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〜篠山紀信さんからの、まさかの質問返し! リハなし一発勝負!〜

『見所?
 そんなことは観る人が決めるんですよ。
 で、
 君は篠山紀信展の見所はどこだと思うの?』

な、な、なんと!
話を聞いた私に
篠山紀信さんからの質問返し!!

2014年。
“篠山紀信展 写真力”。

その記者発表と
展示会のオープニングの司会をさせて頂いた。

写真展のイベントプロデューサーからは
『オープニングにトーク20分するから。
 見所とか、聞いてね。
 せっかくご本人がいらっしゃるんだから。』
と軽〜く指示されていた。

オープニングの5分前。
現場に行って、篠山さんにご挨拶する。

「宜しくお願いします。
 お客様もいらっしゃるので、
 20分くらいトークさせて頂くんですが、
 見所とか、うかがっても宜しいですか?」

そこで、
前述の篠山紀信さんの言葉である。

『で、君は篠山紀信展の見所はどこだと思うの?』

えーえーえーっ!
天下の篠山紀信さんご本人に
その作品の感想を突然、聞かれるなんてーーー!!

とは言え、写真の数々を拝見して
感動冷めやらなかった私は…

「え?あ。私ですか?
 えーっと…
 その瞬間の感情と言うか…
 心の有り様を切り取ることで
 その時代までを写しているところが
 私は凄いと感じました。」
『それで、いいじゃない。』
「いえいえいえいえ、
 お客様は私の感想などに興味はないんです。
 篠山さんのお言葉を頂けたら…」
『任せるよ。好きに聞いて。』

えーえーえーっ!
好きに聞いたとて。
見所を聞いても答えて貰えないことは
事前のお話で分かってしまった。

どうしたら良いのー(;ω;)

などと考える時間もなく、
オープニングのトークはすぐに始まってしまう。

『篠山紀信さんです!!
 素晴らしい写真展を有難うございます。
 時代を切り取る作品の数々ですが、 
 シャッターを切る時は、どのような想いで…』

篠山紀信さんご自身に
フォーカスするような質問をさせて頂き
なんとか、その想いを聞くことが出来た。

アナウンサーの仕事は
自分が話すことではなく
相手から話を引き出し、
それをお客様や視聴者に伝えること。

とてもシンプルなようで、
なかなか難しい。

打ち合わせの時間も限られ、
リハーサルも出来ず一発勝負。

とは言え、
臨機応変な質問で
トークコーナーも盛り上がり、
篠山紀信さんも笑顔に。

その後、
次の予定までの短い時間、
篠山紀信さんと一緒に作品を拝見して
お話を聞くことが出来た。

いやいやいやいや、
トークの前にお聞きしたかったな…
とは思いつつ、
アナウンサー人生でも貴重な体験をさせて頂いた。



篠山紀信さんのご冥福を
心からお祈りします。








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