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ひのICTクラブ

 日野のPlanTを拠点にした「ひのICTクラブ」の活動を紹介します。
市が勧めた ”ものつくり楽しさプロジェクト” の流れをくんで、街の有志がゆる~く集まったもので「3Dプリンタ教室」や「プログラム教室」といった「小学生にデジタルな思考」といったテーマで進めています。

 数年前に始まった小学校教育の現場でデジタル教育をしていくという流れになっており、全員にタブレットやパソコンが行き渡っています。
どのようにして青少年にプログラムを教えるのだろうか、大きな心配が湧いていたからです。

 プログラムを組むという事象は、目的なのか、手段なのか、という課題設定が、教える現場でもハッキリとはしていないのが現実です。

 市中のプログラマーという方にとっても、目的構築あるいは手段構築の何れにあっても、座学でプログラミングを教わったコトは少ないのではないでしょうか。言語体系レファレンスブックや逆引きレファレンスという辞書を手にして、要件を満たすようコードを打ち込んでいます。

 ケーススタディです。
プロ野球の審判はルールブックに精通して、瞬時にジャッジをします。しかしルールブックに精通して瞬時に引き出せるとしても、当人が打席に立ってホームランを打つことは多分叶わないのです。プログラムの世界ではOSとアプリの世界観ではないかと私は想像しています。

 CPUシステムが正しく命令セットを実行できる環境の整備がOSです。正しい命令コードが正しい処理を実行し正しい出力が得られる、というトコロまでです。一方アプリ開発は、人が望んでいる出来事に向かってCPUシステムが動くように命令コードを適切に組み立てるでしょうか。

 プログラムに関わる前段と後段は、その目的も手段も別次元で扱うべきものだと思います。その前段は世界に一つあれば済む話で、事実集約されている状態です。後段のアプリケーションを扱う領域では、それこそ表現の自由であり、ひとり解といった多種多様な状態でしょう。

全員が学ぶプログラムとは

 プログラムに関する乏しいウンチクを開陳してしまいましたが、青少年が学ぶプログラム教育とは、明らかに後者のアプリケーション領域のデジタル思考といったトコロだと思います。

 ではそれは何かと問われれば、国語力と数学力に集約される科学のチカラに成ると思います。議論がある結論ですが私はこう思っています。

 青少年向けのプログラムOSとして、Scratch、micro-bitなどで、CPUボードを動作させる積み木型のビジュアルプログラミングがたくさん出回っています。PC上で使えるようになるには一日もあれば充分です。また興味を失って手を離すのも実は早いものなのです。
※プログラムして簡単に動くが、複雑な自分の思いをプログラミングするには、工夫された方法が必要だがこれを解くコトができないでいる。

 変数、マクロ処理、などの思想的な組み立てが小学生では、不得意な人が多い印象があります。森羅万象の出来事の区分けとか分類とか体系的な処理思考が追い付いていないのだと思っています。

理(ことわり)の世界

1つ目は、
モノコトを操作するには、プログラムは役に立つというコトを知る。
2つ目は、
 デジタルな思考は、ひとつひとつ組み立てて完成するコトを知る。

 あっそういうコトか。
そのデジタル思考という世界観を知っておくことが大切だと思います。そのための小さな体験として、プログラミング教室というイベントがあり、新しい人が入り、出る、456年生を対象として企画しています。

 こうした核心を「教えない教育」として青少年プログラム教育が扱われている現実がありますが、現場にいる全員がエンジニアでは無いというコトからも、多様性のあるテーマなんだと深く理解しておきたい。

まっすぐに

 ものつくりとプログラムは相性が良いものです。
ライントレースロボットを使って「まっすぐに」走らせるお題を発します。プログラムでは左右のモーターに加えるエネルギー量を〇〇%と左右ともに設定して走らせます。

 (モーターの性能や他の要件で)右左に曲がることが常態です。
ここでは、何故まっすぐ走らないのかという暗黙の副題が湧き起こっているのですが、何故だろうと自問せずに思考停止する子もいます。
多くはグループの話し合いをしてもらい、思考へのチャレンジで出た異見の、仮説を確かめるためにプログラム修正して、再度走らせてみるトライ&エラーをしてもらいます。

 モーターに個性があるという気づき、タイヤが滑るというコトに気づくなどを経て、設定したポールを回って戻ってくるという想定コースをプログラムして友達と競争するというゲームをやっています。

なぜだろう

 興味を持つ、あれっ、気づく、問い掛けをする、仮説を立てる、検証してみる。このようなロジカルシンキングまで進んで科学脳をつくっていただけることを期待しています。

 リタイヤエンジニア、学生、青少年と親御さん。そうした活動を「ひのICTクラブ」でやっていますので興味がある方は声を掛けてください。

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