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生まれて初めての茶事、夜咄で起こったこと。感謝の気持ち。

『生まれて初めて』の経験。
それは大概、心に鮮烈に残るものです。

生まれて初めてニュースを読んだ日。
生まれて初めてマンションを購入した日。

そして…
生まれて初めて茶事デビューをした日。

『なおみちゃん、
 お茶事に参席したことないなら、
 一回、来てみる?』

そーんな軽い感じで誘って下さったのは、
私にお茶の楽しさを教えてくれた中田智之さん。

お茶の恩人とも言える彼は、
『和樂』のお茶の特集や
『なごみ』などなどにも取材される、
お茶の世界では数奇者として名の知れた方です。

とは言え、
知り合ったのはお茶とは全く関係のない場所で
もう20年以上も前のこと。

そんな中田さんに、
ご自宅である亀岡の楽々荘での
季節ごとの大寄せのお茶会に呼んで頂き
どんどんお茶の世界へとハマって行きました。

そんな矢先のお茶事へのお誘い。

ハードルの高い世界とは知りつつ…
「まだまだ素人なので、
 そんな私を許して下さる皆さんとなら
 お茶事、是非是非、お願いします。」
『よっしゃ、楽しみにしといてな。』

そして数週間後、
巻き物のようなお手紙が届き、
お招き頂いたのは…『夜咄』の茶事。

燭台の和蝋燭の揺れる灯のなか行われる
情緒たっぷりの素敵なお茶事です。

とは言え、
昼間のオーソドックスなお茶事も知らない私には
なんとなんとハードルの高いこと(@_@)

ま、当時の私は
それすら分からないド素人だったので、
いそいそと
中田さんのお茶室に向かったのであります。

中田さんとしては
幽玄の世界を私に見せたかったのだと思います。

ところが!
待ち合いに着いてびっくり!!

な、な、なんと!

ご一緒させて頂く方が、
お茶メーカーの社長、お花の先生、
そして中田さんの幼馴染でお茶歴の長いお姉さん。
皆さん、ビシっと美しく着物を着こなし
正しい姿勢で座っていらっしゃいます。

初めてのお茶事なのに、
このメンバーは厳しいーーーっ!

海千山千のプロの中に
右も左も分からないド素人の私!!

申し訳ないやら、
恐ろしいやら…

あとから聞くと、
皆さん中田さんの仲良しの方ばかり。
ちゃんとお話をして下さっていたのです。

とは言え、
そんなこととは知らない私。

実際、待ち合いで皆様にご挨拶した時、
『植村さんはお茶はどれくらいですか?』
「ごめんなさい、
 まだ習い始めて2年弱…
 お茶事は初めてなんです。」

ピシっ!!

その会話で
空気が凍った音が聞こえたような…
そんな気がして目の前が真っ暗に…
あ、いやいや夜咄なんで元々暗いんですが。

報道で現場から中継する時ですら感じたことのない
極度の緊張感に包まれた数時間。

冷や汗を大量にかいたこと。
幼馴染のお姉さんが、めちゃくちゃ優しかったこと。
そして、和蝋燭の幽玄な世界で
中田さんが格好良かったこと。

まるで映画のワンシーンのような
『人生、初めて』の思い出です。

その幼馴染のお姉さんとは
おかげさまで今も仲良し。

なかなか鮮烈な茶事デビューだったと思います。

そんな中田さんが主催する『茶狂会』。
久しぶりに、今年、
初釜に出席することが出来ました。

20年前も今も変わらない中田さんの笑顔。
偉い人にも私にも、
ベテランでも素人でも、
誰に対してもフラットに平等に接して下さる、
そのお人柄は健在です。

誰もがお茶室に入る時には
頭を低くして“にじり口”から入る。
お茶室では位の高い低いなど身分の差を忘れて
一服のお茶を楽しむ時間を共有する。
お茶の精神を体現していらっしゃる方です。

今もなお、
お茶のことを沢山、教えて下さり、
素敵なお茶人さんをご紹介して下さる中田さん。
感謝しても仕切れません。

中田さん、いつも本当に有難うございます( ^ω^ )

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