糖尿病患者さんのシックデイ対応などについてトレーシングレポートにて報告

久しぶりの投稿でちょっと緊張しております。
今回の内容は、完全なシックデイというわけではないのですが、シックデイ対応につながる内容だと思って・・・
シックデイ対応は日頃から、患者さんに伝えておかないと意味がないので、糖尿病患者さんには必ず毎回毎回お伝えする事にしている。
ただし・・・その方の処方内容や血糖コントロールによって対処方法は変わってきます。
原則は同じですが・・・ 
ご高齢患者さんの場合は、「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を参考に~
例えば・・・ 血糖コントロールが良好(血糖コントロール目標範囲内)であるなら、低血糖出現回避を最優先にするため、シックデイの際に無理して服用させる事はないと考える。もちろんインスリン治療中の患者さんで持効型インスリンは必ず継続です。
血糖コントロールが良いって事は低血糖出現リスクも高いって事だから、常に低血糖症状については普段から確認しておくべき。
食事の間隔がいつもより長いとか食事量がいつもより少ないとか、活動量がいつもより多いとかだと低血糖出現のリスクは高くなるわけで~
具体的に吐き気するのかくらっとするのか、頭痛出現、発汗、動悸、ふるえ等々・・・ 患者さんによって様々だけど、その患者さんによって特徴があるから、それを覚えておいてもらう事が重要。 
あとは~
シックデイにより脱水リスクが高い時に腎排泄薬剤だとその薬剤の血中濃度が上がりその薬剤の副作用出現リスクが高まるわけですし・・・
低血糖リスクが高い薬剤なのか、低血糖リスクはさはど心配ないものなのか、食後血糖を下げる目的のものなのか等々・・・
そもそも、患者さんが血糖コントロール目標値を理解されているかどうか・・・ その確認も大切。
糖尿専門クリニック通院の患者さんは医師から説明を受けてはいらっしゃるが、患者さんが理解されてないケースがあります。6.5%以内でないととても不安という患者さんもいらっしゃるし、専門医師からあえてとても厳しく管理(高齢者糖尿病の血糖コントロール目標値より低い)されている患者さんもいらしたり・・・もちろんその場合低血糖出現が無いことを確認されてますが。
なぜ、「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」なるものがあるのか・・・については「高齢者糖尿病診療ガイドライン2017」を読んでいただければ~
その中のざっくりとした内容は~
75歳以上ではHbA1cの増加に伴う心血管死亡リスクの増加が軽度となり、7.9%以上で初めて優位。高齢者糖尿病の後ろ向きコホート研究でHbA1c6.0%未満と10%以上で血管合併症が増加
低血糖により認知症、ADL低下、サルコペニア、転倒・骨折などがおこりやすくなる・・・ などなど
って事をふまえると、血糖上昇だけでなく同時に低血糖出現を回避する事が高齢者の場合とくに重要となる。
しかも・・・問題は低血糖の自覚症状に乏しいって事。シックデイだと、その症状が急性疾患によるものなのか、低血糖症状なのかがわからない。
だから~
私の場合、SU剤投与の方やグリニド投与の患者さんには、食事がいつもの半分以下しか食べれなかったもしくは食べれそうにない時はスキップとお伝えしている。
単純にグリニド薬を食直前で服用忘れた(一口食べて気が付いても服用忘れとする)時は、コントロール良好もしくは目標値より低め患者さんはスキップですが、明らかにコントロール不良の患者さんには食事途中(半分まで)なら服用とお伝えしてます。
メトホルミンの場合は、明らかな水っぽい便や嘔吐があった時だけスキップして頂き、その時は報告していただくようお伝えしております。
あっ!!
前置きが長くてごめんなさい。
でもって、今回の患者さんですが~
75歳以上の糖尿病専門クリニックに通院されている糖尿病患者さん。
現在メトホルミン・DPP4阻害・SU剤服用継続中。
メトホルミン服用後に下痢する事が多く、自宅だと近くにトイレがあるから心配ないが、外出の際はすぐにトイレに行けないので不安なため、遠出の際は服用を控えているとの事だった。
なので、メトホルミンの副作用疑いである事と実際の服用状況、薬局でのシックデイ対処法についても報告しておくべきだと考え、情報提供する事に致しました。
この約半年のeGFR40~45  HbA1c6.9~7.1%
って事は~血糖コントロールは良好。
それをふまえての、トレーシングレポートです。
検査結果データは参考値ですのでご了承ください。

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