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彼方から届いた友のサイン

目標が時に、達成までの過程で、
その形を変化させることがあると、

先が見えず気が遠くなったり、
自分は無理なんじゃないかと思ったり、

そもそも見当違いなことを目指していたのではないかと根本を疑ったり。

そうなると費やした人生の時間は、
一気に黒にひっくり返るわけです。
そんな危い私を常に叱咤激励してくれる
友人がいました。

彼女は激しく勝ち気で敵も作りましたが、
信念に忠実に動き、自己不信になる私の
お尻を叩く人でした。

会社社長である彼女は行動派、実戦派であり、
一方で強い信仰心を持つ人でした。

神仏に備えるお賽銭は必ず白い封書に包み、
お賽銭箱に静かにそっと納めました。
旅先で立ち寄る小さな神社でも
伊勢神宮でも同じ。
金額を聞いたことはありませんが、
硬貨ではありませんでした。

彼女の人生は愛と気力とお酒でした。
議員を目指す夫は家庭を顧みず、
老舗おせんべい屋の家業を継いだ彼女は、
3人の娘をそれぞれ背中に背負い、
側で遊ばせ、店に立つ。

それでも売り上げは厳しい毎日でした。
誰も頼れない彼女は、店を終えると
近くの不動明神にお百度を踏みに連日通い、
ついに売り上げを三倍。
黒字に塗り替えました。

それでも夫の選挙資金にお金は流れ、
彼女は家業以外の仕事を増やしました。
それが順調に成長。別会社になり、
夫には手切金を渡して別れました。

常に自分磨きをしてきた彼女は、
異業種交流や様々な勉強会に出席。
そこで私は彼女に出会いました。
そして交流を深めるうちに、
前述した彼女の半生を聞いたのです。

お百度詣りなんて、時代劇ですか?と、
聞いた時は半笑で、失礼だったと反省ですが、彼女の話を聞くうちに、

お百度詣りは、彼女が自分に勝つ力を鼓舞する
儀式だったと感じました。

ただ生きるだけでなく、自分に勝つために
なんでもやってやる!という凄まじさです。

三人のお嬢さんが皆優秀で美しい成人に独立。
充分すぎる親の役目を果たした彼女は、
ニ年前、この世を旅立ちました。
病が発覚して1年ほど、私の喪失感は想像以上でした。

彼女と泊まりがけで話すこともありました。
会社経営という実利と人を相手の営業を両手に抱えつつ、神仏や宇宙に詳しい彼女とは、
人間を含む根源的な話になりました。

キャリアも年齢も上の彼女は、
いつも本音で話し込む相手でした。

この数日、私は今までのすべてをひっくり返した心境のまま、
今朝も、いつもするように、
3つある植木鉢に水をやりました。

2つのバラの鉢は枯れかけていました。
このままではダメなことはわかっているのに、
植え替えも、土に返すこともしない私です。
機械的に水を与えているだけ。

心の中でため息しつつ、
私は何気なく書類棚の中から無造作に
一つの束を手に取りました。

見ると、彼女が私にくれた
ある講演会での書き起こしでした。
A4用紙で11ページ。

その中に、こんなことが書かれていました。

今、ここ、我、この時を失なうな、
今居る自分、あなたしか出来ない瞬間がある、
今を見失う“気絶“をしてはいけない。
すべて完璧で健やかな今なんだ。
この事をもっと、もっと理解したうえで、
自分は何が本来なのかを観る。
全ての未来は、この本来から始まる。

小さな植木鉢に大木は育たない。
鉢に対応した木が育つ。
もう少し大木に向けていく気ならば、
鉢を変えなければならない。
自分の信ずる、自分が準ずる鉢の枠を
更なる大きなものに変える。
すると、今まで一杯あったはずの土が
減ったように観える。
大きな鉢になれば下方に土が少ししか無い。
このときに、
落ちた、失敗したと思ってはいけない。
更なる土を加えればいい。
土の量に比例して木は育つ。
大木にするならば土を増やし、鉢を変えよう。
そして実りを。

私はたまらなくなって、ベランダに出ました。
外は一時の青空を見せ、
木々が大きく揺れ、
鶯がまだ、その声を木立に響かせています。

土は、、、鉢は、、、。

私は数日前から彼女を思い浮かべていました。
きっと彼女は私を叱るだろうと。
彼女の答えは、これだったのです。

見えないけれど、私の思いは
彼女に伝わっていたのだと感じました。

彼女は私以上に宇宙が好きな人で 笑。
先に星を見に行き、地球の私たちを
外から眺め、エールを送っている、
そう感じてならないのです。

これを書き終えたとき、今夜が
レッドムーンという満月だと知りました。
3年前のブラッドムーンは彼女と一緒に見上げていたのを、また思い出しました。

不思議なサインは常に降り注がれている…。
これはホントですね。
私たちは、いくつキャッチして
自分に活かせるのでしょう。
コツは素直な自分を観ることでしょうか・・・

満月を見上げる人に、
夢が叶う事を一緒に願っています。

読んでくださってありがとうございます。

いただいた、あなたのお気持ちは、さらなる活動へのエネルギーとして大切に活かしていくことをお約束いたします。もしもオススメいただけたら幸いです。