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1年ぶりのMANGA ART HOTEL

昨年6月に遊びに行った、“漫泊”が楽しめるMANGA ART HOTELに、今年も足を運ばせてもらいました。

昨年訪れた際のレポや読んだ作品はこちら。

MANGA ART HOTELとは
漫泊(まんぱく)
それは、何かのついでとか、片手間とか、暇つぶしではなく。ただひたすら、マンガの世界に浸る“一晩中マンガ体験”です。
他にしなきゃいけないことあるのに、つい手が伸びて、時間も忘れて読み耽る。そんな、誰もが感じたことのあるマンガへの心地いい敗北感が、ここにはあります。
出会ってしまったら、最後。読めば読むほど引き込まれていく空想の世界へ。
さあ今夜は、マンガの吸引力に負けてしまいましょう。



今年はチェックインをする前に、よりマンガを楽しむために先にお風呂を済ませてしまおう!ということで人生初の銭湯も足を運んでみました。
MANGA ART HOTELがある淡路町の隣、神保町駅のすぐ近くにある「梅の湯」さんにお邪魔しました。普段は近隣の住民のほかランナーも御用達の銭湯とのこと。スーパー銭湯は何度も足を運んでいるのですが、純粋な銭湯は初めて。

オープンの15時ちょっと過ぎ、しかも平日金曜ということもあって近所のおばあちゃんたちに混ざって銭湯初体験。少し緊張したけれど、とても良いお湯でした。さっぱり。
風呂上りは子どもの頃以降飲んだ覚えのないファイブミニを購入し、小休憩を挟んでいざMANGA ART HOTELへ!


駅からほど近いビルの4階と5階。“漫泊”の文字が目立つ、MANGA ART HOTELがあります。

受付は5階。

チェックインは昨年と変わらずタブレットで遠隔。チェックイン開始の16時丁度に着いてしまったせいか、なかなか繋がらない……
何度目かのチャレンジで通話ボタンを押ししぶり待っていると、ホテルの従業員の方が気付いてくれた。対面でチェックインをすると、女性フロアである4階の電子錠のナンバーを教えてくれた……
あれ?前回は男性フロア(5階)も教えてくれたのに。

「すいません、男性フロアの番号も伺っていいでしょうか。」
「申し訳ありません、実は───」

なんと区の条例が変わり、異性フロアには出入りできなくなってしまったとのこと。
「今日も男性フロアの作品も読みたかったので残念です」と伝えると、従業員の方のご厚意で立会のもと、6冊ほど借りることが出来た。
その説は本当にありがとうございました……!

そして宿泊予定の4階女性フロアへ。

白を貴重とした、窓の広い明るいフロアは相変わらず居心地がいい。

MANGA ART HOTELは押し入れのように上下段にわかれたベッドを予約するドミトリータイプのホテル。
前回は下の段のベッドに宿泊したので今回は上の段にしてみました。

ちょっとドラえもん気分?
室内はシングルベッド一つ分の大きさ。高さは157cmの僕が座っても天井に頭を打つくらい。
身長が低いので上り下りもちょっと怖い…のは僕が運動音痴なのもある。きっと。次は背伸びせず下の段にしよう笑

でもその狭さが落ち着くんですよね〜!
今回もぬいぐるみをお供に連れてきましたよ。
水木しげる作品の「河童の三平」に登場するたぬき。

心なしかそわそわしてる?
口が悪くて態度も悪いたぬきですが、なかなかかわいいやつです。

部屋着は一着200円でレンタルも可能。
もちろん持ち込みもOKなので僕は着なれた部屋着に早速お着替え!

男性フロアから借りたものを先に読み進めようと思います。ここからは読んだ作品の感想も簡単に交えていきますので、気になる作品があったらぜひ読んでみてください〜!



自転車屋さんの高橋くん①~③/松虫あられ
めちゃくちゃキュンキュンしました…!!!高橋くんいい子ぉ~!!!!!
周りの目を気にしてきた主人公の心が次第に高橋くんの影響でちょっとずつ自分に素直になっていくのも、もうとにかくキュンキュンで…すごく良いラブコメ。絵もかわいい。一生ラブラブでいてくれ頼む。


葬送行進曲/ウチヤマユージ
ムショから出てきた主人公が、「困ったら尋ねると良い」という知人の言葉を頼りに訪れた先で出会った、廃屋のようなゴミ屋敷に住む一人の老婆。
行き場のない主人公は老婆の家で掃除のアルバイトをすることになり、そんなふたりの心の交流を描いた人間ドラマでした。家がきれいになるにつれ明かされる老婆の過去や想いが胸をぎゅっと締め付ける、良作でした。


はたらけ!睡魔さん/嶽まいこ 
仕事に邁進し睡眠時間を削る主人公のOLのもとに現れたのは、睡眠を司る悪魔である“睡魔”。なかなか眠ろうとしない彼女をあの手この手を使って眠らせようとする睡魔と、無視して仕事を続ける主人公の攻防戦がなんだか微笑ましい。ファンタジーではあるけどテンポが心地いい日常系マンガでした。


つるまき町 夏時間/コマツシンヤ
つるまき町を舞台にした主人公の少年と植物たちの不思議なひと夏のお話し。まるで児童文学のような柔らかで優しい世界観がとても気持ちがいい作品でした。作中に登場する不思議な植物や植物の妖精たちと主人公の交流はとても心がほっこり温かくなります。ぜひ夏に読んでいただきたい作品。


ここまで読んだところで、お夕飯です。
前回も足を運んだ、正直お気に入りのラーメン屋「THANK」さんに今回もお邪魔しました。

ホテルから激近です。ほぼ裏手側!

わかりやすく食べログのリンクを貼りましたが、個人的には評価より美味いでしょ、という印象。
こっくりとした濃厚なスープは濃厚なのにパンチよりも丸みが強く、沁みるお味。チャーシューも鶏で濃ゆすぎず最高。写真を撮り損ねてしまいましたが、最後にご飯を入れてリゾット風にして〆るのもオススメすぎます。
ご宿泊の際は、ぜひ!


お腹いっぱいでベッドに戻ると、なんだか不服そうなたぬき。
「オイ!オイラをおいて旨いモン食ってきたんじゃねェだろうな!?」

おいていってごめんよ、たぬき。


では食後の休憩を挟んで、また読み進めていきました。

ほぐされ紳士 揉井さん①②/渦井 (著), 崇志 (読み手)
シゴデキな管理職、揉井さんの唯一の趣味はエッチではない方のマッサージと整体通い!しかも出張時は出張先のご当地整体マッサージを欠かさないという本気の整体マッサージファン。部下に隠しながらこの趣味を楽しむ揉井さんを取り巻くコメディ作品で、マッサージにたまにお世話になる身としては共感できる内容。マッサージ行きたくなります。


まどりごと/こだち
不動産店舗で個人のお客様を相手に日々接客をする主人公の、「間取り」を軸にしたお仕事マンガ。
サクッと読めていい作品。引っ越す予定がなくても、間取りって見るの楽しいですよねって気持ちに共感できるかたにオススメ。画風が少女漫画寄りのきれいさなのも爽やかな作風の要因の一端を担っているのかも。


ホブゴブリン 魔女とふたり/つばな
ホブゴブリンのポーリーンという女の子が主人公。彼女はバーバヤーガというなんでも食べてしまう恐ろしい魔女に召使のような扱いを受けて暮らしています。そんな彼女の暮らす森の近くの国のお城では、ある異変が起きていて……というファンタジー色前回の作風が素晴らしい。これも絵本や児童書のような雰囲気の作品。作品にちりばめられた細やかな設定やギミックもやり過ぎていなくてちょうどいい。映像にするなら映画サイズでやってほしいかも。映画館で観てみたい作品です。



弟の夫➀〜➂/田亀 源五郎
主人公の弟はゲイでカナダで同性婚をした後、亡くなってしまった。物語は亡くなった弟の夫であるカナダ人男性が、主人公とその娘の家でお世話になるところから始まる。
NHKでドラマ化もされた「弟の夫」。ずっと気になっていた作品なので読めてよかった。主人公が弟の夫や、まだ幼く偏見をあまり持たない娘の言葉で自分の中にあった弟やLGBTQ+当事者への考えを少しずつ柔らかくしてく様子がリアルに描かれているなと感じました。現実でもそうであってほしい。4
巻完結なので、最終巻が置いていなかったことが残念でした…!最後まで一気見したかった。


ビューティフルエブリデイ/志村貴子
主人公は父を亡くして母が女手一つで育てていたところ、再婚話が持ち上がりあれよあれよという間に義理の兄と妹が出来て。
志村貴子先生作品の中でも未読だったので拝読。良き。3巻完結なのに内容はなかなかボリューミーに感じたのは、親の再婚により兄妹になる3人の心の変化や、それぞれの思春期の恋模様を鮮やかに色濃く描いているせいかもしれません。亡くなったお父さんとの繋がりも良い。亡くなった人との交流をこういう風に描くのか、とほっこり。
あと志村先生の描かれる女の子ってなんでこう、こんなにも可愛いのか。


たしかこのあたりで寝落ちしてしまいました……さすがコアラマットレス……!!!!
ホテルの入っている1Fのイベントスペースでライブかなにかやっていたようでちょっとうるさかったけど、寝心地の良いマットレスが夢の世界にさらってくれたので安眠でした。


空っぽのやつでいっぱい/アボカド6
Twitterで有名、僕もアカウントを拝見しているアボガド6さんの短編マンガ集。この本1作目の「なにもわからない なにもできない なにもない」をはじめとした作品1編1編が絡み合うオムニバス作品。
Twitterでメインで投稿されているイラスト作品同様、実は連作やシリーズ作品になっていたりするのは十八番といった感じでしょうか。心にずしっとくる作品もそのまま。受け止めた心が重くなるのに読み進めてしまう不思議な1冊。


とある結婚/熊鹿 るり
ロサンゼルスに暮らす、ある女性カップルの物語。アメリカ人の彼女と暮らす日本人の主人公はこれからのふたりの歩む道として、「同性婚」や旧来の異性婚を指す「結婚」、そしてそれらを取り巻く親へのカムアウトなどの問題に向き合っていく物語。作品を制作されている期間中に2015年の渋谷区でパートナーシップ制度が施行されたとのことで、大きな変化の始まりの頃に描かれた作品としても興味深く拝見させてもらいました。
同性婚出来るとしても、問題は山積み。でも、だからこそそれをこれから解決していくためにも、日本でも同性婚が成立してほしいと思わずにはいられない作品でした。


嘘つきユリコの栄光➀/田中現兎
承認欲求の塊のユリコは、人気者になりたいがために小学校では嘘つきに。中学デビューでとあるイケメン御曹司な同級生の「婚約者」だと嘘を吐いたことがきっかけで、本当に婚約者のフリをすることに……
というかなりエンタメに全振りした作品。画風もポップで作風にピッタリ!勢いのある画面展開が気持ちいい作品でした。こちらも今3巻まで出てるみたいなので、今後追いかけたいなと思います。


さめない街の喫茶店➀②/はしゃ
夢のまどろみの中に存在する、不思議な街と喫茶店を舞台にした詩的な作品。度々登場する美味しそうな料理とコーヒー、時々お酒がこれまた素敵で。主人公の女性、スズメがなぜその喫茶店にいるのかという謎と彼女を取り巻く世界観の優しさのバランスが絶妙。
良い具合にお腹も減って、カフェとかベーカリーに足を運びたくなる作品です。2巻完結。


なんてことないふつうの夜に/嶽まいこ
今回拝読した、「はたらけ!睡魔さん」と同じ作者の作品。
12の夜を描いたオムニバス作品。睡魔も登場します。
悩んでいたり、仕事に追われていたり、過去を振り返ったりと思い思いに過ごす夜。夜という時間を軸にした短編はどれもキャラクターに対する作者の視線の優しさを感じるものばかり。眠れない夜に読んでもらい1冊でした。
みんないろいろあるよね~!な、オムニバス作品に登場するキャラクターが大集合をする回があるのも最高です。


ということで今回は22冊読みました。
前回が28冊だったのでもう少し読みたかったですが、食後の休憩や睡眠時間をそれなりにちゃんととってしまったのでちょっと少なめの結果に。
次にいく時は30冊読むのが目標です。

チェックアウトの11時ギリギリにホテルを出て、今回もブランチを摂ってから帰ります。
今回のブランチはこちらのお店。

さぬきうどんの甚三(じんざ)!
以前勤め先の近くにあって、通っていたうどん屋さんです…!!!
固めでしこしこの麺と鶏天がとにかく絶品で。その会社を辞めた後悔はなくとも、もう食べられないんだ…と残念に思ってしまうランチ先のひとつでした。

かけの冷やしで鶏天&ちくわ天。え~い!!久々だから野菜天もつけちゃう!!!
冷たいおだしがさくさくの天ぷらに染みるの最高以外の何物でもありません。麺も相変わらずコシがつよつよ。大好き。
また食べに来たいですね。

そんな美味しくていっぱいマンガにも浸れた今回の“漫泊”レポでした!
気になった方はぜひご宿泊を!






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