見出し画像

【演奏予定のプログラムノーツ公開します】8/19音楽と旅 #7 〜軌跡と発展〜


ご覧いただき、ありがとうございます!ピアニストの吉村直美です♪

いよいよ本日となりました🎹

吉村直美 ピアノリサイタル
音楽と旅 #7 〜軌跡と発展〜

2023年8月19日(土)14時30分開演
@紀尾井町サロンホール

お申しみいただきました皆さま、ありがとうございます!

※当日券の販売はございませんので、何卒、ご了承願います。

バッハ(ケンプ編曲)『主よ、人の望みの喜びよ』

バッハの教会カンタータ第147番「心と口と行いと生きざまにより」に含まれている「コラール」をピアノソロ用に編曲された作品です。

「コラール」とは、プロテスタント教会で礼拝のときに会衆が歌う賛美歌のことで、「教会カンタータ」は礼拝において、その日の説教のテーマとなる福音書などの朗読と説教の間に演奏される、メッセージ性を持った音楽です。この曲は、「聖母マリアの訪問の確日」に初演され、マリアの受胎の感動と告白が、始終続く3連符のリズムによって、喜びのモチーフとして表現されています。

ピアノソロ曲として有名になったきっかけは、イギリスの女流巨匠ピアニスト・マイラ・ヘスが第2次世界対戦中に、ロンドンの全てのコンサートホールが閉鎖されたとき、毎日行っていたナショナル・ギャラリーでのランチタイムコンサートで、毎回アンコール曲として演奏したことによるそうです。

スカルラッティ ソナタ

スカルラッティは、ヨハン・セバスチャン・バッハ、ヘンデルと同じ年にイタリアに生まれた作曲家です。父親が作曲家だった影響もあり、少年時代から音楽活動をはじめ、作曲した作品は教会音楽が主でした。500曲を超える「ソナタ」は、ポルトガル王女マリア=バルバラ(後にスペイン王妃)の教育目的で練習曲として作曲されました。

きらびやかで独特な装飾音が散りばめらており、イタリアの建築や街並みを思わせるような明るさも備えています。

コンサートでは、ソナタニ短調 K1,L.366、ソナタへ短調 K.466, L.118、ソナタロ短調 K.27, L.449、ソナタニ短調 K.9, L.413をお届けする予定です。

ラフマニノフ:プレリュード嬰ハ短調 Op.3-2『鐘』

ラフマニノフがわずか、16歳のときに作曲しデビュー曲ともなった名曲の一つです。スケート選手の浅田真央選手が、オリンピック出場時の競技に使用したことでも有名です。

鬱病で苦しみ、一時は作品を世に出すことすらできなくなったラフマニノフを、回復へと導いた名医に捧げられた協奏曲第2番に登場する和音も含まれていることから、ラフマニノフ自身の思い入れの強い作品であることが、伺えます。標題のように、モスクワの壮大な大地に響き渡る鐘の音がイメージされます。

ラフマニノフ:プレリュードト長調 Op.32-5

美しくも病的なまでに繊細さが、現実と夢の狭間をいくような音として作曲されています。苦しみから解放を経験した作曲家による作品は、力付けてくれる作用があるとも言われていることから、『今』のコンサートにふさわしいと思い選曲しました。

モーツァルト ソナタ第10番 ハ長調 KV330

作曲された1783年は、墺土戦争(おうとせんそう)真っ只中の時期でした。
翌年、モーツァルトは『トルコ行進曲』を作曲していることから、在住地のオーストリアの対国でもあったオスマン帝国(現在のトルコ)がイメージされ、戦争が創作に影響していたことが伺えます。

この作品が作られる前の年に、モーツァルトは結婚しており、オペラのように楽しく幸せなストーリーの表現が感じられる愛らしい作品です。

構成は3楽章となっています。

第1楽章 アレグロ・モデラート(穏やかに速く)
第2楽章   アンダンテ・カンタービレ(歩くような速さで・歌うように)
第3楽章   アレグレット(やや速く)

プロコフィエフ ソナタ第3番 イ短調 「古い手帳から」Op.28

帝政期のロシアであり現在のウクライナに生まれたプロコフィエフが、若い頃に作曲された作品。若さがみなぎり、全ての感情が気まぐれに描写されながらも、大変ポジティブに平和の願いが込めらた曲です。曲の冒頭に「激しく」とあるように、最後は、爆発するような激しさで閉じます。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?