同じ雨でも違う雨

こちらはハンゲショウ。
緑の葉が白く色づくと、烏梅(ウバイ)仕込みが始まります。これを撮影したのは先週のこと。奈良の月ヶ瀬は梅古庵さんを訪ねたとき。

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この花は、昆虫の媒介で受粉をする虫媒花。
白くなるのは、虫にわかりやすくするためだとか。
奈良県の準絶滅危惧種に指定されています。

ちなみに七十二候の中で、今日は半夏生。
ハンゲショウが白くなる頃だから、という説と、半夏とは、烏柄杓(カラスビシャク)のことをさすので、これが生える頃だとも。

この頃に降る雨を、半夏雨といい、大雨になることが多いそう。

すごいなぁ。本日大雨なり。
暦は今の所ずれてはいないようだ。

しかし、この雨どうにかならんものか。

月ヶ瀬での雨は、しとしとと、緑が鮮やかになり、雨粒が葉を叩くのがとても美しくて、雨も悪くないなぁ。なんて呟いていた私が、嘘のよう。

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この灰色の街に、雨は重い。

気圧の変化なのか、頭も痛いし調子が悪い。
こちらに戻って来てから寝つきも悪い。音が常に付きまとうのだ。
この歳になってあれだが、私は子供にしか聞こえないというモスキートーンが聞こえる。まだ耳は若いと自負している。
  
いかんいかんと重い体を持ち上げて、事務仕事のためにスターバックスへ向かう。

隣の席に座った若い女子は、恋愛の話をしている。気づくと席は満席だ。
人がたくさん住んでいる街だ。そうだ私はここに住んでいる。
月ヶ瀬ではほぼ人とすれ違わなかったなぁ。
 
イヤホンをして仕事に向かう。
音を音で消すと言う暴挙だ。

窓の外を見ると、車が道路をびゅんびゅん走る。
色で言うと、黒と灰色と白の景色だ。

私のコーヒーカップに小虫が止まった。
小さな、コバエだろうか。コーヒーの水玉に足をすくわれている。

それはすごく違和感だった。

でも、月ヶ瀬にいた時は、
梅シロップに小虫が寄って来ても、何も思わなかった。

違和感とは、調和を失った感じ。と言う意味だ。



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