?ほら……
あるから」


アンドー
「ど……同額かー……」

編集者、花形職業とはいえ
新入社員のお給料では「54500円」を連続購入は厳しい。

女店主
「人形だったら…1万円で譲るけど…
人形の中にクリスタルが入っていて
あなたの不運とかを
受け取ってくれるわよ。」

アンドー
「柳原さんも言ってましたね。人形(ヒトガタ)の憑代(よりしろ)を持つといいって」

仁絵がアンドーを凝視する
すっかりその柳原っていうやつが言うこと鵜呑みにしてるんじゃ?この子?

ちょっとと言いかけた時

女店主が仁絵に声をかけた

「貴女?同業者?」


メガネを直し服の匂いをかぐ仁絵

「私も古物は扱っていますけど、本です。香の匂いとカビの匂いって似てますよね?」仁絵が言うと

女店主
「違う違う私はヒーラーなの、ヒーラーで占い師。で」

「プレアデス人」


仁絵
「……」
スターシードだと
自分をアピールしているのね、…
カモ探しか…どうする?

「私はリラ(ライラ)人、ヒール能力は少しだけ、呪いも少しだけ」

仁絵は率先的に乗っかっていった。


女店主「やっぱり!!!そうだと思った!!ねえねえ
明日、柳原さんが荻窪で講演やるんだけど行ってこない?覚醒するわよー!!会費はたった500円!!大丈夫大丈夫安心して!私たちみたいな仲間がいっぱい来てる!」

チラシを渡される

龍が見えるという(設定)
超能力者が宇宙人と交信する
隠された日本の真実を教えます。


かなり盛りすぎな設定のチラシ

龍(東洋の創造物)
超能力者(サイキック)
宇宙人と交信(チャネリング)
日本の真実(陰謀アノンQ系)

これで反ワクチンとかQフォンとかあったら幕の内弁当ね……

「行ってみます……やった…ラッキー、わー」


棒読みに近い返事をした。

アンドー
「めっちゃ開運してるじゃないすか!!!
もう開運しまくりすよ!!こんな事ってあります?
たまたまブレスレット直しに来たらすぐ
柳原さんの講演教えてもらえて

仁絵さんリラ人だったんすね!!
日本人じゃないなとは思っていたんですよ。
リラってアレすかね?ヨーロッパとか中東の間とかにあるんすかね?お金の名前だっけ?」


どこから教えてあげなければいけないのかしら?と思いながら
パーキングに戻る。

スターシードとは
他惑星から意識体だけが
地球に転送されて来た者達の事である。

仁絵は別にそれは否定も肯定もしていない
証明のしようがない物は
思想の自由と言う他ない。

同じように自分にも証明しようが無い能力があるからだ。


翌日、会場タウンセブンという昔の商店街の集合体がビルとなっているのが
荻窪の名物ビル。
屋上には公園もある。
晴れた日は秩父と富士山が望める。

同じ階にあるレンタルスペース会場入り口に
「龍眼 柳原!宇宙の法則を語る」
と手書きで貼ってある。

入場料の五百円を払うと
ほとんどは主婦で埋め尽くされているが
子連れもいる
約七十人はいるだろうか?

レンタルスペース代はギリギリそれでペイできるだろう。

何かを販売しているはずだと仁絵は周りを見渡した。

例のブレスレット。
以外見当たらない…細い商売ね。
絶対有り得ない。
太い商売をどこかで仕掛けているはず。
霊感商法にならないように巧みに隠している。

照明を消されプロジェクターに赤い龍と少し安っぽい
フリー音楽のような幻想的な音楽がかかり

埃のようなものが
幻想的な音楽と共に写しだされた。
オーブだオーブだと観客が言っている。

埃だと思う。

そして……

オーブと観客が言ってる写真

柳原が現れた。

白髪の大木凡人のような大男が
紅白の着物を着て

ステージ中央に立ち

両手を👍
「やなぎ〜ですっ」


龍眼柳原大次郎!!見参!!

もう詐欺師じゃん!こいつ!100%!

盲目の観客は、拍手喝采。

観客は西荻のアクセサリーショップに置いてあった
奇妙な人形をみんな持って声援を送っている。


龍眼柳原のイメージは

…マツケンサンバmeets純烈のようだ。と仁絵は思った。


いよいよ講演だ。
何を話すか仁絵は楽しみにしていた。

……2時間後、休憩時間中


仁絵はタウンセブンの
2つ階下のトイレに行って吐いた。

便器に、昼食べたものを全部はいた。

「禍々しい!!!!!」


仁絵はトイレで叫んだ。

柳原の講演料は格安の五百円


セミナーの模様は有料になるのは当然のことである。

龍眼様の言葉を聞け!


この先お買い得価格200円で読めます。

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