見出し画像

コマド寄席~小さなカフェでの濃厚ライブ~

 もう長らく文章を書いていなくて、脳みそが馬鹿になってどろどろに溶けそうになってきました。なので最近行った寄席の感想とかを書きたいと思います。

 といっても十月はそれほどライブには行っていなくて、最近よく行ってる漫才王や見世物小屋に加えて、幕張の吉本の劇場に行ってみたりしました。とくに先日のCafe COMADOでの寄席が楽しすぎました。

画像2

 cafe COMADOは元シルキーラインの服部さんと、センス溢れるオーナー様が働いていらっしゃる小さなカフェ。今年の夏に初めて訪れたそのカフェで、芸人さんとして舞台に十年以上立たれている服部さんや、オーナー様と、濃ゆ~いお笑いトークをさせて頂き、尚且つ美味しいお茶とスイーツも頂ける新宿のオアシスのような場所でありました。

 新宿にはお笑いライブで頻繁に訪れるものの、田舎育ちの自分には未だにかなりの苦手意識があります。溢れる人混みと雑音に眩暈がしてしまいます。JR新宿駅の東口を出た後からCOMADOまでは、社会の負の側面詰め合わせみたいな歌舞伎町をすり抜けなければなりませんが、新宿区役所付近で新宿ゴールデン街の看板が見えたら、あとの道は天国です。緑道のようなところを歩いて向かいます。個人的には新宿の唯一の情緒というかエモなところ。

画像1

画像3

画像13

(椿の花が咲いていました。)

 背の高い人なら天井に頭が届いてしまいそうなほどに小さなカフェに到着したら、提供されたドリンクを楽しみながら、小さな小さな舞台にところ狭しと詰め込まれた芸人さんたちの数珠のネタを間近で拝見できました。先日のメンツはこんな感じ。

画像4

 太陽の小町、ニュークレープは今年M-1三回戦進出した実力派の芸人さん。COMADOと何かとつながりの深かったにほんしゅさんの出番が急遽なくなり、代わりにパニーニのお二方が登板してくれました。

 そしてカフェ店員兼フリーのピン芸人さん、”ボタニカルアーティスト”こと服部拓也氏の漫談もありました。喫茶店の気のいいお兄さんから、声量たっぷり、盛り上げ上手な芸人モードへの切り替えが素晴らしくてその技量に見惚れました。

 地下ライブに頻繁に出入りしているとはいえ、所詮はワーキャーファンであります。芸人さんのネタを評するなどとというおこがましいことはできませんが、私のフィルターを通して見えた感想と言うか日記として記しておきます。

太陽の小町

画像5

 M-1の予選を勝ち抜くために、先輩芸人にアドバイスを受けるライブ「6つの関門」や、漫才王でお姿を拝見してきたお二方です。一平さんの役への入り込み方、狂い方が半端なく、勢いがありますが、それを嗜めるつるさんの穏やか且つ辛辣な一言、透明感のある声質がとても心地よくていつも安心して拝見しています。今回は女の子をデートに誘う時に過度に心配性になってしまうネタと、一平さんがマザコンになるネタをやられていました。何分お客さんとの距離が近いので、一平さんの最後のハイキックが当たるのではないかと心配になりましたけど、躊躇わずにハイキックを繰り出すその精神がカッコイイなーと思いました。…っていうか足長ッ!!

ニュークレープ

画像6

 ポラロイドマガジンのころにちらちら拝見していたり、ナターシャさんの漫画を読んで勝手に感動していたり、キュウの清水さん弄りツイートで癒されていたりと、勝手に共感を抱いていたトリオ。本っ当~~にネタが緻密でした、特に二つ目!!うまく言葉では表せませんが、凄すぎました…。あまりにも計算し尽くされた表現に、笑いより感動が勝ってしまった。3回戦突破を心より祈願致します。

パニーニ

画像7

 初めて拝見させて頂きました。…ん?初めて?どこかでお顔に見覚えがあるような…?と、若干の違和感を感じながらネタに突入。お二方とも凄まじい演技力でした。特に一本目のネタの、銃弾で撃たれた飯沼さんの演技がえげつなくて、咳とともに口から流れ落ちる血まで見えてくるようでした。「空耳アワー」のネタでようやく違和感の正体に気づきました、「マイケル・ジャクソンの空耳アワーに出ていた方だ!」と。家に帰ってからyoutubeで過去の空耳アワーを漁ると、あれもこれもパニーニさんが出ていて、交流会の時ちゃんと気がつかずに、木坂さんに「日本人の方ですか?」なんて頓珍漢な質問をしてしまった自分が恥ずかしくなりました…。本当にすみません。

 タモリ倶楽部は10代のころから欠かさず見続けている番組です。高校生~大学生の頃、大好きなボサノヴァの曲からなんとか空耳を捻りだし、何度か送りつけたものの、採用されたことは一度もなし。でも眉間に皺を寄せながらポルトガル語の歌詞に必死に耳を向けたことも、安齋さんとタモさんとのゆるーいトークも、ジャンパーが出た回の高揚感も、全部がかけがえのない思い出。

 この日はパニーニさんによって芋づる式に発掘される空耳の思い出に浸ってエモい夜になりました。本当にありがとうございます。また空耳アワーが復活しますように。

服部拓也

画像14

 服部さんの組んでいたコンビのシルキーラインをきちんと追うようになったのは、悲しいことに解散してからなのですが、それまでも一度だけ舞台で見たことがありました。それは三年程前にPOISON GIRL BANDの吉田さんの脚本でサンキュータツオさんとトリオ漫才をやっていた舞台でした。その他にもシュールなコントをされていたり、下ネタやブラックなネタなど、いろんなことに果敢にチャレンジされてきた芸人さんです。ピンネタは今回初めて拝見しましたが、ボリュームのある話術に圧倒されましたし、奥さんのシュール&ブラックな手料理ネタに笑いが止まらなくなりました。漫才もコントも突き抜けて、新ジャンル「ボタニカル」を開拓してしまった緑髪のカフェ店員さんが、今後どんなお笑いの道を行くのかとても楽しみに見させて頂きます。(サインありがとうございます!)

画像8

 交流会まで参加して、芸人さんやカフェの常連さん入り混じって、インドの治安のトークで盛り上がったり、地元話をしたり、とてもお笑いに詳しい方のお話を興味深く聴かせて頂いたりと、貴重な体験になりました。このご時世、しばらく外で食べたり飲んだりとかいう経験をしていなかったので、今回は良いリフレッシュになりました。

 写真はカフェ常連さんのお手製の豚ハツの燻製。「心臓を食べると心臓が強くなるんだよ~」とどこかで誰かに教わったのを思い出して、たーくさん頂きました。美味しかった~。大きなかたまりのお肉にはロマンが詰まっていますね。

画像9

 次にCOMADOに訪れるのは、13日のファラオさんと服部さんの落語会です。ファラオさんが先日披露された落語の評判がとても良かったので是非聴きたいなと思っていたところでの朗報!めちゃめちゃ楽しみです。

画像10

画像11

画像12

 毎月の寄席や服部さんの単独ライブ(フライヤー怖!!)も訪れる予定。今回来られなかったにほんしゅさんも、来月見ることができて嬉しいです。

画像15

(帰り道もなかなかにエモかった。)

 コマド寄席は演者さんとお客さんの距離がとても近い寄席で、いろんな職業の壁を越えてお話が出来る貴重な機会です。おめかしをして敷居高めの劇場に行くのも良いですし、落語を見に行くのも良いですけれど、こんな風にアットホームに芸人さんのネタを見ることや、交流することも、それはそれは楽しく思い出に残るものです。

 興味ある方は是非一声お声かけ下さい。一緒においしいスイーツとお茶を頂きに行きましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?