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侮るなかれ歳のせい

思い込みは良くないなという自分への戒めを込めて書いておく。

30代に入って学生時代の友人と会うと、痩せた太ったから始まって、健康診断の結果の話題が必須になった。
40代になると健康の話題は少し様子を変えて、体や心の調子の悪さを言い合い、結局話題の着地点は「それって歳のせいだよねぇー。」という感じになる。

昨年末から風邪をひきやすくなり、疲れやすくなった。
よく考えればもっと前から「疲れやすくなったなぁ」と感じていて、休日は疲れがひどくて外に出るのも億劫で、何度Uber Eatsに頼った事だろう。
趣味のランニングもやる気が起きず、眠気もあっていくらでも寝られる。
寝られるというのは、それだけ身体が疲れてるんだなぁと思って、ダラダラしてしまう自分を赦すようにしていた。
そしてこの調子の悪さを、とうとう私にも歳のせいという体調不良がやってきてしまった…と年齢の壁を越えられない事を切なく思ってた。
休みの日は食っちゃ寝を繰り返しているのに、友人からは「痩せたね」と言われ、私としては体重を測っていないけど体感としては身体が軽くなった気もしていなかった。
今考えると、それらは病気の予兆だったのに。

私にはかれこれ20年近く前から、緊張すると手が震えるという症状と、疲れやストレスが溜まると脈が速くなる症状があった。
普段はその様な症状は目立たなくて、緊張したりストレスが溜まると出る。

それが思い起こせば1年近く前から、手の震えが酷くなってきていて緊張していない時でも現れる様になった。
手が震えても採血の時にはきちんと血管に針を刺せるけど、患者さんにしてみればどうだろう?手が震える看護師に針など刺されたくないはずだ。怖いもん。
そして、年明けからは身体の怠さがひどくて仕事を休むことも増えてきてしまった。

こうなると流石に気になるので、病院を受診して色々検査したところ、甲状腺機能亢進症のうちバセドウ病だった。

診察前に指示されて、約1年ぶりに測った体重は5キロ落ちていて、皆んなが「痩せた」と言っていたのは本当だったし、怠さも一番気になっていた手の震えも、みーんなバセドウ病のせいだったのだ。

TSHが基準値下限の40分の1しかなかった。
なんで、こんなになるまで分からなかったのか。
バセドウ病という病気(症状)の特徴だったり、好発年齢が40代の女性でそれは更年期症状と似ているせいもあるんだと思う。

私に限って言うと、病気がわかるまで(受診に至るまで)に時間がかかってしまった理由はいくつかある。

①手の震えや脈が速くなる事は、20年近くも症状があって、以前に何度か病院を受診していて、その度に甲状腺の異常はなかった。
だから、甲状腺の異常だとは思わなかった。

②3年前にメンタルの調子を崩した経験があること。
今はメンタルの調子は悪くないけど、怠くて仕事に行きたくなくなるのは、やる気が起きないのは、メンタルの調子が悪いのかもと思っていた。要は自分の気持ちの問題だと。

③自分は痩せた感覚がなくて、むしろ太ったと思っていたので、痩せたいと気持ちがあった。だから友人から「痩せたね」と言われ、ちょぴっと嬉しかったりして。

手の震え=神経内科だと考えて神経内科を受診したけど、検査結果を聞かと「いやぁ、頭の問題じゃなかったよー。甲状腺だったよー。頭は大丈夫だからね。」と、やたら明るく言われて思わず笑ってしまった。
確かに脳に問題がなかったことと、最近気になってた症状の原因がわかってホッとした。
特に怠さとやる気のなさは、私の精神的な部分(気持ち)の問題だと思っていて、仕事を休む罪悪感と情けなさで落ち込む事もあったから、原因が甲状腺の問題もあったんだとわかって気持ちが軽くなった。
だけど、その後代謝内分泌科の医師から正式にバセドウ病と診断を受けた時には流石に落ち込んだ。
慢性疾患だもんなぁ。これから長く付き合ってかないといけない病気。
それはやっぱり嬉しいことではないな。

バセドウ病に良いと聞いて作った
ニンジンしりしり(鶏ひきと卵入り)

バセドウ病とわかって2週間。
まずは薬物療法から開始しているけれど、効果はまだ実感していない。

まさか自分がバセドウ病になるとは思わなかった。
自分の体力を過信していたし、気になる症状を全部「歳のせい」と加齢変化だと思って無理しすぎたなと反省した。

上手く病気と付き合っていこう。
焦らず、ゆっくり、ゆっくり。

今までの看護師人生で、甲状腺の病気の患者さんを看た事があるし、病歴に甲状腺の病気がある患者さんもいた。
でも、いざ自分がバセドウ病になってみると、食べ物だけでなく生活面でも注意しなければいけない事があって、改めて結構面倒くさい病気だとわかった。
自分事になって新たに気づく事は、本当に多いな。

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