心不全患者に投与された抗不整脈薬による副作用疑いのためトレーシングレポートで報告した症例

毎回、テーマを何にするか悩む・・・
毎週何かしら書いているので、内容はホントに色々あるのだけど・・・
できたら、実臨床での現場あるあるで~どうしたら良いか悩むかなぁってな内容にしようと思っている。つもり・・・です。
今回も、報告すべきと思いつつ、報告先は専門医師だからやはり色々と悩んだわけです。
だけど、毎回必ず思うのは・・・
誰のためのお仕事なのか!患者さんを副作用から守るためなのだから、薬剤師としての視点で考えて、報告しないという選択は無い!
もし、副作用では無かったとしても、その疑いがある以上報告する一択だ!
で~
その時に問題となるのが次回受診までどうするのかの判断だ。副作用の可能性が高いと判断したにも関わらず、次回受診まで被疑薬を服用続けさせるわけにはいかない。じゃぁどうする???・・・
とーーーーっても悩むところ。そのあたりも明確にして、患者さんに予め伝えておかなければならない。患者さんが勝手に減薬や中止ではなく、薬剤師としての私の責任において判断したって事。患者さんを不安がらせない事が重要。
患者さんは、医師が処方した薬を勝手に減薬したり中止する際に、「医師から怒られるかも・・・」って思うからだ。その不安を払拭する必要がある。
あともう一つ大きな問題は、減薬や中止する事で病状が悪化するというリスク。そこへの対抗が重要だ。だから、できるだけ具体的に「○○になったら、再開するように」と伝え、その旨も医師に伝えておく事だ。
次回受診予約日までが長い(数週間以上)場合は、予約日より早く受診して頂く必要がある事も、患者さんに予め説明しておく事などの対応も必要だ。
その場合は、電話などでその後の病状などの確認をして、受診すべきと感じたら、その旨患者さんに伝えて医師にも報告しておくと良いのかな~と。
あっ!!!
本題が・・・ 毎回ですけど
いつ本題始まんねんって感じで・・・
すみません。
今回の患者さんは、とある病院の循環器通院中。
過去に不整脈(心房細動)でアミオダロンを数年継続、その後不整脈が軽快したため、中止に至った。その数年後頻脈性不整脈が再発し心不全も増悪。併存症としてはCKDG3b、糖尿病など。
服用中の薬はDOAC、メトホルミン、DPP4阻害、βブロッカー、カルシウムブロッカー、ループ利尿薬
RAS系が入っていないのは、高カリウム血症リスクを鑑みての事。
CKDG3b(標準化eGFR40前後個別化eGFRは30に近いと考えている)だが、尿量は十分にある。
よく勘違いされるのは腎不全だと尿量が減少していくと思われがちな事。
患者さんもそう思っている。
尿細管での再吸収機能が低下している場合は、むしろ尿量は多い。そこに騙されない事が重要。なので、普段の尿量を確認しておかないと、尿量減少しているかなんてわからない。
原尿は約150リットルで、再吸収が99%、実際の尿は約1.5リットル。
糸球体濾過量が減っていたとしても・・・
再吸収の機能が低下すると尿量めっちゃ増えるかもって想像できますよね・・・ 
実際CKDG3b患者さんで通常尿量3リットルって方いらっしゃいます。
そういった患者さんの尿量が2~2.5リットルに減少した場合は、やはり水分不足で一時的に循環血漿量が低下したことで腎虚血となり浮腫出現され、その時にのみ数日ループ利尿投与して浮腫を引かせているケースがあります(予め腎臓内科医に申し出ており、トレーシングレポートでループ利尿投与した時はその旨報告)
その際重要なのは、腎臓の血流を維持するって事。
なので~水分摂取量を増やして頂きます。
ループ利尿薬の効果を出すためにはいかに腎虚血を回避して、近位尿細管周囲毛細血管にループ利尿薬を到達させて、近位尿細管へループ利尿薬が分泌されて作用部位であるヘンレルーㇷ゚に到達させるかがカギなのよ。
もちろん、水分摂取は少しずつね~ あと低アルブミンや尿蛋白にも注意が必要なんですけどね。これくらいにしときますね・・・
とにかく色々腎臓の機能を理解しておく事は重要なんです。
遠位尿細管での尿量を増やしておかないと、その下流域での再吸収を更新させて浮腫を引かす事ができないので、水分摂取がポイント。
って言っても・・・
そのバランスが難しいので、普段からどのくらいの水分摂取で、どのくらいの尿量なのかを確認しておく事がホントに重要。個人差がすごくあるから。
ごめんなさい。
全然本題に入らないですね~
そろそろ本題に入りますね。
ここからは、採血データ(参考値)なども含みますので、あえて有料に致します。

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